2024年 大河ドラマ「光る君へ」新たな出演者を発表します。
2月、3月の発表に続いて、紫式部や藤原道長を取り巻く個性豊かな面々を演じる、新たな出演者の皆さんです。放送は来年1月からです。どうぞお楽しみに!
躍動せよ!平安の女たち男たち!
創造と想像の翼をはためかせた女性
紫式部
大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期に、のちに世界最古の長編小説といわれる「源氏物語」を生み出した、紫式部の人生を描きます。武家台頭の時代を目前に、華やかにひらいた平安文化の花。きらびやかな平安貴族の世界と、懸命に生きて書いて愛した女性の一生に挑戦する大河ドラマです。

藤原定子
ふじわらのさだこ
高畑充希
たかはた・みつき
道隆の長女。一家の繁栄を願う父の思いを一身に負い、年下の一条天皇に入内する。清少納言らが集う、才気にあふれたサロンを作り上げ、一条天皇の最愛の妃となるが、悲運に見舞われる。
高畑充希さんコメント
華やか、知的、愛され気質。藤原定子、という女性を調べれば調べるほど、プレッシャーが私の肩に重くのしかかってきています(笑)。
でも、それと同時に、調べれば調べるほど、彼女に魅了されている自分も居ます。ドラマの中で長い期間彼女を演じさせていただけることで、私自身も明るい方向へと引き上げてもらえるような、そんな予感がしています。
清少納言との密なやり取りもとても楽しみなので、いま偶然違う作品でご一緒できているウイカさんと、今から密に関係性を作っていけたら。

藤原彰子
ふじわらのあきこ
見上 愛
みかみ・あい
道長の長女。幼いうちに一条天皇に入内し、定子と競う立場となる。紫式部(まひろ)は才を見込まれ、彰子のもとに宮中女房として出仕する。彰子は、一条天皇にふさわしい妃になろうと努力を重ねる。
見上 愛さんコメント
彰子は、可愛らしい姫のころ入内し87歳まで生きて、政治上のゴッドマザーとも呼ばれる存在になっていった人物です。時には父親の意見にも反対し、紫式部とは師弟関係を超えて友情に近いものを築きました。優しさと誠実さを持ち合わせた、聡明な女性という印象です。1000年前の空気を感じながら精いっぱい演じられたら、と思います。
大石先生の紡いだ言葉を、すばらしいキャストの皆さまと交わせる日が楽しみでしかたありません。

藤原伊周
ふじわらのこれちか
三浦翔平
みうら・しょうへい
道隆の嫡男。才色兼備の自信家の青年。若くして、父の引き立てによりスピード出世を果たす。父亡きあとは、妹の定子への一条天皇の寵愛を頼りに、道長と火花を散らすライバルとなる。
三浦翔平さんコメント
伊周は、直情的な一面や、人に取り入ることが苦手な不器用な部分もあり、光源氏とはよもやといわれるような貴公子ではありますが、どこか人間的な弱さがあるような印象です。
道長たちとの政権抗争に身を投じ、追い込まれていくさまをどのように演じていくか、大石先生の描く伊周をしっかりイメージして演じていきたいと思います。

藤原隆家
ふじわらのたかいえ
永山絢斗
ながやま・けんと
伊周、定子の弟。兄と同じく、道長との闘いの末、一家没落の憂き目を見るが、冷静かつ闊達な性格で乗りこえていく。のちに大宰府に赴任し、大陸から攻めてきた刀伊と対峙することに。
永山絢斗さんコメント
藤原道長の甥、藤原隆家を演じさせてもらうことになりました。
平安時代なんて初めてですし、めったに生きることはできないので、長丁場の撮影になりますが、最後まで強い気持ちで参加しようと思います。煌びやかなセットや衣装、今回は弓や乗馬の稽古もあるので楽しみでしかたありません。皆様の記憶に残るような大河ドラマになるように尽力いたします。

円融天皇
えんゆうてんのう
坂東巳之助
ばんどう・みのすけ
64代天皇。道長の姉・詮子が入内し、懐仁(のちの一条天皇)をもうける。道長の父・兼家は、孫の懐仁を一日も早く天皇とし、外祖父として権力を握ろうとする。譲位を勧められた円融天皇は悩むことに。
坂東巳之助さんコメント
光栄にも円融天皇のお役を勤めさせていただきます。
私が日頃立たせていただいている歌舞伎の舞台をはじめとして、物語のなかの天皇というのは時代の象徴として描かれることが多いように思います。しかし、歴代天皇お一人お一人に当然のことながら一人の人間としての人生・ドラマがあったわけですし、今回脚本を読ませていただいてそういった部分に重点を置いて描かれる印象を受けました。
人間としての円融天皇の姿を描き出せるよう精いっぱい勤めたいと思います。

花山天皇(師貞)
かざんてんのう(もろさだ)
本郷奏多
ほんごう・かなた
65代天皇。東宮(皇太子)のころから、紫式部(まひろ)の父・為時による漢籍の指南を受ける。即位後、兼家の孫である懐仁が東宮となったために、早々の譲位を画策され、大事件が起きる。
本郷奏多さんコメント
花山天皇という役を演じさせていただきます。
変わりものである印象も受けますが、若いながらも積極的でおもしろいキャラクターだと感じました。
波乱万丈な人生を生きた人物であるため、さまざまな状況や立場を演じることでしょう。いろいろな表情を見せられるよう、楽しみながら演じたいと思います。
相関図

◆作・大石 静 コメント
〈高畑充希さん=藤原定子〉
高畑充希さんは、今乗りに乗っている女優さんで、ご一緒出来てうれしいです。夫・一条天皇への愛と、一族の隆盛の一翼を担う使命に引き裂かれる定子を、きっとリリカルに演じてくれるでしょう。楽しみしかないです。
〈見上 愛さん=藤原彰子〉
新人なのに“華”と“押し出し”がスゴイ女優さんです。紫式部の影響を受けつつゆっくりと自我を確立する彰子という難しい役ですが、きっと見事にやってのけると思います。
〈三浦翔平さん=藤原伊周〉
父親がもう少し長く生きていたら、間違いなく政権の頂点に上り詰めていたであろう伊周の、不運ではかない生涯を、華麗にいたましく演じてくれるでしょう。三浦さんとは何度もご一緒していますが、今回は今までのイメージをくつがえす新しい顔を見せて欲しいです。
〈永山絢斗さん=藤原隆家〉
何でも出来る名優です。今回は激しい感じが見たいですね。無茶苦茶に炸裂する永山さんが出るように書きたいと思っています。兄・伊周とは対照的な隆家を、どんな風に演じてくれるか楽しみです。
〈坂東巳之助さん=円融天皇〉
歌舞伎役者ならではの美しい立ち居振る舞いで、円融天皇の誇り高さと孤独を、どういう風に演じてくれるか楽しみです。友人でもあり、もっとも尊敬する役者さんだったお父様、亡き坂東三津五郎さんに、巳之助さんもオオイシも褒めてもらえるよう、一緒に頑張りたいです。
〈本郷奏多さん=花山天皇〉
花山天皇は女好きなうつけとも言われますが、理想の治世を打ち出した果敢な天皇であったともいわれます。その落差を、本郷さんに思い切り演じて欲しいです。
【題字】根本 知(ねもと・さとし)


根本 知さんコメント
「光る君へ」は、漢字とかな文字が交互に並ぶタイトルです。紫式部と藤原道長、両者の想いが入り混じり、それでいて互いに感化し合うような、そんな印象の題字を書きたいと思いました。日本書道の魅力の一つに「流れ」の美しさが挙げられます。文字だけでなく、文字と文字の間にも流れが感じられるよう、何度も筆をとりました。ドラマでは、書道指導も担当します。平安時代の書に向き合える喜びとともに、身の引き締まる思いです。
<プロフィール>
博士(書道学)。大東文化大学大学院博士課程修了(2013)。大東文化大学や立正大学、相模女子大学などで教鞭を執るかたわら、腕時計ブランド「Grand Seiko」への作品提供(2018)やNYでの個展開催(2019)など創作活動も多岐にわたる。無料WEB連載「ひとうたの茶席」(2020〜)では茶の湯へとつながる和歌の思想について解説、および作品を制作。また、近著に「書の風流 ー 近代藝術家の美学 ー」(2021、春陽堂書店)がある。
◆制作統括・内田ゆき コメント
題字の発表にあたって
「光る君へ」出演者への書道指導を根本知先生にお願いして、最初のレッスンの日。先生の手元から生まれる柔らかく瑞々しい墨跡。そして、さわやかに、それでいて情熱的に書を語る先生のことば。全く書道の知識がない私ですが、平安の人々にとって、どんなに文字が大切なものであったかに思いを馳せ、心のうちを表す手段というだけでなく、文字そのものが宝といっていい文化であり、連綿と私たちに伝わってくれたことへ感謝する気持ちになりました。
紫式部の「光る君へ」だからこそ、題字は絶対に毛筆でいきたいと思っていました。決め手は、もちろんまず根本先生の字の美しさ、優しさ、色気。加えて、手紙に書類に、和歌に漢詩に、日記に物語にと文字を書く人たちによって紡がれるこのドラマを、ご一緒にわくわくしながら作ってくださっている安心感でした。
題字を眺めると、自在に静や動があやつられて一つの世界を描くように、文字から文字へ、かろやかにつながっていきます。なかでも私が好きなのは「光」の最後の一画。このたおやかな曲線は根本先生にしかできない、と、見るたびに感じいってしまうのです。この題字が光を発して私たちの物語のよりどころをひとつ示してくれているようで、非常にうれしく、ありがたく思っております。
2024年 大河ドラマ「光る君へ」
【放送予定】2024年1月スタート
【作】大石 静
【音楽】冬野ユミ
【語り】伊東敏恵アナウンサー
【スタッフ】
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉 慧、黛りんたろう ほか
【公式Twitter】@nhk_hikarukimie ※NHKサイトを離れます