幼稚園・保育所から小学校3年生向けに、読み聞かせや読書の楽しさを伝える番組「おはなしのくに」は、1990年の放送開始から33年目を迎える長寿番組です。アニメや映画では見たことがあっても、「原作は読んだことがない」という子どもが増えている教育現場の声にこたえ、“海外の名作シリーズ”を放送します。
2月~3月に放送する新作は、『三びきのくま』、『フランダースの犬』、『てぶくろ』の3本です。
稲垣来泉 ×『三びきのくま』
【放送予定】
2月6日(月)[Eテレ]前9:05~9:15
再放送2月13日(月)[Eテレ]前9:05~9:15

「だれのおうちかしら?」
「おはなしのくに」の出演者では初めての子役・稲垣来泉さんが、森へ迷い込んでしまう好奇心旺盛な“女の子”と子ぐまを熱演します。声色を変えて大きなくまなども演じる多才ぶりを、ぜひご堪能ください!
<あらすじ>
森で暮らす三びきのくまたちには、大切にしているものがありました。とても大きい椅子、ちょっと小さい椅子、とても小さい椅子。どれも体の大きさに合っていて、座るとサイズがぴったりです。ある日、シチューがさめるまで散歩に出かけていると、くまたちが留守の家に女の子が迷い込みました。おなかが空いていた女の子はシチューを飲みほし、ベッドに横になって、うとうとと眠ってしまいます。そこへくまたちが帰ってきて…?

稲垣来泉さんメッセージ
「おはなしのくに」は、渡辺直美さんの『金太郎』や安達祐実さんの『雪女』など、これまでもたくさん見ていました。すごいキャリアの俳優のみなさんが演じてきた「おはなしのくに」の中で、今回私が番組史上最年少での出演になると聞いて、とても光栄でうれしかったです。まだ小学生の私に声を掛けていただけるなんて、すごいことだと思うんですよね。一人芝居をやったこともなかったので、「一人芝居やるぞ!」という気合いも入りました(笑)。
『金太郎』の渡辺直美さんのお芝居で、その場にクマはいないけれどクマと押し合うシーンがあって、これはパントマイムが大事じゃないかなとか、『賢者の贈り物』に出演された安藤サクラさんは、目線まで細かく演じていらしておもしろいなと思ったので、自分も取り入れてみたいなと思いました。収録では、性別も年齢も私とは全然ちがう「大ぐま」の役が難しかったですが、一生懸命に低い声を出したりして頑張りました。
どんな人が見ても響く「おはなしのくに」ですが、今回の『三びきのくま』もいろいろな世代の方に見てほしいなと思います。相手が自分に対して困ることや悪いことをしちゃったとしても、すぐに怒るんじゃなくて、何か理由があったはずだって思える思考を低学年の子たちにもわかってほしいです。大人の方も、こういう世界観いいよねって思ってもらいたいので、本当にどんな年齢の方にも見てほしいです。感情的にならずに、相手の心と立場を理解しようとする優しさを感じてもらえるとうれしいです。
高杉真宙 ×『フランダースの犬』
【放送予定】
2月20日(月)[Eテレ]前9:05~9:15
再放送2月27日(月)[Eテレ]前9:05~9:15

「パトラッシュ、僕たちはずっといっしょだ」
犬のパトラッシュとの真の絆、友情について考える名作『フランダースの犬』。
高杉さんが少年ネロを熱演します。画家という夢をもつネロにとっての“幸せ”とは…? 涙があふれるお話です。
<あらすじ>
ネロはいつも犬のパトラッシュと一緒。足の悪いおじいさんの代わりに町までミルクを運ぶときも一緒です。そんなネロには画家になるという大きな夢がありました。ところが、教会に飾られた絵を一目見たくても、お金がありません。ネロはパンをがまんして灰色の紙を買います。そしてコンクールに出品する絵に希望を託して描きますが…。

高杉真宙さんメッセージ
一人で何役も演じることは、もちろん難しさもありましたし10分間の物語を一人で演じるっていうのは緊張もしましたけど、でもいざスタジオに入って演じていると、楽しいなという気持ちのほうが大きかったです。「おはなしのくに」のおもな視聴世代としては、やはり小さなお子さんたちだろうなと思っているので、テレビの向こうで見てくれるお子さんたちをイメージして演じました。
『フランダースの犬』は不朽の名作で、僕らはもちろん知っているお話ですけれど、小さいお子さんたちの中にはもしかしたらこの「おはなしのくに」で初めて『フランダースの犬』と出会うお子さんもいるかもしれません。そういうお子さんたちに向けて、印象に残るといいなと思っています。僕自身も、最初に見たお話や舞台がものすごく印象に残っているので、そのお子さんにとっての大事な記憶に残るようなものにできたらと思っています。
『フランダースの犬』には山場がいくつかあると思いますが、大変なシーンとしては、やはり泣きの芝居がいちばん緊張しました。そういうシーンは、いつだって緊張してしまいます。
物語のストーリー自体は、ずっと昔から語り継がれてきたすばらしいお話なので僕が語れるようなことはないですが、僕が伝えたいのはお芝居のおもしろさです。受け止め方は、見てくれる方お一人お一人にお任せしたいところですが、そのお手伝いというか手助けができたらいいなと思っています。
福田彩乃 ×『てぶくろ』
【放送予定】
3月6日(月)[Eテレ]前9:05~9:15
再放送3月13日(月)[Eテレ]前9:05~9:15

「ぎゅうぎゅうぎゅう。みんなで入れば温かい」
おじいさんが落とした手袋に、次から次へと動物たちが暖を取りに入ってきます。小さなねずみから大きなくままで総勢7匹! 独り占めせず、思いやる心の大切さを、ユーモアたっぷりに福田彩乃さんが演じます。おたのしみに!
<あらすじ>
雪がしんしんと降るある日、おじいさんがてぶくろを落としてしまいます。そこへ一匹のねずみがやってきて、手袋の中で暖を取り始めました。少し温まると、かえるがやってきました。「どうぞ、どうぞ」と言われ、かえるが中へ入ると、次にやってきたのはうさぎ。また次ににわとり、おおかみ、いのしし…とどんどん集まってきて、手袋はパンパンではちきれそうです。それでも「どうぞ、どうぞ」と中に入り、暖を取る動物たち。7匹目のくまが入ると、てぶくろは…?

福田彩乃さんメッセージ
「おはなしのくに」は、私も子どものころに観ていました。妖精が飛んでいるオープニングに、BGMの女性の声が印象的で、当時は少し怖かった印象がありました(笑)。
自分の子どもにもぜひ観せたいと思っていた番組だったので、それに自分が出演できることがとてもうれしいです。
今回は、7種類の動物に加えて子犬の演じ分けが必要だったので、動物の動きや鳴き声の動画で研究しました。実際に演じていると、「どうぞ」「ありがとう」と言っているだけで思いやりの気持ちが芽生えてとてもあたたかい気持ちになりました。いろいろな動物が出てきてそれぞれに感情移入もでき、とても楽しかったです!
『てぶくろ』は、まるで友だちと楽しくおしゃべりをしているかのような、とてもあたたかな気持ちになれるお話です。いじわるや横取りもなく、相手の気持ちを考えたり、「ありがとう」の気持ちを大切にすること、世の中がこうなればいいのになと思うことを、登場する動物たちが教えてくれます。
ぎゅうぎゅうなのに楽しそうな動物たちを、ドキドキワクワクしながらぜひご覧ください。