動物の体のフシギや進化を‟人間ドック”さながらに徹底調査!

アニマルドック ~キリンの体と進化のフシギ~

5月4日(木・祝)[総合]午後7:57~8:52


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放送から1週間は見逃し配信をします(NHKプラス)

ここはアニマルドックと名付けられた、あらゆる動物のデータが集まる研究機関。

人間の体をすみずみまで調べる「人間ドック」さながらに、「動物の体のフシギ」を徹底的に調査するのがアニマルドックの使命なのだ!

今回のテーマは、長~い首が特徴のキリン。元・日本テレビアナウンサーで現在は同志社大学助教の桝 太一さんを中心に、研究員の土屋礼央さん、岡田結実ゆいさん、村山輝星きらりさんが疑問だらけのキリンの秘密をひも解いていきます。

「キリンの首はどうして長い?」「なぜあんな巨体を維持できるの!?」

そんな素朴な疑問をきっかけに、動物の体のフシギや進化を楽しく学べる新しいスタイルの動物番組が登場! あらゆる動物のデータが集まる研究機関「アニマルドック」で、フシギに満ちた動物の体を隅々まで徹底的に調べます。

疑問① キリンは一体どうやって頭まで血液を送っているの?

キリンは陸上で最も背が高い動物と言われており、頭を上げると高さ5メートルを超えることも! しかし、一体どうやって長~い首の先にある頭まで血液を送っているのでしょうか? その疑問を解明するため秋田市大森山動物園の協力でキリンの血圧を測定。さらに、CTスキャンを使って心臓の構造を深掘りしてみると、驚くべき秘密が明らかに!?

人間が使う血圧計で、飼育員の柴田典弘さんが血圧を測定。果たして、身体のどの部分で測定するのでしょうか?
「血液を押し出すポンプである心臓の仕組みはどうなってるの?」という更なる疑問を解き明かすため、キリンの生態に詳しい専門家・郡司芽久さんも調査に参加。CTスキャンでキリンの心臓の厚さを調べてみると……!?

疑問② キリンの舌や顔はどうしてこんなに長いの?

黒くてベロ~ンと長い舌を出してニンジンを食べようとしているキリン。その食べ方に注目!

首だけでなく舌や顔が長いのもキリンの特徴。進化の謎を深掘りしていくと、そのヒントは彼らの食事に隠されていました。そもそも、キリンはどんな食べ物をどのように食べているのかな?

もともと、アフリカの草原地帯で暮らしていたキリンは、木の葉が大好物。枝やトゲを避けながら葉っぱだけを食べるのに役立つ驚きの機能とは!?

“主任研究員”として番組をナビゲートする、元・日本テレビアナウンサーで現在は同志社大学助教の桝 太一さん。

大学時代は海の生物を研究し、動物の体のフシギに疑問を抱き続けてきたという桝さんに、番組の見どころや疑問を持つ大切さについて語ってもらいました。

桝 太一 インタビュー

――初めてNHKの自然・科学番組に出演されてのご感想はいかがでしたか?

子どものころからNHKの科学や動物の番組が好きだったのがきっかけとなって理系の道へ進み、大学院修了を控えて就職活動をしていたころは、自分もそうした番組に携わりたいという気持ちが強かったんです。ですからこの番組のお話をいただいてすごくうれしかったですね。その分、影響力の大きさも分かっているので、自分が伝える側に回れるだろうかという不安や責任の重さも感じました。ただ、企画段階から携わらせていただき、番組の意図をしっかり理解できたので、自分が何をどう伝えればいいのかという役割を咀嚼そしゃくして収録に臨むことができたと思います。

――人間ドックのように、動物の体の隅々まで調べるというコンセプトが斬新で楽しいですね。動物の体の仕組みや進化のフシギを魅力的に伝えるために特に意識された点を教えてください。

キリンはもともとアフリカに生息している動物なので、日本人にとっては遠い世界の生き物ですよね。興味を持って掘り下げようとしなければ、一生触れ合うこともないかもしれない。でも、実はその裏側には人間にも通じる進化の道筋があるということを、まずは知ってもらうきっかけになればいいなと思うんです。ですから、人間とキリンの体の仕組みを比べてみたり、自分たちの身近にあるものに置き換えて考えてみたりして、なるべく広く興味を持ってもらえるようわかりやすく伝えたいということはスタッフの皆さんと話し合いました。

生まれたばかりのキリンの鳴き声も大公開。そういえば、なぜキリンはふだん鳴かないのかな?

――1つの疑問から、次々に新たな疑問が湧いてきてワクワクしました!

僕は今、大学でマスメディアを使ったサイエンスコミュニケーションの分野を研究していて、特にテレビがどういう役割を果たすべきかという点に着目しています。まさにデータを集めている段階なので、あくまでもこれは僕の仮説なのですが、浅く広く伝えられるのがテレビの利点だと考えているんです。つまり、科学にまつわる知識を深く追求したいと思っている人よりも、疑問や課題についてあまり意識していない人にこそ、テレビを通して伝えられることがあるんじゃないかなと。

だからといって、こちらが調べた豆知識をただ並べて紹介する番組では大事なことが伝わらないと思うんですよね。大切なのは、知識を得る前に自ら“疑問を立てる力”を持つこと。みんなが当たり前だと思ってスルーしていることにどれだけ疑問を抱き、堀り下げていけるかというのがこの番組のポイントです。

「何で足じゃなくて首が伸びたんだろう?」「どうしてキリンは斑点模様なんだろう?」と、研究員たちからは素ぼくな疑問が続々。

キリンの首が長いのは当たり前のことだと思っている方が多いかもしれませんが、子どものころ「どうしてだろう?」と疑問に思いませんでしたか? でも、大人になるにつれて、自然と当たり前のこととして疑問を持たなくなり、子どもに「なぜ?」と聞かれても答えられないという人が増えている気がします。そこの部分を埋めようというのがこの番組のコンセプトです。

ですから、スタジオではこれでもかというくらい「なんでだろう?」という姿勢を前面に押し出しながら進行しました。うるさいと感じられるかもしれませんが、そう思っていただけたらむしろ大成功。「そういえば、なんでだろう?」という皆さんの疑問の導火線になれば願ったり叶ったりです。

――ちなみに、桝さんがいちばんフシギだなと思われる動物は?

それはもうたくさんあります! でも、その中で1つ挙げるとすれば、クジラでしょうか。そもそも、なぜ一度陸に上がってから再び海に戻ったのか? マッコウクジラは潜水時間が長いことで知られていますが、苦しくないのか? 赤血球はどうなってるのか? クジラって疑問の宝庫なんですよね。クジラに限らずどんな生き物も、じっくり見てみると疑問だらけです。そんなふうに、疑問を持ちながらお子さんとの会話を楽しんだり、さまざまな動物に興味を持っていただくきっかけになれば幸いです。


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