ティム・バートンのバットマン再び!
今度の敵はペンギンとキャット!

バットマン リターンズ【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

7月14日(水)[BSプレミアム]後1:00

クリスマス間近のゴッサム・シティーに怪人ペンギンが登場、街は大混乱に。一方、実業家シュレックの秘書セリーナは、シュレックとペンギンが街の支配をたくらんでいることを知ってしまい、口封じのためにビルから突き落とされて命を落とす。しかし、猫の魔力を得て生きかえったセリーナは、キャットウーマンとなって復しゅうを誓います。一方、シュレックとペンギンの目的を知ったバットマンは…。

今回ご紹介するのは、ティム・バートン監督の「バットマン」シリーズ第2作です。

少年時代から怪奇映画や怪獣映画が大好きだったバートン監督。前作の世界的大ヒットを受け、自身のダークな世界観をより強調する作品に仕上げています。今回も悪役=ヴィランが強烈です。ペンギンを演じるのはダニー・デビート。両親に捨てられた過去を語って市民の共感を得るペンギンの、心の奥にある邪悪さやユーモアを見事に表現しています。1944年生まれのデビートは舞台俳優として活動し、舞台と同じ役を演じた「カッコーの巣の上で」(1975)で注目され、製作・監督・脚本もてがける多彩な才能の持ち主として知られています。前作でジョーカーを演じたジャック・ニコルソンとは、同じニュージャージー生まれということもあって大の仲よし。ペンギンを演じるにあたって、ニコルソンからアドバイスをうけたということです。

キャットウーマンを演じるのはミシェル・ファイファー。地味な秘書から変身、バットマンを翻弄するヴィランを楽しそうに演じています。ヴィランであるキャットウーマンがお裁縫が得意、という設定もおもしろいですよね。シュレックを演じるクリストファー・ウォーケンは、名作「ディア・ハンター」(1978)で繊細な若者を演じてアカデミー賞を受賞しましたが、「007 美しき獲物たち」(1985)などで演じたように、悪役も得意です。

マックス・シュレックというのはサイレント時代のドイツの傑作ホラー「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922)に出演した俳優の名前ですから、バートン監督、趣味全開です。

前作に続きバットマン=ブルース・ウェインを演じるマイケル・キートンは、もともとはコメディアンだったこともあって、当初は熱烈な原作のファンから“似合わない”といった声もあったそうです。しかし、暗い過去を持ち、悪役にふりまわされる、悩めるヒーローを直球で演じてファンも納得。前作・今作を大ヒットに導きました。現在も演技派俳優として活躍中です。

青を基調にした映像美、ゴッサム・シティーを覆うかのようなペンギンの大群が登場するクライマックス、ちょっと怖くて、ブラックなユーモアもたまりません。バートン監督の美学が貫かれた名作、ぜひご覧ください。

プレミアムシネマ「バットマン リターンズ」

7月14日(水)[BSプレミアム]後1:00〜3:08


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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