『ゴッドファーザー』シリーズ 3作品全て放送!

ゴッドファーザー【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

[BSプレミアム]後1:00
4月29日(水・祝)「ゴッドファーザー」
5月6日(水・振休)「ゴッドファーザー PARTⅡ」
5月13日(水)「ゴッドファーザー PARTⅢ」

イタリア系の巨大マフィア、コルレオーネ・ファミリーの栄光と悲劇…、今回ご紹介するのは、映画史上最高の3部作ともいわれる傑作シリーズです。

監督の思い出も作品に織り込まれ、共感を呼ぶ世界観に

第1作の始まりは、1940年代、ニューヨークのコルレオーネ邸。暗く琥珀こはく色によどんだ部屋には、ドン・コルレオーネに頼みをきいてもらおうという人が次々訪れます。一方、屋外では、華やかな色彩にあふれ、明るい音楽が流れる結婚披露宴が行われています。色彩が対比された冒頭のこの2つの場面で、みるものは、作品世界に引きずりこまれてしまいます。

ドン・ビトー・コルレオーネを演じるのはマーロン・ブランド。「波止場」(1954)「欲望という名の電車」(1951)、強烈な存在感と演技で観客を魅了してきた演技派俳優であり、大スターです。ブランドは、撮影当時はまだ40代後半の若さでしたが、特殊メークの第一人者、ディック・スミスの卓抜なメークと、声をあえてしわがらせ、ゆっくり語る演技で、威厳と迫力に満ち、家族の絆を重んじるマフィアのボスを見事に体現しました。

ドンの後継者となるマイケルを演じるのはアル・パチーノ。決然とした表情、とりわけ目が印象的です。血の気の多いソニーを演じるジェームズ・カーン、気が弱く、ナイーブなフレドを演じるジョン・カザール、マイケルの妻を演じるダイアン・キートン、ロバート・デュバル…、名優たちの出世作となりました。

30代前半だったフランシス・フォード・コッポラ監督は、当時、脚本家としての知名度の方が高く、自分の製作会社を維持するために、この映画を引き受けたということですが、資本主義、権力と腐敗、家族の絆を描くと映画会社をときふせ、作家性の高い作品に仕上げました。イタリア系のコッポラ監督は、自身の思い出を随所に織り込んでいます。例えば、リチャード・カステラ―ノ演じるクレメンザが裏切り者を始末する場面では、出かける前に妻から、お菓子を忘れないで、と頼まれます。これはカノーリという、イタリアではポピュラーなお菓子で、コッポラ監督は、小さい頃、この作品で音楽も担当している父・カーマインに買ってきてもらった記憶があったとのことです。カノーリは第3作にも登場しますが、こうした生活に根ざしたディテールを描き、積み重ねることが、このシリーズにリアリティーをもたらし、世界中で共感されるのだと思います。

深い感動に包まれるコッポラ監督の一大叙事詩。じっくりお楽しみください。

【放送日時】
プレミアムシネマ「ゴッドファーザー」
4月29日(水・祝)[BSプレミアム]後1:00〜3:58

プレミアムシネマ「ゴッドファーザー PARTⅡ」
5月6日(水・振休)[BSプレミアム]後1:00〜4:23

プレミアムシネマ「ゴッドファーザー PARTⅢ」
5月13日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:51


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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