出演者、スタッフ目線から見た舞台『千と千尋の神隠し』とは

もうひとつの千と千尋の神隠し~舞台化200日の記録~

1月14日(土)[BSプレミアム]後9:00~10:29

2022年春、帝国劇場で幕を開けた舞台「千と千尋の神隠し」。昨年5月に、主人公・千尋を演じる橋本環奈さん、上白石萌音さんに密着した「ふたりのディスタンス 千と千尋の神隠しスペシャル 橋本環奈・上白石萌音」が放送されましたが、今回は、その舞台の裏側を余さず追った密着ドキュメントを放送します。

注目は、「宮﨑 駿監督が描く究極のファンタジーを舞台上でどう表現していくのか」

コロナ禍で稽古も満足にできない日々が続く中、スタッフ、役者たちが奔走し、追い込まれてゆきます。開幕の直前まで、崖っぷちに立たされながら、舞台はいかにして作り上げられたのか、独占密着200日の記録をたっぷりお届けします。

今回は、密着取材を行った久保田 暁ディレクター(以下、久保田D)のインタビューとともに、番組の見どころをご紹介します!

さまざまな視点から見た舞台

宮﨑 駿監督の傑作アニメーション映画『千と千尋の神隠し』。10歳の少女が、自分でも気づかなかった「生きる力」を呼び覚ましていく物語です。

初上映から18年が経った2021年。初めての舞台化が発表されました。実写化は不可能といわれた究極のファンタジーをどのように舞台上で表現するのか。番組では、製作発表からワークショップ、稽古や本番までを追い、出演者、スタッフ、原作者の目線から舞台にかける思いに迫りました。

久保田Dの3つの見どころ

その① 人が作り上げる舞台に密着!

久保田D:ファンタジー要素の多い物語ですが、映像などに頼らずパペットを用いるなど、ここまで人の手で作られているんだというところがこの舞台のポイントだと思います。関わる方々の声や様子を詰め込んでいますので、これほどまでに大勢の人たちが心を込めて作っているんだというところを見てほしいです。

その② 舞台演出を分かりやすく解説

久保田D:演出のジョン・ケアードさんが“映画ありきの舞台”だとおっしゃるのですが、番組もそこを大事にしようと、舞台のシーンや装置を映画と照らし合わせてご紹介しています。舞台の各シーンを見ていきながら、ジョンさんの驚きの創意工夫をご覧ください。

その③ こんな人たちも見てほしい!

久保田D:この舞台は特に、主要キャストのほかにアンサンブルと呼ばれる、いくつかの場面にさまざまな役で出演する方々あっての舞台だと感じました。早替えをして一人で何役もこなす姿は職人技です。番組でもう少し長い時間を割いて紹介できたらよかったなと、そこだけが心残りです。

演出家・ジョンさんとチームの絆

コロナ禍や、多くのトラブルにも見舞われた今回の舞台。しかし、2022年7月の大千秋楽まで見事に走り切ります。

番組では、本番が迫る中、「やるんだよ」と2人で誓った主演の橋本環奈さん、上白石萌音さんの表情、幕を閉じたあとの演出家・ジョンさんの思いにも注目です。

久保田D:大千秋楽までのおよそ200日に密着させていただきましたが、土壇場でも走り切る姿を間近で見て、第一線を走られている方々はやはりすごかったです。橋本さんは今回が初舞台でした。周囲には見せていませんでしたがナーバスになったところもあると思うんです。度胸もあってピリピリした感じも出さず、プロフェッショナルだなと思いました。
また、上白石さんはゲネプロ(※本番の条件で行う最終リハーサル)なしでの本番をやってのけます。「萌音ちゃんならできる」という周囲からの信頼がありましたし、演出のジョンさんの「止まってもそれも舞台」という全てを包み込む受け皿のような考え方もあったから乗り切れたのだと思います。

そこに至るまでのモチベーションは、ジョンさんの言葉にあったと思います。ジョンさんは、声を荒げて怒るわけでもなく、意見が出ても絶対に否定はしません。言葉で気持ちや雰囲気を作るのが上手な方で、こういうリーダーもいるんだなと思いました。

ナレーションは、千尋!?

番組のナレーションは、映画で主人公・荻野千尋の声を演じた柊 瑠美さんが担当します。
大人になった千尋が、物語の全体を見つめます。どうぞお楽しみに!

番組ディレクターからメッセージ

久保田D:2022年5月に、「ふたりのディスタンス 千と千尋の神隠しスペシャル 橋本環奈・上白石萌音」という45分の番組を放送しました。そのときは主演の2人を取り上げましたが、今回の拡大版は“舞台ができるまで”が中心となっています。私自身、これまで一人の人物を掘り下げて密着したことはありましたが、いろいろな視点をフラットな目線で見られたことはとても新鮮で、実際に視点をつなげていくと、制作発表から大千秋楽まで物語が1本につながったような感覚にもなりました。

トラブルも重なり、時間のない中で完成を目指す演者、スタッフたちは群像劇のようでもあり、その様子は、私を含めさまざまな種類の組織に属している人たちも共感するところがあるのではと感じています。そして最後に、まだまだコロナ禍は続いていますが、大千秋楽まで走り切ることを目指す舞台関係者へ、光になるような番組になったらいいなと思います。

橋本環奈さん、上白石萌音さんからのメッセージはコチラ!


もうひとつの千と千尋の神隠し~舞台化200日の記録~

【放送予定】
1月14日(土)[BSプレミアム]後9:00~10:29

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