NHKプラスでいま配信中のもの、おすすめします!

見逃し番組日記 その2

いま、私たちは何に直面しているのでしょうか。過去の名作や、現代の知性からひもとく番組を紹介します。ほっとする5分ミニ番組もあります!

100分de名著 カミュ “ペスト” 第1回~第4回

※NHKプラスでの配信は終了しましたが、NHKオンデマンド(有料)でご覧いただけます。(2020年5月28日まで)

1つ目は、なかなか手を出すことができなかった難解な1冊の名著を、25分×4回、つまり100分で読み解いていく「100分で名著」。今回の名著は、20世紀を代表する文学者、アルベール・カミュ作の『ペスト』です。

2018年に放送されたものですが、いま、再びこの作品が脚光を浴びていることから、急きょ、4回分を一挙にまとめて再放送。難しい作品かなと思っていましたが、この小説の中で描かれる世界が新型コロナの危機に置かれている現状に似ていてとても興味深く、指南役の先生の解説もとてもわかりやすいため、100分間一気に見てしまいました。

物語を少しご紹介すると、舞台はアルジェリアの港町オラン。医師のベルナール・リウーがアパートの階段で見つけた一匹のねずみの死骸を前兆にペストが発生します。瞬く間に町には死者があふれ市民は監禁状態に。そんな極限状態の中での人々をドキュメンタリータッチに描いています。
小説の内容に入ってたった数分間で、1947年に書かれたこの作品が、ここ数か月の現状を思わせるもので、ゾッとしてしまいました。

第2回で登場するリウーのひとことが印象的でした。「絶望に慣れることは、絶望そのものより悪いのだ」
個人的にも、現在の異常事態に慣れ始めてしまっている思いもあり、胸にグサッとくる一言でした。解説のフランス文学者・中条省平先生も重要な一句と語り、絶望に慣れた先にどうなるか、を物語に基づいて解説してくれます。

そして、小説の結びの一言に背筋が凍りましたが、この一言に込められた思いを語る先生方の見解を聞くと、ハッキリと結末を語るのをためらわれる思いでした。

外出が自粛されている中で、積読に手を付けていらっしゃる方もいると耳にします。この番組をきっかけに名著を深掘りしてみるのはいかがでしょうか。

※4月11日(土)にEテレで放送した番組です

◆「100分de名著」番組ホームページ◆


ETV特集「緊急対談 パンデミックが変える世界~海外の知性が語る展望~」

※NHKプラスでの配信は終了しましたが、NHKオンデマンド(有料)でご覧いただけます。(2021年4月8日まで)

2つ目は、新型コロナによるパンデミックの危機は世界をどう変えるのか、歴史学、政治学、経済学の各分野で独自の思想を展開する世界の知識人に緊急インタビューした特番です。登場する知識人は、「ニューヨークの国際政治学者、イアン・ブレマー」「世界的ベストセラー“サピエンス全史”“ホモ・デウス”の著者、イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ」「フランスの経済学者・思想家、ジャック・アタリ」の3人です。

「100分de名著」を見たあと、現実世界の状況をよく知りたいとかき立てられ、この危機を乗り越える知恵を授けていただきたいと思い、この番組をじーっと見てしまいました。
特に印象的だったのが、イスラエルの歴史学者とフランスの経済学者・思想家が、新型コロナとの戦いを口実にその国のトップの権限が拡大し“独裁国”になる危機を語っていたこと。「じゃあ、どうすりゃいいんだー!」と思いますが、ユヴァル・ノア・ハラリさんが「市民に課せられた2つの務め」を語るので、ぜひ番組をチェックしてみてください!

また、それぞれの知識人の方が最後に「人々への提言」を語りますが、ここに知識人の言葉が集約されています。一人目のイアン・ブレマーさんが「犬を飼うべきだ」と語ったところに「へ!?」と拍子抜けしましたが、その意図がすぐあとに語られるので、そこにも注目です。番組を見終わったあと、3人のインタビューを参考に、どんな情報を集め、どんな行動をとっていくのか考えてみるのもいいかもしれません。

※4月11日(土)にEテレで放送した番組です

※再放送は 4月16日(木)[Eテレ]午前0:00~1:00(60分)※15日深夜

◆「ETV特集」番組ホームページ◆


みちのくモノがたり「雄勝 すずりに託した思い」
※この番組の配信は終了しました

さて、過去と現代からの提言で頭を使ったあとは、ちょっとほっとできるミニ番組をご紹介します。東北の被災地でキラリと光る物作りを続ける職人たちのドラマを紹介する番組です。
今回は、宮城県石巻市雄勝町のすずり職人・遠藤弘行さんの工房が舞台。雄勝は全国一の生産量を誇るすずりの名産地なんだそうです。番組を見始めてみると、すずりがいままで知っているモノではなく、まさに、芸術品! すずりに刻まれた絵などはとてもすてきでした。

遠藤さんは40年この道を究めて来た職人さん。その歴史の中で、2011年3月11日の被害を受けてしまいます。ご自身の工房が流されますが、ある奇跡をきっかけに震災から2か月で仮の工房を作ったそうです。

日々技を磨く職人さんの言葉は、個人的にやる気がみなぎるので好きなのですが、遠藤さんがご自身の仕事について「どう手を加えて完成させるかというのはやっぱりワクワクしますよね」と語る表情はとてもステキでした!

東北の震災を乗り越えた職人さんの心意気に触れてみるのはいかがでしょうか?

※深夜の時間帯の番組は、常時同時配信は行っていないのですが、見逃し番組配信は行っています。

※4月12日(日)午前1:25(11日深夜)に総合テレビで放送した番組です

◆「みちのくモノがたり」番組ホームページ◆


取り上げた番組はこちらです!

関連記事

その他の注目記事