開業10年のスカイツリーを見守る人々のモノガタリ

スカイツリー10年 ~波乱万丈の下町モノガタリ~

5月21日(土)[BS1]後9:00~9:49

2012年5月22日に開業し、東京の新たなシンボルとなったスカイツリー。

あれから10年、北京オリンピック・パラリンピックでは選手たちにエールを送り、日本中がコロナで落ち込んだときは励ましのメッセージを発信してくれました。

スカイツリーのある下町の人々もツリーを見上げながら、10年前には予想もしていなかった日々を過ごしてきました。商店街の人々、伝統を受け継いでいる花柳界、町工場など、そこに暮らす人たちの今を見つめます。

番組を制作したのは、建設工事の始まった12年前もこの地域の取材をした水口香織ディレクター。当時、取材した人たちを中心に、そこに暮らす皆さんの思いを伺いました。水口Dの取材裏話とともに番組の見どころを紹介します。

スカイツリーと歩んできた人々の思い

■昔ながらのふれあいが残る人情商店街
初めに訪れるのは、スカイツリーから少し離れた「下町人情キラキラ橘商店街」。商店街ができたのは昭和2年。130軒もの店が並び、近隣の町工場で働く人々の台所としてともに歴史を刻んできました。

番組では、12年前に商店街の青年部部長だった男性や、創業60年の鶏肉専門店店主、新しい店舗を立ち上げた若い世代などに話を聞きました。スカイツリーとともに歩んだ町の変化やこの10年間で気付いたこと、未来へ向けて思うことなど、商店街の人々の思いとは…。

水口Dの見どころ解説!

12年ぶりにお話を伺った方々もそうでしたが、下町の皆さんはすごく元気でした。いま、日本は不況だコロナだと沈んでいますが、下町も同じく落ち込んでいるのではと思いきや、すごく活気があったんです。商店街もにぎわっていて、スカイツリーが近代的で新しいものとして人気が上がるのと同時に、商店街は懐かしく温かみのある場所として来てくれる人が増えているようです。「自分たちもここの魅力に気付けた」という言葉が印象的で、そこに至るまでの歩みや人とのふれあいなど、前向きに進む皆さんのお話を伺うことができました。

■明治時代からある向島の花柳界
江戸時代には別荘地として愛され、桜の名所としても知られる向島。そこに、明治時代に始まった花柳界があります。スカイツリーが開業してからこの10年、花柳界は存続のため試行錯誤の連続だったと言います。

取材したのは、この道15年のキャリアを迎える芸者の万てんさん。

向島にやってきたのは12年前で、当時はまだ半玉はんぎょく(芸者見習い)でした。平たんではなかったという彼女のこれまでの道のりや、2年ぶりに決まったあるイベントに懸ける意外な思いを伺います。

水口Dの見どころ解説!

万てんさんは、私が12年前に取材させていただいたうちの1人です。彼女は、コロナ禍で、接客業として苦しいときでも辞める道を選ばなかったんですね。そこには、覚悟を持って花柳界を守ろうとする理由がありました。その理由は、私自身も仕事を見つめ直すきっかけにもなりました。スカイツリーと同期だと語る彼女が、今スカイツリーを見て何を思うのか。とても力強い前向きなお話が聞けたので注目してほしいなと思います。

■町工場は今
下町にある工場の一つに、なんと今、宇宙を舞台とする技術開発を担っている工場があります。開発しているのは月面を走る探査車に使う金属製のタイヤです。

この工場、金属加工が専門で、以前は小規模で営業していましたが、いまでは全国にその名が知られるようになってきました。この10年で工場はどう変わっていったのか。リーマンショックの影響もあり、いいことばかりだけではなかった工場の歴史を、代表を務める浜野さんの目線から見つめます。

水口Dの見どころ解説!

印象的だったのは、浜野さんの言葉です。「スカイツリーが何かをしてくれるんだっていう期待ではなく、スカイツリーができたからこそ僕らが何かを始めよう」。受け身になっているだけではなく、自分たちから動き出そうとするその言葉は、私もハッとさせられました。番組では、浜野さんとスカイツリーに一緒に上りました。自分たちが過ごしてきた街を眺めながら、スカイツリーとともに歩んだ10年間の気持ちや今の思いも話してくださっています。番組を見てくれる皆さんも自分の10年はどうだったかと思い出しながら見てくれるといいなと思います。

開業から10年、スカイツリーは元気をもらえて、ときには癒やしももらえる存在となりました。皆さんはどんな思いでスカイツリーを見つめてきたのでしょうか。

NHK_PR編集部のスナップ写真。ついつい写真を撮りたくなるんですよね~

水口Dの見どころまとめ

取材してみて感じたのは、皆さんがそれぞれのスカイツリー像を持っているということです。ある人は地域に対しての気付きになった、またある人は同期として勇気づけられてきた、またある人はライバルだと語る人もいました。スカイツリーって世界に一つなのですが、見る場所、見る時、見る気持ちでこんなにも意味合いが変わるのだということは、取材して見つけたことかもしれないです。

私が12年前、この地域を取材したときはポンコツディレクターだったので、スカイツリーを見上げるどころか周りが見えていませんでした。今、見上げるスカイツリーはキレイでしたし、かっこよかった! そして毎日表情も違うんです。この場所に住む皆さんはこういった気持ちで日々スカイツリーを見つめてきたのだなと改めて感じることができた取材期間でした。そんな下町の皆さんの表情を、番組を見てもらう方々にも身近に感じてほしいと、今回大きなカメラではなく、手持ちの小さなデジタルカメラで撮影しました。自分に置き換えて見てもらえるような映像にしたかったからです。ほんの少しだけ優しさや柔らかさが映像から見えていたらいいなと思います。

そして、番組を見て一緒に10年を振り返って、さらにこの先の10年を考えてもらえるような“読後感”のようなものを持ってくれたらうれしいです。皆さんそれぞれに大変なこともたくさんあったと思います。だけどこれから10年、明るい気持ちで明日を迎えられるような、「よし、自分も明日からまた頑張ろう!」と思ってもらえたらうれしいなと思います。

「スカイツリー10年 ~波乱万丈の下町モノガタリ~」

【放送予定】5月21日(土)[BS1]後9:00~9:49

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