世界中のコメディアンに影響を与えたマルクス兄弟の代表作!

我輩はカモである【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

4月15日(木)[BSプレミアム]後1:00

今回ご紹介するのは抱腹絶倒の傑作コメディー。日本のザ・ドリフターズはもちろん世界中のコメディアンに影響を与えたマルクス兄弟の代表作です。

チャールズ・チャップリン、バスター・キートン、ハロルド・ロイド、ローレル&ハーディ…、サイレントからトーキーへと変わりゆく100年ほど前、アメリカ映画では傑出したコメディアンが次々生まれました。実の5人兄弟・マルクス兄弟も映画史にさん然と輝く存在です。

舞台は架空の国フリードニア。財政難打開のため、大富豪のティーズデール夫人に援助を依頼しますが、夫人の条件はお気に入りのファイアフライを首相にすること。一方、隣国のシルベニアは乗っ取りを画策し、チコリーニとピンキーをスパイとして送りこみます。首相のファイアフライとスパイによってフリードニアは大混乱に…。

次々と繰り出されるギャグ、戦争やファシズムを徹底的に笑いとばす不条理とも思える展開…。90年近く前のこの作品、公開当時はヒットしませんでしたが、現在では映画史上の傑作とされています。

長男チコがチコリーニ、次男ハーポがまったくしゃべらないピンキー、三男、黒く塗った口ひげでナンセンスなセリフをしゃべり倒すグルーチョがファイアフライを演じます。19世紀末から20世紀の初め、ニューヨークで生まれたマルクス兄弟は、舞台コメディアンとして活躍、「ココナッツ」(1929)で長編映画デビューし人気者となります。舞台では四男ガンモも参加しましたが、映画ではガンモに代わって五男ゼッポが加わり、この映画のあと俳優を引退したため、これが兄弟4人共演の最後の作品となりました。

監督のレオ・マッケリーは、ビング・クロスビー主演のヒューマン・ドラマ「我が道を往く」(1944)、ケーリー・グラント、デボラ・カー共演のメロドラマ「めぐり逢い」(1957)が有名ですが、もともとはドタバタ喜劇の監督として活躍、マルクス兄弟のリクエストで、この映画の演出を担当したということです。

クレジットはありませんが、製作を務めたのは脚本家としても知られるハーマン・J・マンキーウィッツ。そのマンキーウィッツをゲイリー・オールドマンが演じ、傑作「市民ケーン」(1941)の脚本を書きあげるまでを描いたデビッド・フィンチャー監督の「Mank/マンク」(2020)が、現地時間今月25日に発表されるアカデミー賞で作品賞はじめ最多10部門にノミネートされているのも注目です。

映画史上不滅の傑作コメディー、どうぞお楽しみに!

プレミアムシネマ「我輩はカモである」

4月15日(木)[BSプレミアム]後1:00〜2:10


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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