サンドウィッチマンが 故郷・宮城の病院へ!

病院ラジオ「東北大学病院編」

3月29日(水)[総合]後10:00~10:59

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サンドウィッチマンが病院に出張ラジオ局を開設し、患者や家族の本音をリクエスト曲とともに聞いていくドキュメンタリー「病院ラジオ」。

今回の舞台は、お二人の故郷・宮城県仙台市にある東北大学病院です。

東北大学病院は、日本最大規模の国立大学病院として移植などの高度な医療を行う一方、難病の新たな治療法や新薬を開発するなど、日本の医療をリード。2011年の東日本大震災では、被災地医療の最後のとりでとして尽力し、現在も日本の災害医療の中心的な役割を担っています。

今回、サンドウィッチマンのお二人が対面したのは、同郷の患者さんやそのご家族です。どんなお話を伺ったのでしょうか。収録直後に感想を聞いてきました。

自分の家に
帰ってきたような感じがした

伊達:大学病院の裏側が僕らの通学路だったので、自分の家に帰ってきたようなリラックスした感じで収録ができましたね。そして、今回番組に出てくださった方々も、すごく腹を割って話してくれたような感じがしました。

富澤:ほとんどが東北の方でしたが、しゃべりたい感じの方ばかりでしたよね。質問いらずで、やりやすかったです。

伊達:今回も印象に残る方々ばかりが登場しましたが、僕は特に、娘さんの闘病中にご自身のがんが見つかったという女性とその旦那さん、娘さんの3人家族が心に残りました。その女性は、病気になったことで9歳年下の旦那さんに「別れよう」と言ったら、旦那さんに「俺の娘でもあるんだ」と説教されたそうです。うちも一人娘なので、やはり自分だったらどうしただろうと考えましたね。また、ご夫婦の趣味や思考は真逆ですけど、その間のバランスを保っているのが、水頭症という病気になり障害がある娘さんなんですね。

富澤:ずっと笑顔なんですよね、その子が。

伊達:短時間でしたが、すてきな夫婦愛、家族愛が伝わりました。

ピアノを弾く姿は
かっこよかった

富澤:僕は、のどのがんになった方が印象に残っています。人工咽頭という器具をのどに当ててしゃべってくださったのですが、そういった方がテレビに出て、世の中にこういった病気や補助をしてくれる器具があることを広めてもらえるのはありがたいことですよね。

伊達:その方は音楽をやっていて、今回ピアノを弾いてくださったんですよね。かっこよかったなぁ。

富澤:ご夫婦でいらっしゃったのですが、ピアノを弾く旦那さんを見つめる奥さんの目を見ていたら、本当にほれているんだなぁと感じました。

伊達:最後に登場した男性のお話は、すごく考えさせられました。根本的な治療方法がなく、2~3年と余命を告げられたそうですが、そんな中、体力は削られるけど4~5年ほど生きられるという治療を選択するか、その治療をしないで好きなことをする方を選択するかというところで、彼は、今の時点では後者を選んでいました。ただ、まだ32歳。そう判断した彼の気持ちもすごく分かるけど、僕は親御さんの気持ちも知りたいなと思いましたね。

富澤:その決断までにたくさん考えてのことなんでしょうけど、まっすぐな目をしていましたからね。難しい判断ですよね。

伊達:彼には今やりたいことが7~8個あるそうです。野菜が山盛りにのっている“あのラーメン”を食べたいとか、大谷翔平選手のユニフォーム姿を見るためアメリカに行きたいとか。そういうところをできるだけかなえてほしいなと思いました。それによってちょっと寿命も延びることもあるのかな、と。

病気を知るという
目的だけでもいい

伊達:実は今日、収録時間が押して(長引いて)しまったんです。もっと伝えたいことがあるんじゃないかなと思って、僕たちがたくさん質問しちゃいました。患者さんの事前情報はほぼ聞かずにやっているので、どうしても長くなるんですよね。一人ひとりのお話がテレビをご覧になる方にもくわしく伝わればいいなと思います!
実は今回、放送時間も延びたんですよね。いつもは45分だったけど59分に。あと1分は何なんですかね。次は75分でどうでしょう。

富澤:この番組には、同じような境遇だったり、しんどい時期にいたりする方には、もしかしたらそこを抜け出すヒントがあるかもしれないなと感じることがあるんです。また、もしかしたら自分がその病気になるかもしれないので、“病気を知る”という目的だけでもいいので見てほしいなと思います。

伊達:「『病院ラジオ』を見て泣きました」という感想をもらうことも多いですが、「今回はパワーをもらいました」とか「勇気づけられました」みたいなものが増えるんじゃないかなと思いますね。

富澤:周りが普通にしていてくれるからこそありがたかったり、助けられたり。そういった家族的なもののパワーも感じられると思います。

病院ラジオ「東北大学病院編」
制作者メッセージ

今回の舞台がサンドウィッチマンお二人の故郷・仙台ということも影響してか、100人近くの患者さんやご家族からメッセージが集まりました。
臓器移植を受けた方、がんが寛解した方や現在転移と向き合う方。さまざまな難病と向き合う方、摂食障害やうつ病などの精神疾患に苦しむ方からも思いを寄せていただきました。貴重な体験をお聞かせいただき、心から感謝いたします。

多くの皆さんに共通する思いが、今回の番組のテーマにもなっています。
病気になったことで今一度立ち止まり、今後の人生をどう生きようか、家族などの大切な人とどう向き合うか「選択」するということです。

特に、2011年に東北で震災を経験された方々だからこそ、今日と同じように明日がやってくるとは限らないことをより強く実感し、人生の選択に向き合ってこられたのだと想像しました。
その思いは伊達さんと富澤さんお二人にも共通し、いつも以上に「自分だったらどうするか」を問いながら、出演したみなさんのお話に耳を傾け、一つ一つ言葉を選んで会話をしていたのが印象的でした。

今回はいつもより時間を拡大した59分です。どうぞじっくりとご覧ください。

番組ディレクター 辻 陽子

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