案内人・薬師丸ひろ子が語るサグラダ・ファミリアの魅力とは…?

サグラダ・ファミリア〜輝く星の塔 マリアの祈り〜

6月25日(土)[BSプレミアム/BS4K]後9:00

スペイン・バルセロナにある「サグラダ・ファミリア教会」は、コロナの影響で工事中断を余儀なくされるなか、ある大きな決断をします。建設中だった6本の塔のうち“マリアの塔”だけを何としても完成させ、コロナ禍に沈む世界にメッセージを発信するというものでした。

「サグラダ・ファミリア〜輝く星の塔 マリアの祈り〜」は、大きな困難を乗り越え完成したマリアの塔に込められた平和への願いを伝えるドキュメンタリー番組です。

今回は、この番組に案内人として出演する薬師丸ひろ子さんにインタビュー。7年近く前にロケでサグラダ・ファミリアを訪れたことのある薬師丸さんに、改めてサグラダ・ファミリアの魅力をお聞きしました。

「大聖堂で感じた希望の光を思い出しました」
By 薬師丸ひろ子


──2016年に放送された、ザ・プレミアム「ガウディの遺言〜サグラダ・ファミリア100年の夢〜」のロケで、実際にスペインのサグラダ・ファミリア教会を訪れたとのことですが、初めて教会をご覧になったときのご感想を教えてください。

「街の中にたたずむ荘厳なサグラダ・ファミリア。その姿を見たときは、とても驚きました。世界遺産に登録されているような歴史的建造物を、今まで何回か訪れたことがあります。その周りには何もなくて、それを見ることが唯一の目的であることが多かったのですが、サグラダ・ファミリアは、まさに“街と共存”していて、街の人々の生活の中に息づいた、心のよりどころであるということが、一目見ただけで伝わってきました」

建設が始まって140年余り経つサグラダ・ファミリア教会は、内戦や資金不足などこれまで幾度となく危機に直面してきました。

──「サグラダ・ファミリア〜輝く星の塔 マリアの祈り〜」には、案内人としてご出演されています。オファーを受けたときはどうお感じになりましたか?

「またサグラダ・ファミリアに関わらせていただけることを、大変うれしく思いました。また、7年近く前、教会を訪れたときのことを思い出して、少し救われた気持ちにもなったんです。大聖堂の中に差し込んでくる光を浴びたとき、『つらいとき、何かに迷ったときは、ここに来ればいいんだ』と感じたことを思い出しました。この数年、予想もしなかった事態に、私自身もいろんなことを悩み考えました。だからでしょうか、大聖堂で感じた希望の光を思い出して、救われる思いがしたんです」

ステンドグラスから光が降り注ぐサグラダ・ファミリアの大聖堂。

コロナ禍で完成した“マリアの塔”

「ガウディは未来を予見していたのでは?」


──番組では、マリアの塔の上に輝く星のオブジェが据えられる、完成の瞬間が映し出されます。どんな思いでご覧になりましたか?

「この時期にマリアの塔の星がサグラダ・ファミリアの上で輝くなんて…。『もしかしてガウディは未来を予見していたのでは?』とも考えてしまいます。まだまだコロナの恐怖は完全に消え去ってはいませんが、そんな中で何かに導かれるようにマリアの塔が完成し、街の人々だけでなく世界中の人々の道しるべとなるような希望の光が誕生するなんて。コロナのことなんてもちろん誰も想像していませんでしたが、非常に冷静に世の中を見つめていたガウディのことですから、産業革命の末に世の中がどんどん便利になる中で、想像できないような困難は起こるのではないかと予想していたのかもしれません。だからこそ、みんなの希望となるものを築かなければならないと、マリアの塔を設計したのではないかと。ガウディは、そう思わせるほど、特別な感性を持つ人。神様がこの地球に送り出した特別な人なんじゃないかと改めて感じました」

2021年12月に完成したマリアの塔の頂上。
番組では、“マリアの塔”の頂上に星のオブジェを据える瞬間もとらえます。

──ガウディが残したわずかな資料を手がかりに、40年以上サグラダ・ファミリアの彫刻を手がける外尾悦郎さんとも再会されましたね。

「前回バルセロナでお会いしたとき、ガウディの思いや技術、すべてを身にまとっていらっしゃる方だなと感じました。今回再びお会いして、とても大きなものに包まれるような温かい気持ちになり、『みんな困難な時代を生きているけれど、大丈夫ですよ、何も怖いことなんてありません、明日に向かってみんなで歩いていきましょう』と語りかけてくださっているようでしたね。
外尾さんは、よく『サグラダ・ファミリアはいつ完成するんですか』と質問されるそうです。ですが、大切なことは『完成させること』ではなく、『こんな困難な時代でも、変わらず作り続けること』だと外尾さんはおっしゃっていて、それが私はとても印象に残っているんです。もちろん、今回のように新たな塔が完成することもとてもすばらしいことだと思いますが、外尾さんがおっしゃるとおり、『未来に向かって歩き続けることの大切さ』をガウディは伝えたいのではないかと感じるんです」

サグラダ・ファミリアの彫刻家・外尾悦郎さんと、薬師丸ひろ子さんの対談も。

──番組では、ガウディの人生を振り返る部分もありますね。

「私は、ガウディを『思いやりの人』だという印象を持っているんです。プライベートで、ガウディが設計したミラ邸を訪れたときのことです。建物の中でさんさんと光が降り注ぎ、広くて気持ちのいい部屋が、メイドが仕事をする部屋でした。それを見たときに、『ガウディって、なんて思慮深い人なんだろう』と感じたんです。そこには、ガウディの優しさだけでなく、『何かを成し遂げるときには誰一人欠けてはならない』という人としてリーダーとしての思いも感じたようにも思いました。
そしてやはり、やることすべてに無駄がないことにも驚かされます。ガウディについてあまり知らないころは、ガウディの作る建物は奇抜で派手な印象を持っていました。ところが、そこにはすべて機能面、構造面の理由があると知って、とてもびっくりしました。さまざまな困難の中でサグラダ・ファミリアの建設継続に奔走したのも、職人たちの時間を失わないため、彼らの技術向上のためと言います。ガウディの行動すべてが、自分のためでなく、周囲の人のためなんです。やっぱり、特別な人だと思わずにおれません」

設計者・アントニ・ガウディが、マリアの塔に込めた思いとは?

──サグラダ・ファミリアは、今後、どんな存在になりそうですか?

「未来に向かって歩み続けているサグラダ・ファミリアは、私にとても多くのことを教えてくれる存在です。自分の信念に従って生き続けることの大切さ。そして、たとえ自分の人生が短いとしても、その中で誰かのためになる行いをし続けることのすばらしさ。教会に施された彫刻から、聖堂に差し込んでくる光から、いろんな側面からガウディがそれらを教えてくれているように感じるんです。番組をご覧になる方も、きっと勇気づけられるはずです。ぜひご覧いただいて、何かを感じていただけたらうれしいです」

「サグラダ・ファミリア〜輝く星の塔 マリアの祈り〜」

【放送予定】6月25日(土)[BSプレミアム/BS4K]後9:00

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