藤子不二雄Ⓐさんをしのんで、
トキワ荘の名作映画を放送

トキワ荘の青春 デジタルリマスター版【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

4月11日(月)[BSプレミアム・BS4K]後9:00

「鉄腕アトム」「ドラえもん」「仮面ライダー」「おそ松くん」…、世代をこえ、今も愛される数々の傑作漫画。今回ご紹介するのは日本を代表する漫画家たちが集い、ともに過ごした若き日々を映画化した作品です。

1950年代、東京・豊島区のアパート「トキワ荘」。“漫画の神様”手塚治虫に憧れ、全国から漫画家を志す若者たちがやってきます。小さな部屋、共同の炊事場とトイレ。なかなか芽がでない苦しい生活を送りながらも互いを励ましあい、「新漫画党」を結成し、すべての情熱を漫画に注ぐ日々を、フィクションを織り交ぜ群像劇として描きます。

実在の漫画家、グループの兄のような存在で「新漫画党」のリーダー・寺田ヒロオを演じるのは本木雅弘。80年代は人気アイドル“シブがき隊”の“モッくん”として大活躍。88年の解散後、五社英雄監督の「226」(1989)、周防正行監督の「シコふんじゃった。」(1991)、石井 隆監督の「GONIN」(1995)といった名作・話題作に出演。「おくりびと」(2008)はアカデミー外国語映画賞を受賞するなど、日本を代表する俳優の一人です。心優しい寺田を演じる本木さん。執筆するときの真摯しんしな表情、時折見せる笑顔が印象的です。

藤子不二雄コンビの一人、藤本 弘を演じるのは大河ドラマ「いだてん~東京オリムピックばなし~」はじめ、映画・テレビで活躍中の阿部サダヲ。安孫子素雄は脚本家・映画監督としても知られる鈴木卓爾。そして石ノ森章太郎はさとうこうじ、赤塚不二夫は大森嘉之、手塚治虫は劇作家・演出家の北村 想、さらに古田新太、生瀬勝久、甲本雅裕と、今も映画・ドラマ・舞台で活躍中の俳優たちが出演しています。

脚本・監督は市川 準。1980年代、個性的なテレビコマーシャルの演出家として注目され「BU・SU」(1987)で映画監督デビュー。59歳の若さで亡くなるまでに21本の映画を発表し、ユニークな語りと演出は国際的にも評価され、日本映画界に新風を吹き込みました。アパートについての映画を作ってみたいという思いを実現させたというこの作品、本物のトキワ荘は1982年に解体されており、セットで撮影されました。増村保造監督や山本薩夫監督の名作をてがけた美術監督・間野重雄とスタッフが作りあげたトキワ荘は、狭いながらも落ち着きのある部屋や階段など、映画ならではの魅力的な空間となっています。

今回は、最新の技術で映像と音声を修復したデジタルリマスター版を放送いたします。
かけがえのない青春が静かな感動をもたらす名作。じっくりお楽しみください。

※手塚治虫の「塚」の字と、山本薩夫の「薩」の字は旧字体になります。環境によって正しく表示できない場合があります。

プレミアムシネマ「トキワ荘の青春 デジタルリマスター版」

4月11日(月)[BSプレミアム・BS4K]後9:00〜10:52


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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