プレミアムシネマ 8月は戦争映画

史上最大の作戦 ほか【渡辺祥子のシネマ温故知新】

今年もまたやってくる8月15日、終戦の日。その8月に放送される戦争映画が『パットン大戦車軍団』(1970)、『史上最大の作戦』(1962)、『遠すぎた橋』(1977)の3作。どれも第2次大戦を題材にしている話題作。
もう1本、19日にはロマン・ポランスキーが第75回アカデミー賞の監督賞、主演のエイドリアン・ブロディが主演男優賞を受賞した『戦場のピアニスト』(2002)もあるが、今月は戦闘シーンの多い映画3作を中心に。

プレミアムシネマ「史上最大の作戦」

8月12日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:59

3作の中で最も古い『史上最大の作戦』は、1944年6月に行われ、連合軍側の勝利を確かなものにしたノルマンディー上陸作戦の様子をオールスターで描く。ナチス・ドイツ軍は英米仏の連合軍がフランス北部に上陸して攻め込んで来ると考えていたが、それにしても連合軍はどこから、いつ上陸してくるのか? ドイツ軍情報部のマイヤー大佐は英BBC放送がドイツ占領下のフランスへ送るメッセージを分析しながら、ヴェルレーヌの詩「秋の歌」に注目していた。詩の前半の一部「秋の日のヴィオロンのためいきの」が2回放送され、次に後半の一部「身にしみてひたぶるにうら悲し」が放送されたとき、24時間以内に連合軍の上陸が始まることはレジスタンスから押収した資料を分析した結果わかっていた。その知らせを受けた司令部では警報をだしただけで何の手も打たなかった。それより彼らはカレーとノルマンディーのどちらかから上陸するはず。でもどっち? 答えがでないままドイツ軍は、1944年6月を迎えた、というのは映画が描く連合軍によるノルマンディー上陸前にあった話。

プレミアムシネマ「パットン大戦車軍団」

8月5日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:50

『パットン大戦車軍団』は、北アフリカ戦線で戦い、バルジの戦いで戦史に残る大勝利を得た米軍ジョージ・S・パットン将軍を描く。演じたジョージ・C・スコットは第43回アカデミー賞主演男優賞を得たものの受賞拒否している。アカデミー賞では作品賞のほか優秀な脚本家として売り出し中のフランシス・F・コッポラが書いた脚本を含む7部門を受賞した。撮影はスペイン、ベルギーで行われ、戦闘車両はスペイン陸軍から借りた戦車・武器を連合軍のものとして使用した。続編は『パットン将軍最後の日々』(1986)。パットン役は同じジョージ・C・スコットが演じている。

プレミアムシネマ「遠すぎた橋」

8月26日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:57

『遠すぎた橋』は、ノルマンディー上陸から3か月後、オランダのアーネムで戦われた連合軍最大の激戦を描く。独軍がオランダから撤退を始めていたころ、ロンドンのブラウニング中将(ダーク・ボガード)の指令室では連合軍司令官が集合、ネーデル・ライン河からベルリンへ進撃路を開くために空からのマーケット作戦、陸からのガーデン作戦が行われることが決まった。そして戦闘が始まったとき、英情報部は独軍の兵力の大きさに作戦の危険を知らせたがブラウニングは黙殺、マーケット・ガーデン作戦は決行され、9日間の戦闘で連合軍側の戦死、行方不明者は1万7千名以上にのぼった。
実際に戦闘が行われていたときアーネムに住んでいたのが少女の日のオードリー・ヘプバーン。そこで製作側が彼女に出演を依頼したが断られている。


渡辺祥子

【コラム執筆者】
渡辺祥子(わたなべ・さちこ)さん

共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。

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