Z世代の人生の選択を、同世代のディレクターが描き出す!

Zの選択

#ありのままの自分は好きですか 10月23日(土)[Eテレ]後3:30
#なやみ相談やってます(8月13日放送)
#親の期待に応えてますか(8月20日放送)

▶︎ 番組ホームページ

Z世代のリアルな『人生の選択』を見つめるドキュメンタリー番組「Zの選択」。主人公たちと同世代の若手ディレクターたちが「Z世代」のリアルな生き方に迫ります!

Z世代とは…
1995年以降生まれの若者たち。生まれたときからデジタルに囲まれ、物心つくころにはSNSを使いこなしてきた彼らは、ほかの世代とは異なる新しい価値観を持つという。

番組には毎回、異なる価値観で生きるZ世代の二人の主人公が登場。

「自分の確固たる価値観」はまだ定まらず、もやもや悩みながら、まさに今、生き方の『指針』を模索中です。彼らはどんな考えをたどり、どんな生き方を選ぶのでしょうか?

#なやみ相談やってます…
8月13日(金)放送

舞台はZ世代に浸透している「オンライン悩み相談」。主人公はオンラインで相談に答える側の二人。なぜ悩み相談を受けるのか…。さまざまな「悩み」が交錯する場所で、自らも自身の生き方を選択しようと模索するZ世代の姿を描く。

一人目は、チャンネル登録者数が60万人のお友達系ユーチューバー“そわんわん”として知られる、曽和美佑さん(22)。視聴者の悩み相談に乗る動画が最も人気。

もう一人は、横山幸太さん(21)。現在大学4年生。SNS上で趣味のタロット占いを使った悩み相談に乗っている。

横山幸太さん(左)、曽和美佑さん(右)

#親の期待に応えてますか…
8月20日(金)放送

「友達親子」と呼ばれるほど親との仲が親密な人も多いと言われるZ世代。この回の主人公たちも、いつも親のそばにいて、多くのことを共有し、親の気持ちに応えるように生きてきた。しかし今、それぞれの理由で「親の期待」と「本当の自分」のはざまで葛藤を抱えている。

一人目は、元プロ野球選手・山本武白志さん(23)。有名なプロ野球選手を父に持ち、親の期待を背負ってプロ入りするも3年で戦力外通告。父の死、移住、コロナ…困難にあいながらも新たな道を突き進もうとする姿を描く。

もう一人は、障害がある母の介護を続ける若者ケアラーの髙橋 唯さん(24)。母を助けたい。でも、自分も”助かりたい”。その言葉の意味とは。

山本武白志さん(左)、母を支える髙橋 唯さん(右)

#ありのままの自分は好きですか…
10月23日(土)放送

激盛れアプリで自撮りをし、「#あか抜け方法」で、はやりのメイクのリサーチに余念がないZ世代。今回の主人公は「ルッキズム(外見至上主義)」と「ありのままでいい」という2つの価値観の中で葛藤する二人。「多様性」という言葉があふれる社会の中で、“自分らしさ”を懸命に模索する二人の葛藤と選択を追う。

一人目は、プラスサイズモデル・北原弥佳さん(22)。小さいころから体形にコンプレックスを抱いていたが、2年前、「ボディポジティブ」という言葉を知り、「どんな体形も美しい」という考え方に衝撃を受ける。

もう一人は、コスプレイヤー兼ロリータモデル・高嶺ヒナさん(21)。昔から自分の容姿を好きになれずにいたが、360度どこから見てもかわいい「人形」のような美を目指し、自らを“高嶺ヒナ”という偶像(ぐうぞう)と称してSNS上で活動している。

北原弥佳さん

制作舞台裏★座談会

8月13日から放送する3本の「Zの選択」を制作したのは、番組に登場する主人公と同世代の若手ディレクターたち。自分と年齢の近い取材相手と向き合うジレンマや葛藤、そこから感じた「Z世代」の特徴とは…? 各番組のディレクターたちによる制作舞台裏の座談会をどうぞ!

──テーマと主人公に出会うまで

大村比呂子ディレクター @なやみ相談

私は、今年で入局5年目なのですが、悩んだり落ち込んだりしたときに、そわんわんさんがフォロワーさんたちの悩み相談に乗っている動画をよく見ていました。そこで語られる彼女の言葉に私自身も勇気をもらい、この番組を作る際、一番にそわんわんさんを主人公にしたいと思って、そこからテーマを決めました。

私自身もほぼZ世代なので、子どものころから、悩みがある時には、家族や友達に相談するほか、抱えている思いをブログやSNSに書いたりして、ネット上にも悩みを発散する場がありました。こういったZ世代ならではの悩みとの向き合い方を、番組で描きたいなと思ったんです。

そこでもう一人の主人公を考えたときに、最近「占い」をテーマにしたバラエティー番組が人気だなと感じていたので、占いを使って活動しているZ世代を探しました。横山幸太さんは、SNSを上手に使って発信活動をしていましたし、コロナ禍に学生の相談に乗る占いサークルを立ち上げるなどの行動力に魅力を感じ、出演を依頼しました。

オンラインでタロット占いをする横山幸太さん(画面右上)#なやみ相談やってます

曽我崇史ディレクター @親の期待

僕は宇都宮局に勤務しているので、栃木県内で気になるZ世代を探し始めたところ、元プロ野球選手の山本武白志さんという方と出会いました。お話を聞いてみると、有名な野球選手だったお父様の大きな期待を背負っていたこと、その後挫折したものの再起をめざしていることを知って、とても感銘を受けました。そこで、Z世代と親との関係をテーマに取材してみようと思ったんです。

取材を続けると、小さいころから家事と母親のケアをしてきた若者ケアラーの髙橋 唯さんという方と出会いました。二人とも、“親”か“自分”かという、誰のために頑張るのかを模索していたので、そのあたりを深く知りたいと思いました。

巨人時代の父と山本武白志さん(右)#親の期待に応えてますか

大野稚香子ディレクター @ありのままの自分

私はもともと「容姿」について興味があり、学生時代の友人に容姿についての出来事を聞いてみると、“かわいい子が得をしてる”とか、“かわいい子が誰かに優しくしたら、好意があると勘違いされて、そのあとすごく怖い目にあった”など、容姿のことで悩んでいる人が自分の身の回りでも多いことが分かったんです。さらに調べると、YouTubeやSNSでは「#あか抜け方法」が人気のワードになっていることも知りました。生まれたままの完璧じゃない自分を好きになりたい反面、誰かにあこがれてかわいくもなりたいと葛藤をするZ世代の複雑な心情を描きたいと思い、このテーマにしました。

杉山 舞ディレクター @ありのままの自分 ※大野Dと共同制作

数年前から、世間でも#MeToo運動で女性たちが声を上げたり、外見至上主義(ルッキズム)をやめようという動きが欧米を中心に活発になっていたりするのに対し、日本ではそういった動きがまだ積極的ではないなと思っていました。

そんななか、主人公の北原弥佳さんは、22歳なのにあえて体をさらけ出して「どんな体形も美しい」という考え方を発信していました。その理由が気になって、取材を始めていきました。

撮影中の北原弥佳さん #ありのままの自分は好きですか

──自分と同世代の主人公だからこそのモヤモヤ

大村D @なやみ相談

これまでは、長い人生を歩み、すでに価値観も確立されている方の番組を作ることが多かったんですが、今回の主人公は、横山さんが21歳で、そわんわんさんが22歳と若い二人でした。核心を突いた質問をしても、二人ともまだ自身の価値観を模索している最中なのかなと感じることが多かったです。

横山さんは進路に悩んでいて、日を追うごとに意見が変わっていくこともありました。ロケを通して、壮大な自己分析を一緒にしていた印象がありますね。

曽和美佑さん #なやみ相談やってます

また、自分と年齢が近いこともあって、主人公の二人との距離のとり方がすごく難しかったです。たくさんお話を引き出すために、仲よくなりたい気持ちもあるんですけど、仲よくなりすぎると、肝心なときに攻めた質問をしきれなかったり。

Z世代の特徴なのかもしれないですが、相手を困らせたくない気持ちが湧いてしまい、取材が難しかったです。取材相手の心情を推し量るあまり、突っ込んだ質問ができずにいる自分を情けなく感じて、取材中にこんなに気持ちが乱れることは初めてでした。

大野D @ありのままの自分

私は、取材中というよりそもそも主人公を決める段階で、さまざまな方にお話を聞いて感じたのは、「Z世代はテレビに興味がない」ということでした。私もその感覚がわかるので、なかなか説得しきれない部分がありました。

大村D @なやみ相談

それ分かります! 今は、テレビに出るとネットにも流れることが多いので、出演の仕方によっては黒歴史になるという意識をZ世代は自然に抱くんだと思います。出演後のことまで考えるので、テレビ出演を安易に受け入れたりしないですよね。

曽我D @親の期待

「テレビ」というメディアに対するそういう意識は、Z世代ならではですよね。僕が取材した若者ケアラーの髙橋さんは、日常的にブログやYouTubeで発信活動をしているので、僕が対面で取材するよりもSNSでのほうが本音を語りやすいのかなと感じました。僕たちが彼女に自撮り撮影をお願いしたら、抱えている感情を自然にぶつけてもらえました。日頃から発信活動をしている方に、あえて対面取材をすることの意義や価値って何だろう? とも思ったし、そのバランスをとるのが難しかったですね。

髙橋 唯さんがつくったカレーを家族で食べる(右が唯さん)
唯さんが心の声をつづったノート #親の期待に応えてますか

──取材を通して感じたZ世代の特徴

大村D @なやみ相談

ロケを行った時期が3月で、卒業や入学シーズンと重なったこともあり、二人のもとにもたくさんの相談が来ていました。悩み相談というと、公共の無料電話相談のプラットフォームもありますが、Z世代は「デジタル」が生活インフラとして当たり前にある世代なので、自分に困ったことや悩みが生じたときに自分に合った方法を調べて解決策を探すのがうまいところがこの世代の特徴だと思います。

また、自分にとって居心地のいい場所を、家や学校以外にも見つけることができるのもZ世代の特徴じゃないでしょうか。たとえば、学校では居場所が見つけにくい…という人もいるかもしれませんが、SNSを器用に使いこなすZ世代は、ネットを通じて趣味が同じ友達に出会えたり、居場所を見つけられたりする。自由度が高いのは、Z世代ならではの特権かなと思いました。

視聴者からのなやみ相談に乗っている曽和美佑さん #なやみ相談やってます

曽我D @親の期待

大村さんの意見に似ていますが、ネット環境がなかったら、髙橋さんが抱えている若者ケアラーの問題も知られていなかったと思うんです。ネットが普及し、彼女自身も現状を発信することによって、同じ境遇の人と悩みを共有することができている。SNSがあることで、第二の場所を見つけられたのだなと感じました。自分の使いやすいプラットフォームを見つけて発信することは、Z世代の特徴ですよね。

母をサポートする髙橋 唯さん #親の期待に応えてますか

大野D @ありのままの自分

曽我さんの言う“発信することに慣れている”ことにつながるのですが、Z世代は“発信を受け取ることにも慣れている”と思います。彼らは、自分と真逆の意見や、他者の意見にも寛容で、自分とは正反対の主張をしている人に対して「そんな人もいますよね」と、自分と違う意見であってもちゃんと受け止めて、認めるんですよね。他者や異意見との距離のとり方が上手だなと感じます。

杉山D @ありのままの自分

特に私が取材した北原さんは、「痩せた体形だけが美しさではない」という主張をして、これまでの固定概念を覆そうと、ネットで知り合った同じ子たちと自分たちの考えを示す作品づくりをしているんです。自分たちの手で生きやすい世界に変えていこうとするパワーがあるのもZ世代の特徴だと思いました。

──最後に各回のみどころを!

大村D @なやみ相談

そわんわんさんは、今までYouTubeでは見せてこなかったような悩みや、ユーチューバーとして頑張りたいと思っている理由など、“曽和美佑さん”としての素顔を私たちに見せてくださいました。もう一人の主人公の横山さんも、相手から大事な就活の相談を受けるときにはタロット占いを使ってズバズバ答えるけれど、実は彼自身も就職するか大学院に進むか、人生の選択に悩んでいる最中なんです。

二人とも、日頃は悩み相談に乗っている側だけれども、自分たちもそれぞれに悩みを抱えています。そんな彼ら自身の悩みへのアプローチを見ていただきたいです。

なやみ相談に乗っている二人にも悩みがあり… #なやみ相談やってます

曽我D @親の期待

今回、親からの期待を大きく受けた二人を取材しました。親の期待に応えないといけないと思いつつ、自分の道も探している。二人のように、親の期待と自分のやりたいこととのはざまで悩んでいる方々に、番組を通じて、何かヒントを見つけてもらえたらうれしいです。

山本武白志さん
髙橋 唯さん

「親の期待」と「本当の自分」二人が選ぶ人生は… #親の期待に応えてますか

大野D @ありのままの自分

Z世代に限らず、鏡を見て一度でもしょんぼりしたことがある人に見てほしいなと思っています。外見にまつわる主張はさまざまですが、正解や不正解はないんですよね。なので、主人公の二人が自分を好きになるために模索する姿を通して、同じように外見に悩む方の肩の荷が降りたり、気持ちが少しラクになったり、小さくても何かの行動を起こすきっかけとなる番組にできたらと思います。

杉山D @ありのままの自分

どちらの主人公も、たくさんのフォロワーを抱えていて、はたから見たら順風満帆のスーパースターのように見えます。私にも、彼女たちは自分自身を肯定できているように見えていましたが、それでも何か悩んでいるんですよね。彼女たちのように、たくさんの方に認められているようなヒーローでも葛藤を抱えている様子を見ることで、自分も頑張ろうと少しでも思っていただけたらうれしいです。

体重が減ると、頑張って食べることも。ありのままって何だろう… #ありのままの自分は好きですか

「Zの選択」

【放送予定】
#ありのままの自分は好きですか 
10月23日(土)[Eテレ]後3:30
#なやみ相談やってます(8月13日放送)
#親の期待に応えてますか(8月20日放送)

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