異なる分野で活躍する出演者二人が、互いに成功への道筋や独自の哲学を語り合う「スイッチインタビュー」。
1月23、30日(月)に登場するのは、音楽家・細野晴臣さんと作家・小林信彦さん。
伝説のバンド「はっぴいえんど」の中心にいた細野さんと、テレビの裏方として渥美 清、坂本 九らと「日本のコメディー」の誕生に携わった小林さんは、一体何を語るのか?
今回は、番組制作を担当した波多野健プロデューサー(波多野P)に、番組の見どころを聞きました。
細野晴臣(75)
音楽家。松本隆、大滝詠一、鈴木茂と結成した、日本のロックを変えたと言われる、伝説のバンド「はっぴいえんど」のメンバー。解散後、坂本龍一、高橋ユキヒロとともに「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成。コンピュータを前面に押し出した斬新なサウンドが、世界を席巻した。
小林信彦(90)
小説家、コラムニスト。70年代に子どもたちを夢中にさせた冒険小説『オヨヨシリーズ』、抱腹絶倒のパロディ小説『唐獅子株式会社』、自伝的小説『夢の砦』などで知られる。映画や笑いに造詣が深く、評論・エッセイも多数執筆。若いころは放送作家、マルチタレントとしても活躍。
約6年越しに実現した対談
初対面となる細野晴臣さんと小林信彦さん。お笑いが好きという細野さんの強い思いから対談が実現しました。
波多野健プロデューサー(以降、波多野P):僕は、細野晴臣さんのファンでして、実は6年前にスイッチインタビューに出演していただけないかというお話をしていました。最初はなかなかいいお返事をもらえなかったのですが、細野さんの方から突然、「ぜひ作家の小林信彦さんにお会いしたい」と連絡がありました。
細野さんは、子どものころからお笑いが大好きで、「ミュージシャンにならなければ芸人になりたい」と思っていたぐらい。そして、愛読書は小林さんが喜劇俳優たちとの交流をつづった『日本の喜劇人』でした。細野さんはこれまで小林さんにお会いしたことがなかったのですが、直接お話を聞きたいという熱い思いがあり、対談に向け準備を進めました。ですが、当時は小林さんが脳梗塞で倒れられて入院していた時期で、体調が落ち着くのを待って、6年越しにお二人にスイッチインタビューにご出演いただけることになりました。

撮影は、小林信彦さんの
思い出の場所で
波多野P:今回撮影した場所は、小林さんのご指名で、新宿のホテル(ヒルトン東京)の中華料理店でした。そこは、小林さんがいろんな喜劇人を呼んで、食事をしていた思い出の場所なんだそうです。番組では紹介できなかったんですけども、植木 等さんと最後に会ったのもここだったそうです。そのとき、植木さんが、「大滝詠一を呼ぼう!」と思い立ち、大滝さんと交流が深かった小林さんが急きょ、大滝詠一さんを誘ったそうなのですが、大滝さんのスケジュールの関係でそれは実現しなかったようです。収録現場でも「あのとき、大滝さんを植木さんに会わせたかったな」という話が出たんですが、そういった小林さんの思い出深い場所に、大滝さんとバンドを組んでいて、関係の深い細野さんをお呼びして、二人で話をしたかったのだと思います。
EP1 細野晴臣さんが、
小林信彦さんにインタビュー
伝説の音楽バラエティー「夢であいましょう」に携わり、渥美 清さん、坂本 九さんらそうそうたるメンバーと「日本のコメディー」の誕生に立ち会った小林さんに、細野さんがインタビューします。日本喜劇の生き字引による貴重な証言を、秘蔵映像満載でお届けします。
波多野P:小林さんは、テレビ草創期に放送された伝説の番組、「夢であいましょう」(NHK)、「ゲバゲバ90分!」(日本テレビ)に、裏方として関わっていました。そこで小林さんは、渥美 清さん、坂本 九さんなど日本を代表する喜劇人たちと仲良くなったそうです。
細野さんは、小林さんから直接、当時のお話を聞きたいと熱望されていたので、収録を終えた細野さんはとても満足されたと思います。
小林さんのお話の中で驚いたのは、渥美 清さんのエピソード。今では、映画『男はつらいよ』の主人公「フーテンの寅(とら)さん」として日本中で愛されている渥美 清さんですが、自分のスタイルを模索していた時期があり、そのころはいろいろな著名人のモノマネをしていたそうなんです。その様子がNHKのアーカイブ映像に残されています。日本の喜劇の歴史を長年見てこられた、小林さんの貴重なエピソードを、秘蔵映像とともに楽しんでいただきたいですね。

EP2 小林信彦さんが、
細野晴臣さんにインタビュー
EP2では、お笑い好きという細野晴臣さんが喜劇への思いや、自らのルーツを語ります。さらにバンド解散のときのお話や貴重なコント映像もお届けします。
※細野さんと共にYMOで活躍した高橋幸宏さんが亡くなりました。心よりお悔やみ申し上げます。
波多野P:「はっぴいえんど」の解散のお話は、雑誌のインタビューなどで語られてきましたが、細野さんが実際に話している映像はあまりなかったと思います。なので、小林さんの質問に対して、解散当時のことを話す様子は、ファンの方にとっては感慨深いと思います。また、細野さんが影響を受けてきた音楽のルーツの話なども語られました。どういうところから音楽に目覚めたのか、「はっぴいえんど」から「YMO」と、全く違う種類の音楽を作ってきた細野さんの制作の流れを、実際に曲を聞きながらご覧いただけます。
細野さんが今後どんな楽曲を作っていくのか期待しているファンの方も多いと思います。これからの活動についてもお話しされているので、ぜひ最後まで注目していただけたらと思います。

音楽界、コメディー界に大きな影響を与えてきた二人の対談を、ぜひお見逃しなく。
スイッチインタビュー
「細野晴臣×小林信彦」
【放送予定】
1月23、30日(月)[Eテレ]後10:50〜11:19
再放送2月1、8日(水)[Eテレ]前0:25〜0:55 ※火曜深夜