来年の正月時代劇「ライジング若冲 ~天才 かく覚醒せり~」。「奇想の画家」と呼ばれ、今も大人気の江戸時代の絵師・伊藤若冲の半生を、彼を取り巻く美意識高い系の男たちとの交流とともに描く、アート・エンターテインメントなドラマです。
放送に先立ち、衣装ビジュアルを先行公開! 正月時代劇にふさわしい、華やかな映像世界に欠かせない衣装にはどんな思いが込められたのか。衣装デザインを手がけた大塚 満さんのコメントとともにご紹介します!
(衣装デザイン・大塚 満 談)
まず、今回の『ライジング若冲』というドラマは、物語の中にたくさんの絵画が出てくるので、着物には柄を入れないようにしようと思いました。そして、それぞれの役柄はもちろん、演者さんご本人に似合う色や生地の素材でキャラクターの特徴が出せればと思い、衣装を形造っていきました。
■伊藤若冲・・・中村七之助
京都の青物問屋に生まれ、生き物の世界を空前絶後のテクニックで描いた天才絵師。

衣装メモ
若冲は、京の町のやわらかさと大典に惹かれていくさまを表現したいと思いました。
素材には紬を使い、店の人たちと寄り添いつつも七之助さんらしい若冲を演出したくて、淡い色づかいにしました。
物語の後半に進むと、白い着物が登場しますが、これは衣装合わせ(撮影に入る前に俳優の衣装をフィッティングする打ち合わせ)とは違うものになっています。撮影が進んでいくうちにそんな考えにさせられたので。なぜこんな衣装になったのか、ドラマをご覧いただきながらそんなところも観ていただきたいです。
■大典顕常・・・永山瑛太
若冲終生の最高の理解者であり、名プロデューサーでもあった美しき僧侶。

衣装メモ
大典は、美しく透明感のあるお坊さんにしたかった。このひと言に尽きます。源監督には「風を感じる衣装にしてほしい」と言われたので、本来は使わないシルクの素材でお坊さんの衣を作りました。
■円山応挙・・・中川大志
玩具屋尾張屋の丁稚。貧しい農家出身だが、絵の世界で身を立てることを志す。

衣装メモ
応挙の若さと無鉄砲な感じが表現できればいいなと思い、紺色の格子の着物にしました。動きがあるので、撮影の時には着物の下にパッチをはいて演じてもらっています。応挙を演じる中川大志さんは背が高いので、そんなことで少年らしさを感じられるといいなと思いました。
■池 大雅・・・大東駿介
山登り大好きのアウトドア派画家。のびやかな水墨画を描く

衣装メモ
大雅は“素朴な自由人”というキャラクターかなと思い、着物を二枚重ねました。さらに、上に着る着物には目の粗い麻の着物を合わせて、ワイルドさを出したいなと思いました。
■池 玉瀾・・・門脇 麦
池 大雅の愛妻。みずからも風景画を描く。

衣装メモ
玉瀾の衣装は、大雅への愛と優しさを自然素材と色で表したいと思いました。彼女の着物は、新しく仕立てたあと、京都の日差しに何日もさらして色を落ち着かせています。色褪せて見えるかもしれませんが、新品の着物なんです。帯は、夫である大雅とペアにしています。
■売茶翁・・・石橋蓮司
路上で茶をたてる謎の仙人。画家たちの才能を開花させる精神的支柱。

衣装メモ
売茶翁は、人を包みこむ大きな心を持つ仙人の感じを表したくて、上に着ている胴服の袖の形と大きさを変えました。
中村七之助と永山瑛太のW主演となる来年の正月時代劇。放送は、2021年1月2日です。
それぞれの登場人物のキャラクターを表現する衣装にも、ぜひご注目ください!
正月時代劇「ライジング若冲 ~天才 かく覚醒せり~」
【放送予定】
2021年1月2日(土)[総合・BS4K]後7:20〜8:35
1月16日(土)[BSプレミアム]後9:00~10:30<完全版>