『トイ・ストーリー』ウッディの名前の由来になった俳優知ってますか!?

バファロー大隊【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

3月23日(月)[BSプレミアム]後1:00

さまざまなおもちゃが活躍する大ヒットアニメ「トイ・ストーリー」(1995)。シリーズの主人公・カウボーイのウッディの名前の由来をご存知でしょうか。実は、ウッディという名前は映画ファン、とりわけ活劇ファンにはおなじみの、名優にちなんでいるということなんです。今回ご紹介するのは、その名優が抜群の存在感をみせる作品です。

ウッディの由来の俳優は…長身で精かんな肉体が魅力の黒人俳優の先駆者

騎兵隊のダブニー少佐とその娘が殺害され、黒人曹長のラトレッジが軍法会議に。白人のカントレル中尉が弁護にあたりますが、ラトレッジは何も語ろうとせず、法廷は不利な方向へすすみます。しかし、娘のネックレスから事件は思わぬ展開に…。
「駅馬車」(1939)「捜索者」(1956)「静かなる男」(1952)…、数々の傑作で、今も世界中の映画作家から深く尊敬されている映画の神様 ジョン・フォード監督が、西部劇と法廷ミステリーをミックスし、差別と偏見をテーマにした異色の作品です。

原題(「SERGEANT RUTLEDGE」)になっている、ラトレッジを演じるのが、カウボーイのウッディの由来となったウディ・ストロード。長身で精かんな肉体、キリっとした目が印象的な名優です。1914年生まれのストロードは、高校・大学時代から運動が得意で、陸上、フットボールの選手となり、さらにはプロレスでも活躍、1940年代からわき役やスタントマンとして映画に携わり、この映画がはじめてのフォード作品となりました。
スタジオは、当時人気スターだったシドニー・ポワチエやハリー・ベラフォンテを推薦しましたが、フォード監督はストロードを強く推したということです。この作品の、どんな状況でもプライドと威厳を感じさせるラトレッジは、ストロードのためにあるのではないかと思えるほどピッタリです。ストロードは、フォード監督最後の劇映画となった「荒野の女たち」(1965)まで、フォード作品4本に出演。晩年、フォードが体調を崩した後は、身の回りの世話をするなど、深い絆で結ばれていたということです。

ストロードはカーク・ダグラス製作・主演の歴史大作「スパルタカス」(1960)、リチャード・ブルックス監督の西部劇「プロフェッショナル」(1966)などの名作や、テレビドラマでも活躍しました。フォードをこよなく敬愛するセルジオ・レオーネ監督の「ウエスタン」(1968)では、レオーネが、トレードマークでもある“特大のアップ”で顔を撮ってくれたことがうれしかったと語っています。

現在活躍する黒人俳優の先駆者でもあるウディ・ストロード。映画史に刻まれる名優に改めてご注目ください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「バファロー大隊」
3月23日(月)[BSプレミアム]後1:00〜2:53

そのほかの映画情報はこちら


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

取り上げた番組はこちらです!

関連記事

その他の注目記事