僕にとっての「SF」はサイエンス・フィクションではなく「少し不思議な物語」のSとFなのです。” (藤子・F・不二雄)
言わずと知れた「ドラえもん」の生みの親、藤子・F・不二雄には、もう一つのライフワークがありました。傑作ぞろいとされる「SF短編」漫画です。刺激的でシュールな味わいのあるSF短編は、1960~80年代に描かれ、110作品以上に上ります。いずれもコミカルで人間への温かい視線にあふれながら、一方で、パンデミック、核の脅威、生命倫理といった人類が抱える重いテーマを扱い、作者が未来を予見していたかのような驚愕の物語となっています。藤子ファンにとっては、長年本格的なドラマ化が待ち望まれていたシリーズです。
4月にBSプレミアムで放送した7作品(全8回)を、5月29日(月)から総合テレビ「夜ドラ」枠でお送りします!

1話15分×7作品放送!実力派キャストが集結
死んだクラスメートをめぐる怪事件からひもとかれる物語「おれ、夕子」に鈴木 福さん、田牧そらさん、柴崎楓雅さん、山本耕史さん。
悪魔との魂の取引をコミカルに描く「メフィスト惨歌」に又吉直樹さん、鈴木 杏さん、遠藤憲一さん。
食糧危機に陥った未来の老人の悲哀を描いた「定年退食」に加藤 茶さん、井上 順さん。
人の心の声が聞こえる不思議な実を手にした青年の物語「テレパ椎」に水上恒司さん。
締め切りに追われる漫画家がタイムスリップする「昨日のおれは今日の敵」に塚地武雅さん。
ケンカの絶えない父子の心が入れ替わる一日を描く「親子とりかえばや」に青木 柚さん、吹越 満さん、望月 歩さん。
コロナ禍を彷彿させるウイルスのはびこる世界を描いた「流血鬼」(前後編)に金子大地さん、堀田真由さん、加藤清史郎さん。
若手からベテランまで実力派俳優が揃いました。未来への警鐘ともとれる普遍的な作品の数々がどのような映像になるのでしょうか? 刺激的で不思議でありながら、笑いも散りばめられた珠玉のエンターテインメントドラマをお楽しみに!

出演者コメント
5月29日(月)午後10:45~ 『おれ、夕子』


鈴木 福さん
「おれ、夕子」/佐藤弘和 役
藤子・F・不二雄先生のSF、すこしふしぎな世界に胸が踊りました。
僕×めがねで、藤子・F・不二雄先生の世界観、弘和が出せたら良いなと思います!
SFというと、僕もSuzukiFukuなので、SFですね!!放送を楽しみにしていてください!

田牧そらさん
「おれ、夕子」/鈴木夕子 役
藤子・F・不二雄先生の作品に携わることができること、そして山戸監督とご一緒できるということを聞いてすごくうれしかったです。私が演じた夕子はとても優しい女の子です。夕子のセリフは、重みがあって、口にするのが苦しい瞬間もありました。ですが、衣装合わせや本読み、撮影の際に、監督やスタッフ、共演者の方々と一緒に、細かいところまでこだわって作り上げるのが本当に楽しかったです。「おれ、夕子」は少し切なく、でもとても温かい作品だと思います。この作品が少しでも多くの人の心に残ったらうれしいです。

柴崎楓雅さん
「おれ、夕子」/苅野勉吉 役
僕の演じた勉吉は、今まで挑戦したことのないキャラクターだったので、そんな自分に戸惑いながらも、原作に少しでも近づけられたらと、全力で楽しみながら撮影を終えました。幼少期よりアニメや漫画で慣れ親しんだ藤子・F・不二雄先生の作品の仲間のひとりになれたこと、すごく嬉しく思います。「おれ、夕子」は、家族・友人それぞれの愛情がたくさん詰まったお話です。
ぜひ多くの方に受け取っていただけたらうれしいです。

山本耕史さん
「おれ、夕子」/夕子の父 役
原作は、子供を失って人の道理を外れたことまでしてしまう父親の悲しみと愛情の切ないストーリーですね。明るい作品のイメージの強い藤子作品の中では、重たいけれど愛のある作品です。16歳の田牧さんは自分の娘でもおかしくない年齢なので、リアリティをもって演技ができました。今回原作に寄せたヘアメイクをしてみましたが、漫画から読み取れる空気感を大切にしつつ、決してマンガチックにはなりすぎない重厚なドラマになっていると思います。おのおのの立場によって何を感じるかが変わる作品だと思いますが、愛と悲しさとちょっと未来も感じていただければと思います。
5月30日(火)午後10:45~ 「メフィスト惨歌」


又吉直樹さん
「メフィスト惨歌」/高木 健 役
この作品はメフィストのキャラが圧倒的におもしろいですね。悪魔は人を苦しめる怖い存在っていう決まりを藤子さんが大胆に捉え直しをしているところはやっぱり斬新だなと思います。主人公は、淡々としていて、無感情で、人間っぽくない人物ですが、僕はそういう人物こそ実は結構人間的だと思います。何を考えているか分からないようなイレギュラーな動きをする人っていますよね。そんな意外な人間と意外な悪魔が、意外な物語を作っていくところをぜひご覧いただきたいと思います。

鈴木 杏さん
「メフィスト惨歌」/瀬川ユリ 役
又吉さんとご一緒できるという幸運に恵まれてとてもうれしかったです。たたずまいから醸し出されるものが原作の漫画が持つムードそのままで、とてもすてきでした。撮影が1日だけだったので、もっと観察していたかったです。(笑)遠藤憲一さんと又吉さんの掛け合いも、拝見するのがとても楽しみです。また、シリーズの他の回を観るのも、楽しみにしています。

遠藤憲一さん
「メフィスト惨歌」/メフィスト 役
このようなぶっ飛んだナンセンスな物語が40年以上前に書かれたとは驚きです。最初は原作ほどテンションを上げないでいこうと思っていたのですが、結果的に、はち切れた演技になりました。一言一句、せりふを繰り返し覚えつつも、一度壊さないとこの役はおもしろくないと思って、アドリブなのか台本なのか分からないような域に到達するようにしたつもりです。ナンセンスの中に人間の生命への深いメッセージがあるのが、藤子さんらしさですね。僕が悪魔に相談するとしたら、子供の頃の肉体の自由さを取り戻したいかな。(笑)
5月31日(水)午後10:45~ 「定年退食」


加藤 茶さん
「定年退食」/おじいさん 役
この原作はまるで現代版「楢山節考」ですね。50年前にこの未来を見通していたってすごいな、と思いました。今回は、原作マンガに寄せてハゲヅラかぶったほうがいいかな、とも思ったけど、やめました。(笑) 実は僕は真面目な役でドラマに主演するのはこれが初めてなので、この作品では、僕の真面目な部分、あまりふだん見せていない部分を見てほしいな、と思います。売れない時代にジャズ喫茶で出会って以来の友人・(井上)順ちゃんと共演できて、幸せでした。二人で演じるのは恐らく「かくし芸」以来。またいろいろ共演したいです。

井上 順さん
「定年退食」/吹山 役
撮影はとにかく楽しかったです。高齢社会とは言えいつお迎えが来るかもしれないこの時期に、大好きなカトちゃんが醸し出す温かさや安堵感の中に一緒に過ごした時間は、人生の貴重なオマケのようでした。藤子・F・不二雄先生が50年前に描いた未来はブラックですが、「人とのつながりを失っちゃいけない」というのがメッセージだと思います。演じた役・吹山も、良いオツマミとなれば幸いです。どこでもドアとかタケコプターとかいろいろ夢を与えてくれた藤子先生だけど、現場では、アンキパンが一番欲しかったなぁ。(笑)
6月1日(木)午後10:45~ 「テレパ椎」


水上恒司さん
「テレパ椎」/鳥留梨男 役
ここ数ヶ月間、今回の作品とは全く関係無く、藤子・F・不二雄さんの異色短編集と出会い、その世界観と作品の密度の濃さに魅了されていました。そこに今回のお話を頂き、不思議なご縁を感じるとともにむだなことは無いなと思うばかりです。さて、今回の鳥留梨男は私自身、初めて原作に忠実に芝居を重ねて参りました。こんなにも原作のスケールが大きくなると緊張感がすさまじかったです。時がたっても風化せず常に時代に問いかける力を持つ藤子・F・不二雄さんの『テレパ椎』楽しんでご覧ください。きっと、あなたもテレパ椎を持っているはず。
6月5日(月)午後10:45~ 「昨日のおれは今日の敵」


塚地武雅さん
「昨日のおれは今日の敵」
漫画原作であり、何より敬愛する藤子・F・不二雄先生の作品なので、まず見た目から似せたい!というところから始まりました。ご存知の方には似てる! と評判。ところがせりふ覚えが大変! ほとんど1人しゃべりの27ページ。(締め切りに追われているのに寝てしまう)主人公と同じく途中で諦めて寝てしまう夜もあり…。笑。なので役作りはバッチリ! 撮影時は台本、漫画を照らし合わせてと2倍の労力。コマや吹き出しに合わせるところ、でも現代に設定を変えているのと感情の言葉として変えた方が良いところ。そんなバランスも考えながら演じました。大変だった分、達成感もひとしお。忘れられない作品になりました。
6月6日(火)午後10:45~ 「親子とりかえばや」


吹越 満さん
「親子とりかえばや」/相良鉄男 役
親子が入れ替わるという楽しいファンタジーですがちょっと怖い話でもありますね。自分自身の19歳くらいのことを思い出しつつ演じればよかったので、当時のテキトー感を出すのはやりやすかったです。今もテキトーですからね。(笑)父親を演じなくてはならなかった青木君のほうが大変だったと思います。若い人と一緒に仕事をするといつも羨ましいと思いますが、いざもう一回若者をやり直したいかというと躊躇しそうです。今回はカラオケで、ふだんは歌わない若い世代の歌を歌ったのですが、ものすごく聴きこんで練習しました。そのシーンはぜひ注目していただきたいです。

青木 柚さん
「親子とりかえばや」/相良甚六 役
遊び心に溢れた藤子・F・不二雄先生の描く世界。
独創的かつ普遍的で、いつの時代にも通じるような人情が詰まっている短編集に携わることができ、光栄に思います。自分が演じた甚六と同じように、身体の入れ替わりに戸惑いながらも、もどかしくて愛らしい親子の距離感を大事に撮影しました。現実離れしている展開でも、不思議といろいろな世代の方が思いを重ねられるような、ユニークでじんわり温かい作品です。ぜひご覧ください。

望月 歩さん
「親子とりかえばや」/亀田佐吉 役
父親の部下の亀田佐吉を演じさせていただきました。子供の頃から触れてきた藤子・F・不二雄先生の世界に携わらせてもらえることが幸せでした。この短編の原作は初めて見たのですが、もし自分に同じことが起きたら、きっと「今を大事にしよう」と思うんだろうなと想像しながら、自分の役を大切に演じました。親子の関係性が魅力的な作品ですので、ご家族で観ていただけると嬉しいです。
6月7日(水)午後10:45~ 「流血鬼 前編」
6月8日(木)午後10:45~ 「流血鬼 後編」


金子大地さん
「流血鬼」
今回お話をいただいて初めて原作を読みました。今の世界にすごくリンクしていて不気味でヒリヒリするのですが、とてもおもしろくて一瞬で読んでしまいました。僕が演じた少年はオカルトや吸血鬼伝説を信じていて、周りの人たちに「何言ってんだよ」と言われるのですが、それがだんだん現実になっていきます。自分自身ももしかしたら都市伝説が現実になることもあるのではないかと思うときがあるので、少年の気持ちは想像しやすい部分が多々ありました。原作を読まれた方にはものすごく再現度の高いドラマになっていると思いますので楽しんでいただけたらうれしいです。

堀田真由さん
「流血鬼」
少女Aを演じさせていただきました。衣装合わせの段階から原作に忠実に藤子・F・不二雄さんの世界観溢れるキャラクターを作り上げていくことがとても楽しくてしかたありませんでした。ある人から見れば正しいことも違う人にとっては悪である。物の見方、それぞれの価値観を、今現在を生きる私たちに問われた作品だと思います。私自身これまでにお見せしたことのない姿にも挑戦しているのでぜひ、放送を楽しみにしていてくださると幸いです。

加藤清史郎さん
「流血鬼」
子供の頃から読んだり、観たり、ミュージアムに行ったりして触れてきた藤子・F・不二雄先生の作品に携われることが、何より嬉しかったです。『流血鬼』は、SFチックなお話ではありますが、40年以上前に描かれたものにも関わらず、それはよく考えてみれば、我々が生きる現代の生活にも起こりうると思える、あくまで"すこし・ふしぎ"な作品です。正義と不義は表裏一体。吸血鬼と流血鬼に午後サバイバルを、どうぞお楽しみ下さい。
2023年、藤子・F・不二雄生誕90周年の年に、笑い、涙、驚き、恐怖、さまざまな感情に揺さぶられる「少し不思議」なエンターテインメントをお楽しみください!
「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」
【放送予定・出演者など】
(月)~(木)午後10:45~11:00 同じ週の(金)午後11:45~ 4話一挙再放送


『おれ、夕子』(脚本・演出 山戸結希)
5月29日(月)午後10:45~11:00
再6月2日(金)午後11:45~12:00
鈴木 福/田牧そら 柴崎楓雅/藤井夏恋 池村碧彩/山本耕史

『メフィスト惨歌』(脚本・演出 宇野丈良)
5月30日(火)午後10:45~11:00
再6月3日(土)0:00~00:15(金曜深夜)
又吉直樹/鈴木 杏/武内駿輔、渡辺 哲、大方斐紗子/大和田伸也/遠藤憲一

『定年退食』(脚本・演出 宇野丈良)
5月31日(水)午後10:45~11:00
再6月3日(土)0:15~00:30(金曜深夜)
加藤 茶/井上 順/山崎 潤、原扶貴子、池田鉄洋/中山翔貴、白鳥紗良、神谷圭介、吉田正幸、小出圭祐、上原りさ、山崎あみ/三ツ矢雄二、ベンガル

『テレパ椎』(脚本 本多アシタ・演出 倉本美津留)
6月1日(木)午後10:45~11:00
再6月3日(土)0:30~00:45(金曜深夜)
水上恒司/坂口涼太郎、北 香那/岡崎体育、富田望生/やついいちろう

『昨日のおれは今日の敵』(脚本・演出 家次 勲)
6月5日(月)午後10:45~11:00
再6月9日(金)午後11:45~12:00
塚地武雅/高橋 努、アベラヒデノブ、宮下かな子、本多 力

『親子とりかえばや』(脚本・演出 松本壮史)
6月6日(火)午後10:45~11:00
再6月10日(土)0:00~0:15(金曜深夜)
青木 柚 吹越 満/横田真悠 望月 歩/宮田早苗 霧島れいか

『流血鬼 前編』(脚本・演出 有働佳史)
6月7日(水)午後10:45~11:00
再6月10日(土)0:00~0:15(金曜深夜)
金子大地/堀田真由、加藤清史郎/福山翔大、宮崎吐夢、片岡礼子、宮川一朗太
『流血鬼 後編』(脚本・演出 有働佳史)
6月8日(木)午後10:45~11:00
再6月10日(土)0:30~0:45(金曜深夜)
金子大地/堀田真由、加藤清史郎/福山翔大、宮崎吐夢、片岡礼子、宮川一朗太
※BSプレミアム/BS4Kでは6月4日(日)から「箱舟はいっぱい」「どことなくなんとなく」「イヤなイヤなイヤな奴(前後編)」を放送します。
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