「SEIMEI」の振付師に密着

フィギュアスケート 魂の振付師 シェイリン・ボーンのメッセージ

11月11日(金)[BS1]後10:50〜11:39
11月19日(土)[BS1]前11:00〜11:49

世界トップスケーターに振り付けを指導するシェイリン・ボーンさん。羽生結弦さんの「SEIMEI」を生み出すなど、記憶に残るプログラムを手がけてきました。

今回、成長著しい鍵山優真選手への指導現場に密着取材。さらに、これまで振り付けした羽生さん、荒川静香さん、高橋大輔選手との対談が実現! トップスケーターたちのスケーティングをどう作り上げたのか、スケーターと振付師による創作活動に迫ります。

番組制作者の1人で記者の今野朋寿さんに、シェイリンさんの指導の特徴や番組の見どころを聞きました。

世界的振付師 シェイリン・ボーン

シェイリン・ボーンさんは、カナダ出身の振付師。
アイスダンスの選手として、カナダ選手権で10回の優勝。オリンピックに3度出場。2003年には、世界選手権優勝に輝きました。選手時代に身につけた技術を活かし、プロスケーターとして活動しながら、トップスケーターを指導しています。
羽生結弦さんがオリンピック2連覇を果たした2018年平昌五輪のフリー「SEIMEI」を振り付けしたことでも知られています。

日本フィギュアスケートの歴史を変えたシェイリン・ボーン

若手選手からメダリストまで、多くの日本人選手の振り付けを担当し、日本のフィギュアスケート界を支えてきたシェイリン・ボーンさん。今回、シェイリンさんの夫であるボーダン・トゥロックさんの協力のもと、これまで明かされてこなかった創作の舞台裏に密着しました。

シェイリン・ボーンさんのレッスンを受ける鍵山優真選手

今野朋寿記者(以降、今野):シェイリンさんはふだん、振り付けをする様子をほとんど公開しない。スケーターと深い関係性を築くことを大事にして創作を行うので、取材班がいることで本音が言いづらくなる状況を避けたいという思いから、ごく一部の人間だけの空間でプログラムを作っていきます。
彼女の夫であるボーダン・トゥロックさんは映像作品の制作などを手がけるクリエイター。制作チームは彼とタッグを組んだことで、シェイリンさんがカリフォルニアの自宅で選曲する様子など、密度の濃い取材が可能になりました。
また、この番組を作る上ではアートの側面を意識しました。ボーダンさんは、シェイリンさんをはじめとする世界トップの振付師は“アーティスト”だと強調しました。フィギュアスケートはジャンプやスピンなど、スポーツの要素もありますが、今回は「表現」という芸術面を意識することを心がけました。

鍵山優真選手とのレッスンに密着!振り付けが完成するまでのプロセスとは

今年2月の冬季北京五輪、男子シングルで銀メダルを獲得した鍵山優真選手。
今シーズンのショートプログラムの振り付けをシェイリンさんに依頼し、カリフォルニアで5日間のレッスンを受けました。
番組では、どんな楽曲で演技をしたいかなどをリモートでやり取りする、打ち合わせの段階からカメラを回し、振り付けが完成するまでのプロセスを追いました。

カリフォルニアでのレッスンから約2か月ぶりに再会したシェイリンさんと鍵山選手

今野:鍵山選手は日本のフィギュアスケートの将来を担う、注目選手です。北京五輪で銀メダルを獲得し、次の大会での金メダル獲得を目指して、新しいものを取り入れる必要があると考え、シェイリンさんを頼りました。
初対面のときには緊張していた鍵山選手が、指導を受けた2か月後にシェイリンさんと再会した際には、「今までやってきた表現に加えて、また新たな表現の幅が増えた」とコメント。
数々のスケーターの新たな一面を引き出してきたシェイリンさん。鍵山選手へのレッスンを通して、彼女の振り付けのプロセスを見ることができます。
指導のポイントを一つあげるとしたら、「コミュニケーション」です。選手が今何をしたいのか、どんどん質問をしていくことによって、潜在意識を含めて選手の情報を取り込んで、それを振り付けに活かしていきます。なので、リンクに上がるまでももちろん振り付けについて考えてはいますが、本格的にプログラムができていくのは、スケーターと実際に会ってからなんです。また、私が印象的だったのは、彼女がスケーターと同じくらい、バリバリ滑ること。本当にパワフルです。

日本のスケート界のレジェンドと対談

人々の記憶に残るプログラムを創作してきたシェイリンさん。
これまで彼女に振り付けを施された3人のスケーターとの、スペシャルな対談が実現しました。そのお相手とは、羽生結弦さん、荒川静香さん、高橋大輔選手です。これまで創作したプログラムについての秘話や、シェイリンさんとの絆が明かされます。

シェイリンさんと対談する羽生結弦さん

今野:羽生さんとは、2人の出会いから伝説のプログラムとも呼ばれる「SEIMEI」創作の舞台裏が語られます。荒川さんとは、今夏のアイスショーで演じた「ミス・サイゴン」の、主人公の女性が我が子への愛情を歌いあげた楽曲での振り付けについて語っています。プライベートではともに母親でもあるシェイリンさんと荒川さん。それぞれが作品に込めた思いが見えてきます。
高橋選手とは、ファンにとても人気がある、シングル時代の「マンボ」というプログラムの中で好きな部分を語り合います。

対談で語られるプログラム

羽生結弦さん…「オペラ座の怪人」「SEIMEI」「Hope & Legacy」
荒川静香さん…「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」「ミス・サイゴン」
高橋大輔選手…「エル・マンボ」ほか

今野:対談では、シェイリンさん自身の魅力もたっぷりと語られます。フィギュアスケートファンはもちろん、フィギュアスケートをあまり知らない人でも、すごく楽しめる内容になっていると思います。シェイリンさんのプロセスの裏側を見ることで、見てくださる方の“表現の世界”が広がるきっかけになったらうれしいです。

高橋大輔選手(左)と、シェイリンさんの指導を6年にわたり受けてきた樋口新葉選手(右)

これまで明かされてこなかった、シェイリン・ボーンが作り出す“表現の世界”に注目です!

「フィギュアスケート 魂の振付師 シェイリン・ボーンのメッセージ」

【放送予定】
11月11日(金)[BS1]後10:50〜11:39
11月19日(土)[BS1]前11:00〜11:49

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