いま、テレビができることって?

あたらしいテレビ 徹底トーク2020

【再放送】5月29日(金)[総合]前1:50~2:50〈木曜深夜〉
(初回放送:5月10日[総合])


【出演】佐久間宣行(テレビ東京 プロデューサー)
土屋敏男(日本テレビ シニアクリエーター)
野木亜紀子(脚本家)
疋田万理(メディアプロデューサー)
ヒャダイン(音楽クリエーター)
フワちゃん(YouTuber芸人)
【語り】松本まりか(俳優)
【司会】杉浦友紀(NHKアナウンサー)

いま、多くのひとが“日常”から遠く離れた現実に向き合っています。テレビや映像メディアもまた、かつてない激変の真っただ中です。リモートで収録する手法が活発化したり、タレントたちがSNSで自撮りの映像を発信したり。そんないまの状況や今後について、局もジャンルの垣根も越えて語り尽くします!

パネリストは、一線で活躍する番組制作者や動画クリエーターなど。YouTuber芸人のフワちゃんは、NHK討論番組に初出演。YouTubeとテレビのバラエティー番組の垣根を越えて活躍するフワちゃんだからこその視点で議論に参加します。
そして、海野つなみさん原作のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で注目された脚本家の野木亜紀子さんも登場。フィクションの作り手としてどのように社会と向き合うか、みずからの姿勢を語ります。
また、「電波少年」シリーズでおなじみの“T部長”こと伝説のプロデューサー・土屋敏男さんが出演。現在の状況をテレビ人生最大の衝撃として捉え、テレビ制作者たちに奮起をうながします。

5月1日の番組収録は、出演者やスタッフの安全と健康に配慮し、完全にリモートで行われました。出演者たちは、それぞれの自宅や会社にいながら、オンライン通話アプリで互いにやりとり。
話題は、インスタライブがもたらすもの、ドラマの再放送の可能性、星野 源さんの「#うちで踊ろう」についてなど、おおいにふくらみ盛り上がりました。約3時間におよぶ収録を終えた出演者の皆さんは、最後「オンライン打ち上げしましょう!」「いつかリアルで会いましょう!」と約束を交わしていました。

収録後、出演者の皆さんに感想を伺いました。

佐久間宣行さん

このステイホームの期間に改めて娯楽のすばらしさはクローズアップされたと思う。無駄なものかもしれないけど、無駄なものがないと人間は生きていけない。生活に彩りを与えられるようなエンターテインメントをちゃんと作っていきたいなと改めて思いましたね。
ぼく自身としては、一人の時間を見つめ直すことで、他人と接することのかけがえのなさをもう一度感じると思うから、次に会ったとき、みんなに優しくできるだろうなと思います。
メディアとしては、このタイミングで古い価値観が噴出してさらされたのではないかと思う。今後、できるだけうそが少ないメディアになっていくために価値観をアップデートする期間。逆に今ここで価値観アップデートできないと、制作者にもテレビ自体にも未来は無いんじゃないでしょうか。

佐久間宣行(さくま・のぶゆき)【テレビ東京 プロデューサー】
バラエティー番組、またドラマのプロデューサー・演出として活躍。「ゴッドタン」では「キス我慢選手権」「マジ歌選手権」など、多くのヒット企画を世に送り出してきた。他「ウレロ☆」シリーズ、「青春高校3年C組」「あちこちオードリー」などを手がける。また「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを務め、若いリスナーから支持を得ている。

土屋敏男さん

今回のコロナで、もう一回テレビに頑張ってほしいって思ったんだよね。毎日出していけるものがテレビだから。何年か後に振り返ったときに「テレビも一緒に戦ったよね」って言ってほしいですね。
テレビ番組を作っている一人一人の作り手が何をするかの集まりがテレビだから、それを全員がそれぞれ考えなければと思う。心から出る言葉が見てる人に伝わるわけだから。自分がたくさんの人に見てもらえる「窓」を作ってるんだという意識の中で何ができるのか。これだけ人類の危機に直面しているときに、テレビはもっとやれることがあるのかもという意識を持ち続けてほしいと思っています。

土屋敏男(つちや・としお)【日本テレビ シニアクリエーター】
「電波少年」シリーズのT部長でおなじみ、日本テレビの名物プロデューサー。「電波少年」シリーズをはじめ、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」など数多くの話題作を手がけてきた。

野木亜紀子さん

コロナウイルスのことがあるよりも前から、SNSの台頭によってテレビの存在意義が変わってきたという状況はありました。そういう状況で今回のことが起こったので、いろいろと考え直すのにいい機会なんじゃないかなと思っています。
番組の制作現場では、今この状況で何ができるか、早い者勝ちみたいなところがあるなとも思っていて、たとえばテレビ東京が「リモート番組やります」って始めたり、NHKが「リモートドラマをやります」って新しく作ったりしてるのが、動きが早くていいなと思いましたね。
そして今、テレビに求めたいのは、矜持きょうじを持った「報道」に力を入れてほしいということです。いま伝えるべき情報はなにか、過度な演出をしていないか、常に律して、メディアの役割を果たしてほしいです。

野木亜紀子(のぎ・あきこ)【脚本家】
社会現象を巻き起こしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(原作:海野つなみ)のほか、「アンナチュラル」「コタキ兄弟と四苦八苦」など、次々と話題作を世に送り出している。最新作の「MIU404」は放送待機中。2018年に放送された「獣になれない私たち」で第37回向田邦子賞を受賞。

疋田万理さん

自分はメディアの世界にいて、これまでもいろんな方たちと話している気持ちになっていましたが、バラエティーやドラマの方と話す機会はあまりなかったので、今回はじめていろんな方々がどういうふうに制作に携わっているか、裏側の努力や、正解を探していらっしゃる姿を知ることができてすごく勉強になりました。
コロナ禍で苦しいこの時期、報道がどのように伝えていくかということが皆さんのメンタルに直接的に響くんだと思い、それについては今までもずっと気をつけてきましたが、より一層注意しなくてはいけないなと感じました。

疋田万理(ひきた・まり)【メディアプロデューサー】
インターネットメディア「ハフポスト」、女性向け動画サイト「C CHANNEL」、SNS型動画メディア「ONE MEDIA」編集長を経て起業。若者が興味を持つトピックスと社会問題を結びつける感性が注目を集め「BUSINESS INSIDER 2019 Game Changer」にも選出された。現在は、SNSで発信するニュースコンテンツのプロデュースなどを手がけている。

ヒャダインさん

僕はただのテレビウォッチャーですけど、テレビ局の現場に根差した人も含めて、いろんな立場の人たちの意見が聞けてとても参考になったし、教わることも多かったですね。
いまテレビに対して思うことは、「コロナ」というものをワイドショーの中でエンタメ化しないでほしいということ。もちろん外出自粛を促すために怖がらせることは必要かもしれないけれど、人を傷つけたり不安にさせたり、いやなストレスを与え続けることによって、みんな怒りっぽくもなってるし不安にもなってる。それをテレビが助長してどうするんだと思うんです。テレビは、希望や勇気を与えるメディアであらなきゃならない。そこはイチ視聴者として意見させていただいた感じですね。お疲れ様でした!

ヒャダイン【音楽クリエーター】
本名の前山田健一として「ももいろクローバーZ」「でんぱ組.inc」など、さまざまなアーティストへ楽曲を提供している。タレントとして多数のテレビやラジオ番組に出演し、さらには俳優としてドラマにも出演。また自ら“テレビっ子”を公言し、常にテレビ番組をチェックする、テレビウォッチャーとしての一面も持つ。

フワちゃん

これからのテレビはどうなっていくのか、みんなで頭をひねって考えていくというのが、新しくて面白い試み。みんなでアイデア出して、「今こういうのがだめだよね」「こういうのは逆にいいよね」って言いながら、本当にいろんな方向からいろんな意見が飛んできて、結果的にポジティブな感じでまとまったのが、すごくよかった。爆疲れたけど、爽快感があった。みんなで駅伝を完走しちゃったみたいなノリ(笑)。
「テレビ」というくくりで「こうしなきゃいけない」じゃなくて、テレビを作る人たちそれぞれが自分の美学をもって作ったら、その美学は私たちに届くと思います。私もしっかり、こういう状況でも盛り上げられるように頑張って、みんなもテレビに期待していてほしいです。

フワちゃん【YouTuber芸人】
カラフルなファッションとハイテンションがトレードマークのYouTuber。またYouTubeのみならず、テレビのバラエティー番組でも活躍中。ファッションイベント、CM、ラジオ出演のほか、ウェブ媒体での連載など、活動メディアは多岐にわたる。

<ナレーション> 松本まりかさん

松本まりか(まつもと・まりか)【俳優】
ドラマ、バラエティー番組、CM、舞台、グラビアなど、さまざまなメディアで活躍する俳優。かわいらしい女性からクセのある殺人犯の役まで幅広い役を演じ、高い演技力に注目が集まる。また個性的な声を生かし、声優やナレーターとして多数の作品にも参加している。

制作者メッセージ

番組プロデューサー・坂部康二

今、多くの人が“日常”から遠く離れた現実に向き合い、かつてない状況下で、困難に直面しています。命や生活が脅かされる危機です。
そんな中、「不要不急」かもしれないテレビ番組をつくる自分ですが、それでもこの現実に向き合い、私たちができること、すべきことを考えたいと思いました。考えを深めるにあたって、テレビをめぐる分野で活躍する人たちに声をかけました。その誰もが、人気や実績がうなずける、際立った考えや確かな姿勢を持つ皆さんです。
テレビや映像を必要としてくれた時に、必要な何かを提示できる私たちであるために、“あたらしいテレビ”を考えるヒントを模索したい。その行為は、私たち作り手の自己満足で終わるのではなく、テレビをはじめとする映像メディアに触れる視聴者の方々にとっても、きっとプラスになるものと信じます。

「あたらしいテレビ 徹底トーク2020」

【再放送】5月29日(金)[総合]前1:50~2:50〈木曜深夜〉
(初回放送:5月10日[総合])

【出演】佐久間宣行(テレビ東京 プロデューサー)
土屋敏男(日本テレビ シニアクリエーター)
野木亜紀子(脚本家)
疋田万理(メディアプロデューサー)
ヒャダイン(音楽クリエーター)
フワちゃん(YouTuber芸人)

【語り】松本まりか(俳優)

【司会】杉浦友紀(NHKアナウンサー)

▶︎ 番組ホームページ

取り上げた番組はこちらです!

その他の注目記事