シニア社員がイキイキと働く現場とは

コント✕ドキュメンタリー シニア戦力化大作戦

7月23日(日)[BS1]午後9:50~10:39

2021年、「高年齢者雇用促進法」が改正され、「70歳までの就業機会確保」が企業の努力義務になりました。一方、増え続ける「シニア社員」の処遇に、企業は頭を悩ませます。

「妖精さん」(会社にいるのか、いないのか不明)という新語も生まれています。
しかし、人手不足の日本企業が、シニアなしでやっていけるのか?
番組では、高齢化が進む職場の“働かないおじさん”の実例をコントドラマで描く一方で、シニアが生まれ変わり「モダンエルダー」としてイキイキ働く現場と実例を、日本各地で取材。人生100年時代の“Wellbeingな働き方”を問いかけます。

コントドラマに出演する生瀬勝久さんに、「妖精さん」のイメージなどを聞きました。また、番組の制作を担当した成瀬貴紀ディレクターによる番組の見どころを紹介します。

生瀬勝久さんコメント

シニア社員の方がイキイキと働く様子を見て、
何か感じていただけたらうれしいですね

生瀬勝久さんが60歳の“妖精”さんを演じる

働かない中高年の方を指して、「妖精さん」と呼ぶということをこの番組で初めて知りました。「妖精」という呼び名は、悪い意味だけでなく、やり方によっては働いてくれるのではないかといった可能性も含めているのかなというイメージを受けました。そこには、かつて会社を支えた人としてのリスペクトがあるのだと想像しています。

“妖精さん”として、実例をコントドラマで再現させていただきました。僕はサラリーマンを経験したことがないのですが、趣味の釣りやゴルフで知り合った方から、職場の話を聞くことがあります。「社員の上に立つのもつらい」とか、若手の方は「仕事を押しつけられることもある」など、それぞれの立場で苦労があるようです。演じる際には、そういったリアルなお話を参考にしています。

コントドラマは全3話

ドキュメントパートでは、副業を認める制度をきっかけに新しい活躍の場を見つけた方が登場します。僕も年齢を重ねるにつれ体力は落ちてきて、自分よりも動ける俳優が出てくる。それに、学生服を着ても僕が若々しい役はできない。そうなったときに自分が生きていける手はないかと考えると、趣味がどんどんマニアックになっていくんですよね。そこでの経験が仕事にフィードバックできるので、一つの場所に固執しない働き方もあるのではないかということを提示してくれる番組でもあると思います。

大谷翔平選手が二刀流で大活躍をしているけれども、僕らにとってはリアリティーがなく、彼のような実績を残すことはなかなか実現できない。けれども、大谷選手を見ることによって、何かしら感じることは絶対ありますよね。番組で紹介するシニア社員の方がイキイキと働く様子を見て、何か感じていただけたらうれしいですね。また、新たな働き方のヒントになると思うので、良い気付きを得るきっかけになればと思っています。

ここが見どころ!

番組の制作を担当した成瀬貴紀ディレクターに、番組の見どころを聞きました。

★「妖精さん」の実例をコントドラマで描く

成瀬貴紀ディレクター(以降、成瀬D)「妖精さん」とは、会社にいるのか、いないのか不明な“働かないおじさん・おばさん”を指した言葉です。ラジオ(NHK)で以前、「妖精さん」についての特集を放送したところ、非常に反響が大きかったそうです。
そこで、現在定年の年齢が徐々に引き上げられ、若手の人口も減り、ますます働かない「妖精さん」が増えるという社会の問題について、対策をとっている企業を番組で紹介しようとしたことが制作のきっかけです。

シニア社員がイキイキと働いている現場を紹介するドキュメンタリーパートに加えて、高齢化が進む職場の“働かないおじさん”の実例を描いたコントドラマで構成されています。「妖精さん」を、俳優の生瀬勝久さんに演じていただきました。プライドが高く、昔のことを引きずってなかなか変われないシニア社員を熱演していただきました。

★イキイキとしたシニア社員の特徴は

シニア社員の活躍が見られる3社を取材。シニアと若者がコンビを組み知恵を絞り成果を上げる企業や、高齢者を優先的に雇用する企業などを紹介します。

・空調機メーカー
若手とシニア社員がチームを組むという取り組みを行い、若手のアイディアとベテランの経験が掛け合わさった成功例。親子以上に年の離れた二人の成功の秘けつも紹介します。

チームを組んだベテラン職員(左)と若手のホープ(右)

・ソフトウェア開発会社
副業制度を導入したソフトウェア開発会社と、その制度をきっかけに現在、世田谷区の副区長を務めているシニアの方を取材。

前職で副業を認める制度が導入されたことをきっかけに、現在行政のデジタル化担当として、副区長に就任した男性

・板金加工会社
社員のうちシニアの割合が高い現場を取材。ミスを少なくするための設備の改善が、工場全体の品質を向上させる結果に。

シニア世代が多い企業。従業員のほとんどが製造業未経験でありながら、シニア社員がイキイキと活躍している

成瀬D:高齢化が進む現場でイキイキと働くシニア社員を取材していくと、共通するのは、「分からないことは素直に聞く」「どんなことも楽しむ」シニア社員の姿。年を取ると、経験を積んできた分だけこだわりがたくさん出てくると思いますが、取材をさせていただいた方々は、そういうものをあまり表に出さない方たちでした。フットワークが軽く、肩の力が抜けていて、楽しいということを素直に口にする。こんな50、60代になれたらいいなという見本のような人たちがたくさんいました。

★エンターテインメント性も含めた番組に

成瀬D:社会の問題を明らかにしたり指摘したりするのは、テレビの役割として大事なことですが、それだけでは暗い気持ちになってしまうので、新しい働き方を見つけるきっかけになるような番組を作りたいと思いました。
なので、生瀬さんにご出演いただいているコントドラマパートで、「おかしな番組やっているな」と思っていただきながら、社会的な問題の状況と、問題をどう対応するべきかを考えるきっかけになるような、エンターテインメント性も含めた番組にできたらいいなと思いました。

僕自身、「妖精さん」の姿やシニア社員の方で頑張っている方を見ていく中で、もっとこうすれば今の状態より良くなるなと自分のこととして見たりもしたんですね。なので、コントドラマ部分などを楽しみながらも、自分と重ね合わせて、何か感じられる場面があるといいなと思っています。

「コント✕ドキュメンタリー シニア戦力化大作戦」

【放送予定】
7月23日(日)[BS1]午後9:50~10:39

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