子どもも親も。「助けて」と言える社会になるためにできること

#もしかしてしんどい? ~虐待を考えるキャンペーン特番~

2月29日(土)[Eテレ]後9:00~9:59

2018年、全国の児童相談所が対応した虐待の認知件数は過去最多の16万件でした。なぜ、子どもへの虐待が増えているのでしょうか? 本当に虐待を防ぐために、社会ができることは何なのでしょうか?

2019年11月に始まった「#もしかして…虐待を考えるキャンペーン」。2月は、総合、Eテレ、ラジオ、とNHKのメディアを横断して、さまざまな番組で子どもの虐待について取り上げます。キャンペーンの集大成となるこの特別番組では、視点を広げ、虐待が起きる背景に目を向けます。「もしかしたら、自分も虐待をしてしまっているのではないか」と思い悩む親は少なくありません。NHKの子育て番組には、そんな親御さんの声が多く寄せられています。今、日本の子育てに何が起きているのでしょうか? 親たちが感じている息苦しさを明らかにし、子育てを家庭という閉鎖した空間から、社会に開いていくことの必要性を訴え、子どもだけでなく、親も「助けて」と言える社会になるためにできることを考えます。

収録を終えたばかりの横山 裕さんに感想をお聞きしました。

自分のためにもなりましたし、すごく考えさせられる収録でしたね。この先、僕に子どもができたときに、奥さんである「お母さん」が甘えられる手立てを作ってあげることが大事だと思いました。
「お母さん」は、「お母さんでいなければいけない」というプレッシャーがすごく大きいんだなと感じましたね。収録中、ゲストの眞鍋かをりさんも「子育てって、絶対に1回もミスっちゃいけないんだって、ずっと緊張してる」とおっしゃってましたけれど、みんな「完璧にしなきゃ」「子どもの成長が自分の一言で決まっちゃう」って思いながら育てていて、誰にも甘えられないんだなと思いました。でも本当はそうじゃなくて、「みんなで育てていくんだ」とゆとりを持ったほうがいいんじゃないかな。「ああ、もっと甘えていいんだ、この時間は自分の好きなことに使って、リフレッシュしたあとまた子育て頑張ろう」っていうふうになれたらいいのに。そういうゆとりが必要だなと思いました。

──番組をご覧の方に伝えたいことは?

母親であっても、甘えることは大事。別にそれはサボってるわけじゃなくて、心にゆとりを持つためであり、子どもと優しく向き合うためにお母さんに必要な時間であると感じてもらえたらいいんじゃないかな。そして、そう感じてもらうには周りの理解と協力が必要なんですよね。身近な存在としては、父親がもっと「ああ、子育てってこんなに大変なんだ」って、ちょっとでもいいから感じ取ってほしいなと思いました。それは、僕も今日スタジオでVTRみて感じたことだったから。
僕、今までは、将来もし奥さんに「子どもを託児所に預けてネイルサロンに行きたい」なんて言われたら、「お前、そんなんしていいんか」って言いかねなかったですもんね。でもいちばん怖いのは最悪のケースになること(暴力やネグレクトにつながっていくこと)だと思うので、そうなる前にゆとりの時間が大事なんだと知ることができました。
自分がいっぱいいっぱいだと、人に優しくなれないと思うんですよ。たとえば自分が空腹だったら、自分の持ってる食べ物は差し出せないですよね。自分が満たされていてゆとりがあればこそ、そういうことができると思う。ゆとりをもつ方法は人それぞれなので、その人にあった余裕の持たせ方で、心身を健全に保っておくことが大事だと思いました。
だから、託児所に預けて一人の時間をもつことで心の余裕が生まれるのであれば、それを活用したほうが絶対にいいと思う。父親や周りの家族も含めて、母親が託児所に預けることにも寛容であるべきだと思いました。

──虐待防止のために大事なことは何だと思いましたか?

独りで抱え込まないことじゃないですかね。鳥かごの中に入っていると、周りが見えない分、自分がどうなってるかわからないので、どんどん自分を追い詰めてしまうと思うんですけど、そうじゃなくて、いろんな人の話を取り入れて、甘えて、そんなに力を入れなくていいんだなと気付くことが大事だと思いました。
完璧な母親である必要なんて全然ない。「お母さんでないといけない」っていうプレッシャーが強いと思うんですけど、みんな初めてお母さんやってるんですから、できなくていいんですよ。もう「お母ちゃんだって初めてなんやから!」って言っちゃっていいと思うんですよね。子どもや父親と一緒に成長していければいいと思うんです。だからプレッシャーを感じず甘えてほしいと思います。

──男性代表として、最後にひとこと。

男性も男性で大変なんですよ。ぼくも仕事してますし。だから男性の大変な状況や気持ちもわかったうえで、今日収録に参加して思ったのは、「子育ては大変、仕事も大変」ということ。でも大変さのジャンルや種類が違うから、「俺も仕事してるから苦労は一緒やろ」じゃなくて、父親にもできることはやってほしい。二人の子どもですから、全部をお母さんに任せるのはおかしい。
とはいえ、外で働いてると夫には物理的に時間がないから、日中のオムツ交換とかはできなくても、家に帰ったときには奥さんの話を聞くとか、ちょっと息抜きに「お茶しに行こうか?」って誘ってみるとか、そういうことをするだけでも奥さんの心にゆとりが出てくるんじゃないかなと思うので、心がけてほしいと思いましたね。

「#もしかしてしんどい? ~虐待を考えるキャンペーン特番~」

【放送予定】2月29日(土)[Eテレ]後9:00~9:59

【ナビゲーター】横山 裕(関ジャニ∞)

【出演】向井 慧(パンサー)、眞鍋かをり、杉山 春(ルポライター)

【なみだくんの声】田村 裕(麒麟)

<トピック>

★「子育ては大変!」というけれど、「自分の子どもを傷つけちゃうほど大変というのはよく分からない」という多くの方のために、“子育てで追い詰められていく状況を会社の仕事に例える”ドラマに仕立てました。

★妻が子どもに手をあげてしまい、子どもが児童相談所に保護されたご夫婦のドキュメント。一見ごく普通の家庭で、とても子どもをかわいがっていた妻に何が起きたのか? 夫はなぜ、妻の異変に気付かなかったのか? 夫婦の話を聞きます。

★専業主婦がたくさん利用する託児所。親が「助けて」と言えない理由は、「親なのに」という罪悪感にあります。罪悪感はどこからくるのか? どうすれば、取り払えるか考えます。

★社会に求められる支援とは何でしょうか? 子どもが一時保護などに至る前に、困っている親子を支える栃木県日光市の先進的な事例を紹介します。

「くうねるあそぶこども応援宣言」サイト内

虐待の認知件数がおよそ16万件にのぼり、胸をしめつけられるような悲しいニュースが続いています。子どもへの虐待を少しでも減らしていくために、私たちに何ができるのか? NHKはさまざまな番組やデジタルコンテンツ、イベントを通して発信し、皆様と考えていく「#もしかして…虐待を考えるキャンペーン」を展開しています。キャンペーンは、子どもが生きる権利や守られる権利を保障した「子どもの権利条約」が採択されてから30年になる2019年11月20日にスタート。キャンペーン期間に多くの視聴者の声を集め、その声を集約した特別番組を2月に放送するほか、総合テレビ、Eテレ、ラジオを横断した集中編成を行います。このキャンペーンが「困難に直面している」子ども、そして親の助けとなる社会的アクションにつながっていくことを目指します。

▶「虐待を考えるキャンペーン」関連番組はこちら

取り上げた番組はこちらです!

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