歴史スペクタクルの王道!
ローマ帝国の皇帝に反旗をひるがえした男の運命は?

クォ・ヴァディス【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

7月2日(木)[BSプレミアム]後1:00

ローマ帝国時代、禁じられたキリスト教徒である美しい王女リジアと恋に落ち、キリスト教徒弾圧に乗り出した皇帝ネロに反旗をひるがえした軍団長マーカスの物語…。
今回ご紹介するのは、壮大なスケールの歴史超大作です。

壮大なスケールで製作された、
スペクタクルな映像美

原作はポーランドのノーベル賞作家シェンキーヴィッチが19世紀末に発表した大長編小説。サイレント時代にイタリアで映画化されるなど、何度も映像化されています。今回放送するのは、1951年、当時最高の規模で製作され、大ヒットとなった作品です。

何といってもみどころは、アメリカ映画ならではの、これぞスペクタクルともいうべき映像美。ローマ軍の行軍や大群衆、ネロのもとで開かれるうたげ…、奥行きのある巨大なセットや鮮やかな衣装、その豪華さは今見てもため息がでるほどです。さらに、ローマの大火の場面など、数々の視覚効果も使われています。アメリカ映画ではありますが、撮影が行われたのはイタリア、ローマの撮影所。当時ハリウッドは、テレビの台頭や赤狩りの影響によって、次第に陰りがみえはじめた時代でした。第二次大戦後の復興期にあったイタリアで撮影することで大規模な製作を実現し、大成功を収めたこの作品は、その後「ベン・ハー」(1959)「ソドムとゴモラ」(1961)「クレオパトラ」(1963)など、歴史スペクタクル超大作の先駆けともなりました。監督はマービン・ルロイ。メロドラマ「哀愁」(1940)、「心の旅路」(1942)、ギャング映画「犯罪王リコ」(1930)、社会派「仮面の米国」(1932)など、さまざまなジャンルをてがけた、ハリウッドの名監督です。

キャストも魅力的です。マーカスを演じるのはハリウッドスターのロバート・テイラーですが、イギリスの俳優も印象的です。リジアを演じるのはスコットランド生まれのデボラ・カー。キリッとした口元と目が印象的で、清楚せいそで気品あふれる女王を見事に演じています。暴君ネロを演じるピーター・ユスチノフはロンドン生まれ。デボラ・カーと同い年で撮影当時20代後半、敵役を抜群の個性で演じています。ペトロニウスを演じ、アカデミー賞にノミネートされたレオ・ゲンもロンドン出身の名優、そして、ネロの妻を官能的に演じるパトリシア・ラファンもイギリス人です。長身でスタイル抜群のラファン、「火星から来たデビルガール」(1954)の宇宙人も演じている、というと特撮映画の好きな方には「!」と思っていただけるのではないでしょうか。

歴史スペクタクルの王道の名作、じっくりお楽しみください。

プレミアムシネマ「クォ・ヴァディス」

7月2日(木)[BSプレミアム]後1:00〜3:55


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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