マックィーンはじめスター・名優が続々登場!
脱出映画の名作中の名作!

大脱走【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

5月5日(水・祝)[BSプレミアム]後1:00

今回ご紹介するのは戦争映画。第2次大戦下のドイツ軍捕虜収容所を舞台に、連合軍捕虜が厳重な監視をかいくぐってトンネルを掘り、大規模な脱走を計画・実行する名作中の名作です。

何といってもみどころは大スター・名優が演じる捕虜たち。何度も脱走を試み、失敗してもめげずに再び脱走を試みるアメリカ軍兵士ヒルツを演じるのがスティーブ・マックィーン。50歳の若さで亡くなってから40年以上が経ちますが、今も多くの人を魅了し続けています。クライマックス、バイクでのアクションはあまりにも有名ですが、マックィーンは、このアクション場面が出演の条件だったということで、旧知のスタントマンとともに迫真の演技をみせてくれます。アメリカ軍人らしく、野球のグローブとボールが抜群の小道具になっているのも印象的です。

食べ物から書類まで、何でも調達するエキスパートはジェームズ・ガーナー。トンネル堀りのプロはチャールズ・ブロンソン。トンネルに空気を送る装置など道具作りの名人はジェームズ・コバーン。証明書など、偽造の達人はドナルド・プレザンス。脱走を立案する冷静な指揮官・ビッグXを演じるのはリチャード・アッテンボロー。さらに衣服や測量、情報収集など、得意分野を生かした捕虜たちが力を合わせて脱走を実行する姿はハラハラドキドキ、3時間近い長さを感じさせません。

ガーナーは朝鮮戦争に従軍、プレザンスは第2次大戦で捕虜になった経験があり、チャールズ・ブロンソンは、俳優になる前に炭鉱で働いていた経験をトンネル堀りの演技に生かしたというということです。こうした実体験にもとづいた演技や表現が、登場人物に厚みを与え、ヒューマン・ドラマとしての深みをもたらしています。

製作・監督はジョン・スタージェス。スタージェス監督は、オーストラリア軍人だったポール・ブリックヒルが実体験をベースに執筆した小説にほれこみ、リアリティーを重視してドイツで撮影することを決め、さまざまな資料を使って巨大な収容所をセットで再現。実際に脱走した兵士にコンサルタントを務めてもらい、トンネルの長さや狭さ、掘り進めるディテールまで、事実をもとに演出したということです。

スタージェスが監督した「荒野の七人」(1960)に続き、再び音楽をてがけたのはエルマー・バーンスタイン。捕虜たちの不屈の精神を表すかのような音楽、なかでも冒頭のマーチは胸が高鳴る名曲です。

何度見てもおもしろい映画史上の名作。じっくりお楽しみください。

プレミアムシネマ「大脱走」

5月5日(水・祝)[BSプレミアム]後1:00〜3:53


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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