吉沢 亮に会えるのか?!「青天を衝け」にドはまり中の私が撮影現場に潜入してきた

「いたいた、吉沢 亮さんだ! 渋沢栄一だ~!やっぱ格好いいわ! あそこだけ空気違うもん。…どこ見てんだ?…何考えてんだろう?…ふだん何食べてんだ? 27歳で大河主演だもんな~、すごいよな~」

会えたんです! 吉沢 亮さんに!!! っていうか、遠くで目撃したぐらいの感じでしたけどね。撮影現場で吉沢さんをながめているときの私の心のつぶやきを、まずは記しておきますね(笑)。

日本の資本主義の父と言われ、新1万円札の顔ともなる渋沢栄一の活躍を描いた、大河ドラマ「青天をけ」

その渋沢栄一を演じているのが、俳優の吉沢 亮さん。
農民出身の栄一目線で描かれる幕末や明治維新の歴史的事象に、毎週驚き、涙し、感動しています。ホント、感動してるんです。

今回は、その大河ドラマの撮影現場に潜入!

●この記事書いてるの、誰?

『青天を衝け』にドはまりしている、一介のNHKアナウンサー小田切千です。

スマートフォンやPCでNHKの番組が見られる「NHK+」では『#アナが見た!』というプレイリストがあり、私も週二回ぐらいはプレイリスト上で、感想のつぶやきとともにさまざまな番組の紹介をしています。

でもその半分は『青天を衝け』なんですよね~(笑)。とにかくこのドラマを見てほしい!

美しく深みのある映像を生みだす照明やカメラワーク、
まるでロケしてるかのように背景を映し出すVFX、
気持ちを高ぶらせてくれるグラデーションのような気持ちのいい音楽、
これまで歴史の表舞台で描かれてこなかったおもしろキャラの登場、
何よりも吉沢さんの痛快極まりない演技に、毎週心が”グルグル“してしかたがない!
(“グルグル”は気持ちが高揚したときに栄一がよく言うせりふのこと)

そんな私のつぶやきを見つけたドラマ班から「見学に来ませんか?」と驚きのお誘いが!

で、潜入しちゃいました、撮影現場に。

●1シーン撮るのにどんだけ~!

「おいおいおい、いきなり目の前を紅葉が通るよ~! セット転換かな?…活気あるな~。秋のシーン撮るのかな?」
※小田切心の声

私の前を歩いているのが、『青天を衝け』プロデューサーの福岡さん。撮影現場を細かく説明しながら案内してくれました。

撮影現場のセットは、なんとあの大隈おおくま重信しげのぶ邸! 第33回(10月下旬放送予定)分の、渋沢栄一と大隈重信のやり取りのシーンを撮影しているところなんですって。

「やってるよ~、ドラマの現場だよ~! 演出担当が熱っぽく俳優陣に説明してるよ~。」

今回の大河ドラマの演出は、若手も含め9人。持ち回りで回ごとに分けて演出していくそうで、この回の演出が、台本を持ちながら動きの説明をしている田中さん。

左に座ってるのが大隈重信役の大倉孝二さん、中央の後ろ向きに座ってるのが吉沢さん、右の着物姿の女性が大隈の妻・綾子役の朝倉あきさん。

せりふを聞いていると、栄一と大隈が言い合いになって、綾子が大隈をなだめるんだけど、栄一がどなって帰っちゃうというシーン。時計で計ったら2分くらいのシーンでした。

「どうしたどうした~? スタッフが一斉にしゃがんじゃったよ!? 何が起こったんだ~? とりあえず、おいらもしゃがむよ~。」

俳優さんがリハーサルでせりふを言い出したとたん、スタッフみんな一斉にしゃがみこんじゃいました。

これって、スタッフが俳優さんの視界から消えることで、演技の練習に集中してもらう気遣いなんですって。ドラマ班のしきたりをかいま見た瞬間ですね~。

福岡P:撮影の流れは、カメラを構えず俳優のお芝居の確認をするリハーサル。そして、カメラを構え、カメラを回しながらのリハーサル。そして本番。しかも、カメラを置き換えて別角度からさらに2~3回撮影するんです。
2分くらいのシーンだと、撮影完了までだいたい70~80分かかりますね。

セットでの撮影に入る前には、リハーサル室でパイプいすなどを使いながら仮のセットで練習してから撮影に臨むそうです。
俳優の皆さん、台本は手に持っていなかったので、せりふは完全に頭に入ってる状態なんですよね~。ドラマって、こういう作業の積み重ねなんですね。

●当時の政治家の屋敷って…

俳優陣が休憩に入った! このすきに、福岡プロデューサーにうながされてセットに突入!

「大隈重信邸の居間! 広いよね~。ダイニングテーブル、瀟洒しょうしゃなソファー、…越しの障子! 完全に和洋折衷だわ(笑)」

福岡P:明治政府の偉い人の邸宅って、江戸幕府時代の屋敷を利用したものが多かったので、とにかく広かったんですよ。
セットを作る際、もちろん当時の図面を参考にするんですが、完全に再現することは不可能なので、当時の趣を残しつつ撮影がしやすいようなセット作りにしてるんです。大隈は、この広い居間にたくさん客を招いて政治の話や議論をしていたそうですよ。

明治時代に入ると西洋の建築様式が好まれて、日本家屋にガラスがふんだんに取り入れられたそうです。
そういうディテールも、しっかりとセットに反映してるんですね~。

居間にはいたるところに調度品が置かれていました。こういう調度品はほとんど使いまわしなんですって(笑)。

ほかの大河ドラマや連ドラでも使うことが多く、よ~く見ると「あの時のドラマでも置いてあった!」なんて発見があるかもしれませんよ。

●こだわってるな~、この照明

「うわっ、まぶしいっ!…まぶしいんだけど、なんか全体的に暗いんだよな~、もうちょい明かりつけないのかな~…。」

この照明の感じ、やっぱり気になりました。全体的に暗いのに、ひときわまぶしく当たる照明もあったり…。なんとなく夕暮れ時の気分にさせるんですよね~。居間のセットから外へ顔を出すと~、

「うわ~、きれいなぼんぼりがたくさ~ん!」

福岡P:今回のシーンは秋の夕暮れ時の設定なんです。照明に幕を張って淡い明かりにして、スタジオ全体にうっすらスモークもたいてるんです。右下の強く光ってる照明が、夕暮れ時の太陽の役割ですね。

「だと思ったんだよな~。そうでしょ~? 夕暮れ時でしょ~。そう思わせたってことは、照明チームの腕だよね~、さすがだよね~!」

斜光気味に明かりが照らされて、いすの影も長~くなってますよね。まさに夕暮れ時! 栄一と大隈の危うい関係性を、明かりを照らす具合で表現してるってことですよね~、…多分(笑)。

見学中に、居間に新たな照明がセットされました。やはり居間の中全体が暗いということで、少し明かりを足すんだそうです。

照明器具の足もとを見ると~、

これ、テレビ局あるあるだと思います(笑)。ドラマに限らず、ロケで取材先にお邪魔して撮影させていただく場合、切り込みを入れたテニスボールをそれぞれの脚にはめ込んで、床などを傷つけたり汚したりしないようにする工夫なんです。

テレビ局もどんどんデジタル化が進んではいますけど、こういうところはアナログなんですよね~。

●見たことないな~、このカメラ

撮影に使うカメラは3台設置されていました。

「このカメラなんか違う! ふだん見慣れたカメラよりも、コードの数多くな~い? からまったコードにカメラが埋もれてる状態(笑)。いやいやいや、そこはちゃんとつなげてるわけですよ、きっとね。いつも思うけど、こういうコードつなげちゃう技術のみなさんて、ホント尊敬」

福岡P:実は映画でも使用されている4Kデジタルシネマカメラを導入しています。レンズも味のあるいいものを使ってます。

「へ~、そうなんだ~。“信号を換える”とか“レンズ”とか、それ以上突っ込めない僕…。ま~つまり、映像がすごくきれいってことで納得。確かに、栄一のふるさとのロケ映像とか、ホントきれいだったもんな~。」

福岡P:これはカメラのフォーカスに特化した機械です。以前はカメラマンがレンズのフォーカスを合わせながらカメラを振ってましたけど、こうしてフォーカス専用のスタッフと役割を分けることで、確実にフォーカスの合ったきれいな映像を撮れるようにしてるんです。

確かにピンぼけしてるドラマのシーンなんて見たことないですもんね。
つまり、ピンぼけしたらもちろん撮り直すことになるから、このシステムを導入することでカメラマンのミスを少なくして撮影時間の短縮につなげられる、ということなんでしょうね~。

番組が変わればこうも作業が違うか~。これは驚きでした!

●俳優陣の皆さん、入りま~す!

そろそろ本番みたいです。吉沢さん入りま~す!

朝倉さん入りま~す!

大倉さん入りま~す!

さ~いよいよ本番! この先は、第33回を見てもらわないとね~(笑)。

最近は動画配信サービスがあふれていて、見たいときに見るって感覚が普通になってますよね。
でも、好きなテレビドラマを見つけて毎週放送を待つドキドキ感って、忘れられないんだな~。今まさにそのドキドキ感を「青天を衝け」で味わっているところです。

東京パラリンピックでの中断を挟んで、9月12日から第26回の放送がいよいよ始まります。
栄一がパリから帰国して、明治維新の日本でどんな活躍を見せるのか、とくと見させていただきましょう!


報告は、ふだん「NHKのど自慢」で司会をしている小田切でした。

「のど自慢」も見てくださいね~。
ていうか、歌いに来てくださいね~。

ご応募、お待ちしてま~す。
詳しいことは番組ホームページからどうぞ~。

(追伸)
NHK+のプレイリスト「#アナが見た」でも、引き続き感想をつぶやいていきます。この先の「青天を衝け」も、一緒に楽しんでいきましょう!!!

▼「#アナが見た」はこちら▼

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