今年1月にスタートした防災プロジェクト「命をまもる 未来へつなぐ」。
東日本大震災から12年となる3月は、近い将来起こるとされる「南海トラフ地震」に焦点をあてた番組を放送します。NHKスペシャルのシリーズでお伝えするだけではなく、全国の地域局とも連携し、安全・安心を支える取り組みにつなげます。公共メディアとして改めて「備え」について考えていきます。
NHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」
近い将来、確実に起こるとされる「南海トラフ巨大地震」。
ドラマ×ドキュメンタリーで描くリアルな脅威。
国が示す“最悪ケース”はM9クラスの地震が一度に起こることを想定していますが、それに匹敵して、多くの専門家が警戒するのは、東西日本で、時間差でM8を超える巨大地震が連続する“半割れ”と呼ばれるシナリオです。国は、“連鎖する巨大地震”に備えて、4年前に事前避難を求める「臨時情報」の仕組みを整備、対策を強化し始めています。
本シリーズでは、高知・大阪・東京の3拠点を“ほぼリアルタイムドラマ”で描きながら、南海トラフ地震の想定被害の全容を、それぞれの地域に暮らす家族の目線で明らかにしていきます。また、南海トラフ特有の被害と、最新研究をもとにしたリスク、防災対策を多様な切り口で取り上げます。
NHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」
【第1部】ドラマ(前編)
【放送予定】3月4日(土)[総合]後7:30~
【第1部】ドラマ(後編)
【放送予定】3月4日(土)[総合]後10:00~

「半割れ」シナリオを科学的知見に基づいてドラマ化
ドラマは、大阪で町工場を経営する森澤一家、高知で暮らす両親、東京で暮らす妹を軸に、刻一刻と変わる被災状況を、人間模様とあわせて身近な目線で複合的に描く。いつもと変わらない一日が、和歌山県南方沖を震源地とするM8.9の巨大地震で一変。家族は音信不通、安否がわからなくなり―。近畿や四国を“揺れ・津波・火災”の三重苦が襲い、死者も多数。その後、名古屋や静岡など揺れの小さかった東側でも巨大地震のリスクが高まり、気象庁は「臨時情報」を発表。被災地を支援すべきか? 自分たちのために備えるべきか? 大きなジレンマに陥っていく。そして1週間後、恐れていた“半割れ”が発生してしまう…。
【主な出演者】仁村紗和、松尾 諭、高野志穂、宮田圭子、中原丈雄、高橋克実
NHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」
【第2部】“最悪のシナリオ”にどう備えるか
【放送予定】3月5日(日)[総合]後9:00~

「最悪シナリオ」にどう備えるか。最新のルポを交えてヒントを提案
「南海トラフ巨大地震」は、日本全体、そして私たちにどんなダメージをもたらすのか? 最新の研究から、最初の地震で被災した場所に十分支援が届かない可能性や、長期にわたる経済低迷のリスクが浮き彫りになってきた。番組では、「避難に時間的猶予がない地域でどう命をつなぐか」「長期の避難生活をどう乗り切るか」「命を守りきるための医療体制」「事業継続のために必要な備え」など、被害を最小限に抑える模索とヒントを、専門家と共にVTRとスタジオで紹介していく。
東日本大震災から12年 多様な視点で
NHKは、東日本大震災の発災直後から12年にわたり取材を続けてきました。
安全・安心を支える公共メディアとして、これからも被災地を見つめ続けます。
NHKスペシャル「海辺にあった、町の病院 ~震災12年 石巻市雄勝町~」
【放送予定】3月11日(土)[総合]後10:00~10:49

津波被災を象徴する場所の1つとなった石巻市立雄勝病院。患者と職員の9割が命を落とし、残された病院関係者や、住民は固く口を閉ざしてきました。地域の心のよりどころでもあった病院であの日、何が起きたのか。命を守る人の命の在り方とは…。問いに対じし生きた人たちの12年をたどります。
NHKスペシャル「震災12年 復興の地図 〜“希望の芽”を探して〜」
【放送予定】3月12日(日)[総合]後9:00~9:50

東日本大震災から12年。NHKでは、「国勢調査」などをもとに、各自治体の性別や年齢別、職業別の人口増減を示した「復興の地図」を独自に作成。被災地の中で進む再生の兆しを探した。独自の取り組みで移住者を呼び込んでいる町、リスクを度外視し若手社員に大きな権限を与える企業、福島で始まった新たなイノベーション。数十年先の日本を映し出しているとも言われる被災地で浮かび上がった“希望の芽”を見つめる。
東日本大震災についてさまざまな視点や切り口でお伝えします。
NHKスペシャルでは、国の復興事業がほぼ完了した津波被災地の現状をデータジャーナリズムの手法で可視化し解析する番組も予定しています。
また、震災の発生から12年を経て、若者へと成長した被災地の子どもたちを見つめるドキュメンタリー、さらに原発事故の最新の調査報道などを準備中で、クローズアップ現代等も関連番組を予定しています。
地域局との連携できめ細やかな情報を
3月には、東海・首都圏・東北・北海道の各局で、東日本大震災などをふまえ、南海トラフ地震、首都直下地震や千島海溝沿いの巨大地震など今後各地で懸念される地震への備えについて見つめ直し、きめ細かく情報を発信していきます。
NHKスペシャル「南海トラフ巨大地震」の放送後には、西日本を中心に1週間にわたって各地域局で関連のニュース・番組を放送していきます。大阪局で防災に関するイベントを開催するなど、一部の地域ではイベントを通じて視聴者とともに考える取り組みを計画中です。


東日本大震災関連番組
ハートネットTV
「命輝く力に ~原発被災地の医師~」
【放送予定】3月7日(火)[Eテレ]後8:00~8:30
「この村に骨を埋める覚悟です」福島第一原発の事故から12年、全村避難を余儀なくされた福島県飯舘村に初めて医師が移住してきた。本田 徹さん(75)。医療に恵まれない人のために長年活動してきた訪問診療のスペシャリストだ。向き合うのは、あの日奪われた「生きがい」や「故郷での暮らし」を求めて帰ってきた人たち。医師不足の村で病に倒れる人が相次ぐ中、「望む暮らしをかなえたい」と奮闘する医師の半年間に密着した。
【語り】富田望生
かんさい熱視線
「徹底可視化!南海トラフ巨大地震 #とっさに逃げられる街ですか?」
【放送予定】3月10日(金)[総合・関西地方]後7:30~7:57
今後30年以内に、70~80%の確率で起こるとされる「南海トラフ巨大地震」。
被害の規模は? 津波に私たちはどう備えるのか?
東日本大震災以降、関西でも多くの対策が講じられているが、いまだ備えが不足しているのは、どこなのか。
今回番組では、関西の各地から多くの人が集まる大阪・梅田を舞台に、「いざというとき、どう行動すべきか」を人々の行動実験によって明らかに! さらに大阪市のリアルなCGや地形の模型を駆使し、街の特性を徹底的に可視化。生き延びるヒントを探る。
あの日から12年 ~14時46分被災地の祈り~
【放送予定】3月11日(土)[総合]後2:30~3:00
2011年3月11日 14時46分に起きたマグニチュード9の巨大地震と、その後起きた大津波や原発事故。東日本大震災では2万人以上の命が奪われた。各地ではこの時間、亡くなった人たちを偲び、あるいはあの日以来の歩みに思いを馳せ、多くの人たちが黙祷を捧げる。少しずつ姿を変え、前に進んできた被災地。変貌する各地の風景。一方で変わらない思い…。人々が動きを止め、沈黙に包まれるこの時間。各地の祈りの様子を中継で結び、人々があの日に思いを寄せ、心の声に耳をすませる時間としたい。
ありがとうを3.11に伝えよう委員会2023
【放送予定】3月11日(土)[総合]後4:45~5:57
「3.11を感謝の言葉であふれる日にしたい」。2020年、震災から10年を前に、宮城・気仙沼の人々が立ち上げた、“ありがとう”の思いを感謝状にしたため手渡す取り組み「ありがとう委員会」。第3回となる今年、お世話になった方々をお招きし、“ありがとうの集い”を開催! ありがとうの輪が世界に広がりました。東日本大震災から12年、“ありがとう”とともに歩んできた日々を振り返る、涙と笑顔の感動ドキュメント。
【出演】井ノ原快彦、南野陽子、小山慶一郎、北山陽一
明日をまもるナビ
「東日本大震災12年企画 あの日、何をしていましたか」
【放送予定】3月12日(日)[総合]前10:05~10:55
2020年にNHK仙台放送局で始まった東日本大震災伝承プロジェクト「あの日、何をしていましたか?」全国から1700以上の投稿が寄せられた。震災から12年の今年、より多くの人と記憶を共有するため投稿をトラックに乗せて東京から岩手を巡る。各地で語られた「あの日」にまつわる言葉に耳を傾け震災の記憶を明日にどうつなげるか考える。神戸と福島、二つの被災地の合唱を通じた交流も紹介。
【ゲスト】村上弘明、山之内すず 【司会】塚原 愛