クリント・イーストウッドといえば…
この映画は外せません!

ダーティハリー【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

2月25日(木)[BSプレミアム]後1:00

今年5月で91歳。現役最強の映画作家であり、スーパースターであるクリント・イーストウッド。監督主演の新作もまもなく完成という驚異的な活動を続けています。そのイーストウッド最大の当たり役といえば、「ダーティハリー」で演じた、サンフランシスコの刑事ハリー・キャラハン。第1作から半世紀が経ちますが、刑事アクションの決定版として今も高く評価されています。

“さそり座”と名乗る男による連続殺人事件が発生。捜査にあたったハリーですが、あと一歩のところで逃してしまいます。そして、子どもたちの通学バスをジャックした犯人との対決のときが…。

大型拳銃で悪人たちを倒す“ダーティハリ―”ことキャラハン刑事。当時40歳、長身のイーストウッド以外に考えられないキャラクターです。世界中で大ヒットし、これまでに5作が作られました。

監督のドン・シーゲルは1912年生まれ。イギリスのケンブリッジ大学で学んだあと、1930年代に映画界に入り、ハワード・ホークス監督の「脱出」(1944)の助監督や、マイケル・カーティス監督の「カサブランカ」(1942)の編集をてがけた生っ粋のハリウッド映画人です。50年代からは監督として低予算の犯罪映画やテレビドラマを担当してきました。きびきびした展開、無駄を省き、手早く撮影する演出スタイルで、イーストウッドと意気投合。5作品で組み、イーストウッドの初監督作「恐怖のメロディ」(1971)には俳優として出演しています。シーゲルは、自伝で、互いを“クリントス”、“シゲリーニョ”と呼び合っていたと語っており、深い信頼と友情で結ばれていたことが伝わってきます。

そして、寒気すら感じる“さそり座”を演じるのは、これが映画デビューとなったアンディ・ロビンソン。ニューヨークで生まれ、大学卒業後イギリスでも演技を学び、20代後半のときシーゲル監督に抜てきされました。実生活でのロビンソンは、教養にあふれ穏やかな性格だったそうですが、あまりの強烈な演技と存在感に、本当に恐ろしい人間だと勘違いされ、つらく感じる時期もあったと語っています。ですが、イーストウッドもシーゲル監督もこの悪役がいるからこそ、キャラハン刑事が際立つことを、よくわかっていたのだと思います。ロビンソンは、その後も数々のテレビドラマや映画に出演し個性派俳優として活躍中です。

プレミアムシネマでは「ダーティハリー」シリーズ5作を放送いたします。
何度見てもおもしろいアクション・エンターテインメント、改めてお楽しみください。

プレミアムシネマ「ダーティハリー」

2月25日(木)[BSプレミアム]後1:00〜2:44


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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