謎に包まれた国宝『鳥獣戯画』を全巻鑑賞!

国宝へようこそ「鳥獣戯画」

1月15日(土)[BSプレミアム]後4:00

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最も有名で最も謎に包まれた国宝「鳥獣戯画」。
その絵巻全巻(44メートル)を鑑賞します。

描かれたのは、およそ800年前。
誰が何のために描いたのか、いまだ分かっていません。

文字もなく、どんな物語があるのかもはっきりとは分からないこの絵巻を、作曲家・大友良英さん、アーティスト&映像作家・井上 涼さん、森美術館の館長・片岡真実さんが、推論を織り交ぜながら語りつくします。

出演の井上 涼さん、山口誉人ディレクターの見どころとともに、番組をたっぷりご紹介します。

■鳥獣戯画とは…?

平安時代から鎌倉時代に描かれたとされる、甲・乙・丙・丁の4巻からなる絵巻物。誰が何のために描いたのか、いまだ分かっておらず、複数の人が描いたともいわれています。

甲巻(第1巻)

擬人化されたウサギやカエルで有名な「甲巻」

乙巻(第2巻)

実在する動物のほかに、麒麟きりんや龍など空想上の動物も描かれる動物図鑑のような「乙巻」

丙巻(第3巻)

前半は遊び事をする人物、後半は唐突に動物が登場する「丙巻」

丁巻(第4巻)

自在な筆遣いで勝負事をしている人物を中心に描かれている「丁巻」

全44メートル、4巻の絵巻を、横スクロールでゆっくりと鑑賞していきます。

山口Dのここがポイント!①

追体験をしてほしい

絵巻をじっくり見ていると、名場面とされるウサギとカエルの相撲だけではなく、そのどれもがとにかく“楽しげ”なんですね。楽しいと思いながら見る絵というのはあまりないように思うので、そこが何百年も愛されてきた理由なのかなと思います。そういった意味では、番組ではこの絵巻を残そうと思った人たちの追体験ができると思います。お茶の間で全巻を見られるという気楽さを味わいながら、美術として絵巻の全容を考察しつつ、じっくりと見ていただきたいです。

さまざまな目線で絵巻を鑑賞

今回、「鳥獣戯画」を鑑賞するのは、3人の“見巧者みごうしゃ”です。

最初に鑑賞するのは、甲巻からインスピレーションを受け、曲も書かれている大友良英さん。大好きだという甲巻を、紙のシワまでもじっくり観察します。

大友「何のためにこれが描かれたのか分からなくて、自分のイマジネーションを膨らませられることが魅力的

甲巻は、大友さんが作った曲にのせて、右から左へと見ていきます。曲で使われた楽器を紹介しながら、その曲の秘密も語っていただきます。

乙巻は、「びじゅチューン!」(Eテレで放送中)で美術の魅力を歌やアニメで表現している井上 涼さんが、描き手として鑑賞します。

井上「(牛のケンカのシーン)二者が組み合わさっている絵ってすごく面倒くさいから避けちゃうけれど、この描き手は描けるぜって気持ちが伝わりますね

動物図鑑といわれがちな乙巻に物語性を見いだして楽しむなど、井上さんならではの目線をお楽しみに。

井上 涼さんからコメント!

「鳥獣戯画」を拝見して、特に気になったのは筆の表現です。私も絵を描きますが、筆は難しいのであまり選ばないんですね。だからこそ、相撲で相手を転ばせるなどの動物たちの描き方、また牛車などの細かい構造の筆使いに驚きました。あれだけいろいろな動物をさまざまなタッチで描けるのは本当にすごい! マネしてみたくなりました。
また、よ~く見てみると、筆の強弱やスピード感も見てとれるんです。描いている人がどんな気持ちで描いたのか、そのドキドキ感を感じ取るようにじっくり見るとおもしろいかもしれません。

丙巻を鑑賞するのは、現代美術の展覧会を企画してきた、森美術館 館長の片岡真実さん。

片岡「丙巻は、いちばん有名な甲巻より楽しくないですか?

動物や人物たちのセリフや色を想像したり、現代の作家を例にあげ、その共通点を解説してくれたり、鑑賞を楽しみながら語りつくします。

丁巻は全員で。

描いている人の違いを発見したり、描き方を分析したり、それぞれが違った視点で鑑賞します。

山口Dのここがポイント!②

いろいろな目線で見てほしかった

3人を選んだのは、やはりいろいろな目線で絵巻を見てほしかったというのがあります。お声がけしたときは、「絵巻を楽しんでくれたらいいです」とだけお伝えしましたが、大友さんは絵から受けたインスピレーションを、井上さんは描き手の目線で、片岡さんは“作品を見るプロ”の目線でそれぞれ鑑賞していただきました。
ちなみに、「びじゅチューン!」では甲巻をアニメーションにしていた井上さんですが、今回、乙巻で物語を作るとしたら…とイラストをお願いしたところ、ものの1時間ほどで完成! すてきなイラストを描いてくださったのでこちらも注目です。

京都・高山寺。室町時代、絵巻はこの寺にあったそう。それ以前どこにあったのかは、いまだ分かっていません。

山口Dのまとめ

「鳥獣戯画」のおもしろいところは、解釈が開かれているところです。描いた人が分からない、描かれた目的も分からない、そんな絵巻だからこそ自由に発想したりとらえたりすることができると思うんです。その自由さを見ている方々にも楽しんでいただけたらと思います。大友さん、井上さん、片岡さんそれぞれに解釈を話していただきましたが、それが正解というわけでもないんですよね。一度その解釈に浸っていただいて、もう一度絵だけを見るということもおもしろいかもしれません。何度でも見方を変えて楽しめるのが美術なので、ぜひいろいろな見方で鑑賞してほしいですね。

大人気の国宝「鳥獣戯画」を、テレビでたっぷり堪能しちゃいましょう♪

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