今回ご紹介するのは恐竜たちが大暴れするSFアドベンチャー2作品です。
まずは「ジュラシック・ワールド」(2015)。舞台はシリーズ第1作と同じイスラ・ヌブラル島。恐竜の巨大なテーマパークがついに完成、世界中から観光客が訪れていました。しかし秘密裏に開発していた大型恐竜インドミナス・レックスが脱走。園内はパニックに陥ります…。
巨匠スティーブン・スピルバーグ監督がベストセラー作家マイケル・クライトンの小説を映画化した「ジュラシック・パーク」(1993)は世界中で大ヒット。とりわけ話題になったのがCGを使って映像化された恐竜たちでした。シリーズ3作のあと、14年を経て製作されたのがこの作品。CGはじめ視覚効果はさらに進化し、恐竜たちは迫力を増しています。なかでも、本作初登場のインドミナス・レックスは、遺伝子操作によって作り出されたという設定だけあって、これまでにない俊敏な動きや狂暴さで見るものを圧倒します。
スピルバーグ監督は製作総指揮をてがけ、キャスト・スタッフも一新。恐竜監視員のオーウェンを演じるクリス・プラットは、コミックを映画化した「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014)で主役のピーター・クイル/スター・ロードを演じ、世界的なスターになりました。本作での、ユーモアを交え恐竜と対等な関係で心をかよわせようとするオーウェンははまり役です。
パークの運用管理者クレアを演じるのがブライス・ダラス・ハワード。お父さんのロン・ハワードは俳優から監督となり「ビューティフル・マインド」(2001)でアカデミー賞を受賞したハリウッドを代表する名匠です。父ロンの作品に幼いころから出演したブライス、大人になってからはクリント・イーストウッドやサム・ライミといった名監督の作品で見事な演技を見せ、第一線で活躍しています。監督のコリン・トレボロウはこれが長編2作目の大抜てきでしたが、息つく暇もない演出で大ヒットに導きました。
続くシリーズ第5作は「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(2018)。トレボロウは脚本をてがけ、監督をスペイン出身のJ・A・バヨナが務めました。こちらもさまざまな恐竜が登場しますが、ひときわ恐ろしい“キメラ恐竜”インドラプトルのデザインは、ホラー映画をこよなく愛するバヨナ監督のアイデアで、映画史上の名作「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922)や「フランケンシュタイン」(1931)を参考にしたということです。
映画ならではの恐竜たち。手に汗握ってお楽しみください!
プレミアムシネマ「ジュラシック・ワールド」
3月4日(土)[BSプレミアム]後1:30〜3:35
※BS4K同時放送
プレミアムシネマ「ジュラシック・ワールド/炎の王国」
3月5日(日)[BSプレミアム]後3:16〜5:25
※BS4K同時放送
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【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)
1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。