3代将軍・家光の時代から幕末・大政奉還にいたるまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを描いた、よしながふみの傑作コミック「大奥」。
同作を原作に、8代将軍・吉宗までの物語を描き好評だった、ドラマ10「大奥」(今年1〜3月放送)のSeason2が10月3日(火)から始まります!
吉宗の遺志を継いだ蘭方医たちが、男性だけに感染する謎の疫病「赤面疱瘡」の撲滅に立ち向かう姿とその後の物語を描く「医療編」、女将軍をはじめとした幕府の人々が“江戸城無血開城”のために奔走した幕末・大政奉還の物語を描く「幕末編」の2部構成でお届けするSeason2。
「医療編」序盤のキーパーソン・平賀源内を演じる鈴木 杏さんに、役への思いやドラマの見どころを語ってもらいました。
Season2「医療編」のあらすじ
8代将軍・徳川吉宗の死からおよそ20年後。
本草学者の平賀源内(鈴木 杏)は、吉宗公より「赤面疱瘡」の撲滅を託された田沼意次(松下奈緒)の内命を受け、蘭学の習得者探しに奔走していた。

長崎・出島で蘭方医の吾作(村雨辰剛)と出会った源内は、赤面疱瘡を解明するために大奥に入るよう誘う。大奥に入った吾作は名を青沼と改め、黒木(玉置玲央)の補佐のもと蘭学の講義を行うことに。源内と青沼は、赤面の画期的な治療法を発見するが、その行く手をいくつもの壁に阻まれる。

やがて男子の数が増え始め、家斉(中村 蒼)が150年ぶりの男将軍として就任する。
しかし、実権を母・治済(仲間由紀恵)に握られ、政治に口出しすることを許されずにいた。
なんとかもう一度、男が活躍できる世を復活させたいと願う家斉は、秘密裏にある計画を進めるが……。
平賀源内役・鈴木 杏
インタビュー
「源内たちが赤面に立ち向かっていくワクワク感、高揚感は、Season2ならではの魅力だと思います」

──最初に原作を読まれたそうですが、物語の印象や源内を演じられるにあたっての思いを聞かせてください。
最初は源内が登場するパートだけを読んでいたのですが、だんだんほかのエピソードも気になって全編を通して読んだら、すごく面白かったんです。
もし出演のオファーをいただく前に読んでいたら、恐れ多くて「やります」とは言えなかったかもしれません。
とりわけ、源内は人気のあるキャラクター。身長も高そうで男性的な顔立ちをしているので、私の容姿とはだいぶ違います。原作ファンの方に受け入れてもらえるだろうかというプレッシャーはありました。
でも、髪型やメーク、衣装などを担当するスタッフの方が創意工夫を凝らしドラマ版ならではの源内像を一生懸命作り上げてくださって、とても心強かったです。
──平賀源内といえば、これまでにもさまざまな作品で描かれてきましたが、「大奥」の源内はどんなところが魅力的なキャラクターだと捉えて演じられましたか?
原作の魅力に加え、森下佳子さんの脚本がまたすばらしいんです。物語全体に躍動感があって、源内のキャラクターがより生き生きと描かれているので、演じていてすごく楽しかったです。きっと、森下さんご自身も書いていて楽しんでいらっしゃったのではないでしょうか。

源内は、権力に迎合したり周囲の評価を気にしたりすることなく、ひたすら本草学と赤面の研究にまい進します。好奇心や探究心のためだけに猪突猛進するその姿は実に純粋で魅力的。早口でまくしたてるように話すところや、しゃべり始めたら止まらないところに、源内の明るさやチャーミングさが表れていると思うので、できるだけその個性が生きるように意識して演じました。
──青沼役の村雨辰剛さん、意次役の松下奈緒さんなど多彩なキャストも今作の見どころですね。共演された感想はいかがでしたか?
時代劇のせりふは、日本で生まれ育った私でさえ難しいと感じる言葉が多いのに、村雨さんがしっかり自分のものにして演じられていて感動しました。大変な部分もあったと思いますが、村雨さんは本当に穏やかな方で、現場がピリピリした空気になることはありませんでした。みんなが村雨さんを応援しているような一体感が生まれて、それが現場のチームワークにもつながったような気がします。原作の青沼は無骨な印象のキャラクターですが、村雨さんが演じられることで、柔らかで心優しい新たな青沼像になったと思います。

松下さんは、声のトーンや言葉の端々に知性がにじみ出ていて、意次というキャラクターに圧倒的な説得力を持たせられる方。源内は、ある意味、意次さんに惚れているというか憧れに近い感情を抱いているのですが、そこにも説得力を感じて。「もう、どこまでもついていきます!」という気持ちになるくらいすてきでした(笑)。ご一緒できて光栄です。

──最後にSeason2ならではの見どころと今後の注目ポイントを教えてください!
Season1は、将軍を巡る権力やお世継ぎの問題などを軸に物語が展開していきましたが、Season2の「医療編」のメインテーマは、ズバリ赤面疱瘡の撲滅。ほかのパートとはカラーが異なっていて、青春群像劇の要素が色濃く描かれています。源内たちが赤面に立ち向かっていくワクワク感、高揚感は、Season2ならではの魅力だと思います。
後半の「幕末編」では、江戸城無血開城に向けて奔走する大奥の人々の姿が描かれるのですが、全く別の作品に見えるくらいカラーも登場人物もガラッと変わリます。シリアスな場面も増えてきますので、ドキドキ感を味わえると思いますし、私も原作を読んでいて医療編から幕末編にかけての濃密さがすごく好きだったので、ドラマではどういう形で描かれていくのか今から放送が楽しみです。
まだ「大奥」を視聴されたことがない方にも十分楽しんでいただけると思いますので、ぜひご覧ください。
ドラマ10「大奥」Season2
【放送予定】
10月3日(火)スタート 毎週火曜
[総合・BS4K]午後10:00~10:45
【原作】よしながふみ
【脚本】森下佳子
【音楽】KOHTA YAMAMOTO
【主題歌】Aimer「白色蜉蝣」
【出演】
〈医療編〉鈴木 杏、玉置玲央、村雨辰剛/中村 蒼、蓮佛美沙子/松下奈緒、仲間由紀恵 ほか
〈幕末編〉古川雄大、愛希れいか、瀧内公美/岸井ゆきの、志田彩良/福士蒼汰 ほか