【アカデミー外国語映画賞受賞】
今も多くの人の涙腺を刺激してやまない感動の名作

ニュー・シネマ・パラダイス【インターナショナル版】デジタル・レストア・バージョン【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

4月29日(木・祝)[BSプレミアム]後1:00

ローマで暮らす映画監督・サルバトーレのもとに訃報が届きます。亡くなったのは、幼いころ父親のように慕っていた映写技師のアルフレード。サルバトーレは、トトと呼ばれ、アルフレードと過ごした少年時代を回想しますが…。今回ご紹介するのは、今も多くの人の涙腺を刺激してやまない感動のイタリア映画です。

監督・脚本はジュゼッペ・トルナトーレ。30代前半で手がけたこの作品は世界中で絶賛され、イタリア映画を代表する監督となりました。大の映画好きのトルナトーレ監督、劇中には、チャップリンやイタリア・フランスのさまざまな名画が登場します。

トトと映画に限りない愛情を注ぐアルフレードを演じるのはフィリップ・ノワレ。そして中年となったサルバトーレを演じるのはジャック・ぺラン。この作品はイタリア映画ですが、2人ともフランスを代表する名優です。優しいまなざしが印象的なノワレは当時50代後半。アルフレッド・ヒッチコック監督の「トパーズ」(1969)などのアメリカ映画にも出演するなど国際的に活躍していましたが、2006年、76歳で亡くなりました。白髪が渋くてハンサムなぺランは1941年パリ生まれ。父は舞台演出家、母は女優で、10代から俳優を志し、ジャック・ドゥミ監督のミュージカル「ロシュフォールの恋人たち」(1966)などの名作に出演。コスタ・ガブラス監督の社会派ドラマ「Z」(1969)など、プロデューサーとしても活躍しています。

音楽はエンニオ・モリコーネ。500を超える映画やテレビの音楽をてがけたマエストロ、巨匠のなかの巨匠です。一度聴いたら忘れられない美しい旋律、前衛的で不穏なリズム…、モリコーネの音楽で、映画の魅力は倍増します。1928年ローマ生まれのモリコーネが一躍注目されたのは、監督セルジオ・レオーネ監督×主演クリント・イーストウッドの「荒野の用心棒」(1964)。実はレオーネ監督とモリコーネは小学校の同級生。2人のコラボレーションはまるで奇跡のように感じられます。

トルナトーレ監督も、「ニュー・シネマ・パラダイス」以降、「海の上のピアニスト」(1998)をはじめ、すべての長編劇映画の音楽をモリコーネに依頼するなど、深い絆と信頼で結ばれていました。モリコーネは、去年91歳で亡くなりましたが、その偉大な音楽は、これからも多くの人の感情を揺さぶり、心に残り続けることと思います。トルナトーレ監督の最新作は、モリコーネの業績をたどるドキュメンタリーとのことです。

アカデミー外国語映画賞に輝く名作。どうぞお楽しみください。

プレミアムシネマ
「ニュー・シネマ・パラダイス【インターナショナル版】デジタル・レストア・バージョン

4月29日(木・祝)[BSプレミアム]後1:00〜3:04


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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