草彅 剛主演!手話通訳士が殺人事件の謎に迫る社会派ミステリー

ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」

◉すべてのセリフに字幕をつけて放送
前編「記憶の中の少女」
12月16日(土)[総合・BSP4K]午後10:00~11:13
後編「もうひとつの家族」
12月23日(土)[総合・BSP4K]午後10:00~11:13

◉すべてのセリフに手話をつけて放送
前編 2月4日(日)[Eテレ]午後3:45〜4:58
後編 2月11日(日・祝)[Eテレ]午後3:45〜4:58

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放送から1週間は見逃し配信をします(NHKプラス)

耳が聞こえない親や聞こえにくい親を持つ「聞こえる」子ども、コーダ【CODA】(Children of Deaf Adultsの略)。
ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」は、コーダゆえの孤独や葛藤を抱えながらも、手話の技能を生かしてろう者に寄り添う手話通訳士を主人公に描く社会派ミステリー。法廷で手話通訳をすることになった主人公・荒井尚人が、17年前に起きたもう一つの殺人事件を巡る謎を解き明かしていきます。原作は、丸山正樹さんの人気小説シリーズの第1作。草彅 剛さんの主演で、前後編でドラマ化します。

今回初めて手話に挑戦したという草彅さんに、撮影の感想やドラマの見どころについて話を聞きました。

あらすじ

仕事と結婚に失敗した荒井尚人(草彅 剛)は、コーダであることに複雑な感情を抱えながら生きていた。しかし、交際している安斉みゆき(松本若菜)との将来を考え、唯一の技能である手話を生かして手話通訳士として働き始める。

仕事にも慣れ、新たな生活を送り始めた尚人は、法廷でろう者の通訳をすることに。さらに、法廷で尚人の通訳を見ていたNPO団体の代表・手塚瑠美(橋本 愛)から手話通訳士の専属契約を依頼される。

そんな尚人のもとを刑事の何森稔(遠藤憲一)が訪れる。最近起きた殺人事件とかつて尚人が手話通訳をした殺人事件の関連を調べるためだ。尚人は過去と現在が絡み合う、不可解な事件に巻き込まれてしまう…。

荒井尚人草彅 剛
インタビュー

ろう者の方とお芝居をしていると
タイトルどおり
『デフ・ヴォイス』が聞こえる
瞬間があるんです

──最初に台本を読まれたときの物語の印象はいかがでしたか?

出演のオファーをいただいたときに手話を題材に扱った作品だと伺っていたので、もっとストレートなヒューマンドラマなのかと思っていたんです。でも台本を読んでみたら、謎解きの要素をベースに、コーダの葛藤やろう者・難聴者の思い、家族愛などさまざまなテーマがちりばめられていて「あっ、そうじゃないんだ」と意表をつかれました。その意外性がおもしろいし、従来のミステリーとは一味違った新しいドラマになるんじゃないかなと思いました。

──尚人は、両親も兄もろう者で、家族の中では唯一の聴者。自分だけ「聞こえる」がゆえの複雑な感情をはらんだキャラクターですが、「コーダ」の役を演じる上で何か意識されたことはありましたか?

撮影に入る前に『コーダ あいのうた』という映画を見ました。ハリウッドの作品なんですけど、主人公が尚人と同じ境遇なので、その空気感を参考にできたらなと。

ただ、僕は基本的にあまり深く考えすぎずに演じたいタイプなので、コーダだから何か特別に意識して役作りしたということはなく、尚人が子どものころから抱えてきた悲しみや葛藤はすべて台本に描かれていたので、監督との間でも「こういう役にしましょう」というような細かい打ち合わせもしませんでした。

今回は監督や共演者の皆さんに引っ張っていただいた部分が大きかったですね。監督の渡辺一貴さんは、手話の練習にも立ち会い一緒に手話指導の先生と細かく打ち合わせをしてくださったりして、すごく熱心で温かい方。手話を通して尚人のキャラクターがどんどん肉づけされていきましたし、監督自身が尚人なんじゃないかと感じました。僕は荒井尚人じゃなく渡辺尚人という気持ちで演じていました(笑)。

──本作はろう者や難聴者の役を当事者の方が演じていることでも注目を集めています。当事者の方と共演されていかがでしたか?

今回は、エキストラも含めて30人近いろう者や難聴者の方と共演させていただきました。オーディションで選ばれた方の中には演技経験のない方もいらっしゃいます。当事者の方や演技経験のない方とご一緒するのは初めての経験でしたが、現場に入ると皆さんの熱量に圧倒されてグイグイ引き込まれていきました。

尚人が長年確執を抱えてきたろう者の兄・悟志(田代英忠)と対じするシーン。当事者でもある田代さんの感情豊かな演技が光る。

中でも、尚人が益岡さん(山岸信治)というろう者と食事をするシーンは強く心に残っています。益岡さんが若いころのつらい体験を手話で伝える場面なのですが、ろう者の方とお芝居をしているとタイトルどおり「デフ・ヴォイス」が聞こえる瞬間があるんです。特に山岸さんからは、すごくデフ・ヴォイスが伝わってくるので、それによって僕の心も高鳴り、尚人の感情がさらに引き出されたと思います。

言葉でなくても身ぶり手ぶりで気持ちは伝わるし、みんなで一緒の方向を向いてこの作品を作り上げようという思いでつながっていたので、撮影現場でコミュニケーションを取るのに困ったことはありませんでした。とにかく温かい現場で、みんな遊びに来ているように楽しそうにしていました。僕は手話を覚えるのに四苦八苦していたので、みんな楽しそうにしていてズルいなと羨ましくなるくらい(笑)。

──草彅さんは手話初挑戦、しかも尚人は「きれいな手話」をするという設定なので苦労されたと思います。どれくらい練習されたんですか?

手話は本当に難しかったですね。撮影期間が2か月くらいだったんですけど、その間、3人の先生に指導していただき、かなりの時間をかけて練習しました。ちょうど「ブギウギ」と並行して撮っていたので、大阪に移動する新幹線の中でもやっていましたね。やっぱり、何度も反復練習しないと頭で覚えようとしても難しいんです。先生と向かい合って練習すると向きが逆になるので混乱してしまったりして、最初はひどい出来だったんですけど、現場で先生方や共演者の皆さんに助けていただき、なんとかちゃんとコーダに見えるレベルまで形にすることができたんじゃないかなと思います。本当に皆さんに感謝です!

時には1つのシーンのために10時間以上手話の練習をしたことも。

──最後に、前編後編の注目すべきポイントを教えてください。

ミステリーなのでネタバレになってしまうとおもしろくないのでどこまで言っていいのか悩みどころですが、ズバリ前編のキーパーソンは尚人の記憶に刻まれている少女です。物語の冒頭から出てくるこの女の子が果たして誰なのか⁉︎ 前編のラストシーンで衝撃的な事実が明らかになるので、ぜひご注目いただければと思います。

草彅さんが前編のキーパーソンと語る少女。

後編は、前編で次々に浮かび上がった疑問点が一気に一つの線につながっていきます。単純に誰が犯人だろうと予想しながらご覧いただくのも楽しいと思いますし、「よくよく見てみると確かに!」みたいなことが随所に出てきますので、前編を思い返しながらぜひ照らし合わせてみてください。

また、僕としては橋本 愛さん演じる瑠美さんの美しいドレス姿が一番の見どころなんじゃないかなと思います。なんであんなに美しいんだろうと思うほどきれいだったんですよ! 瑠美さんとのシーンは、橋本さんと二人三脚で作り上げた大切なシーンなので、こちらも乞うご期待です。

<関連番組>

ハートネットTV
ドラマ「デフ・ヴォイス」舞台裏に密着 ろう・難聴・聴が集った2か月

12月13日(水)[Eテレ]午後8:00~8:29

ドラマの放送を前に、「ハートネットTV」で撮影の舞台裏を紹介します。ろう者・難聴者の役を当事者が自ら演じ、キーパーソンを担うドラマを制作するにあたって、現場ではどのように進められていたのでしょうか。手話指導を担当した、ろう者の江副悟史さん(日本ろう者劇団代表)と、コーダの米内山陽子さん(脚本家・舞台手話通訳)の取り組みや、ドラマ撮影のメイキング、草彅 剛さんと橋本 愛さんのインタビューなどをお届けします。

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ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」

【放送予定】
◉すべてのセリフに字幕をつけて放送
前編「記憶の中の少女」
12月16日(土)[総合・BSP4K]
午後10:00~11:13
後編「もうひとつの家族」
12月23日(土)[総合・BSP4K]
午後10:00~11:13

◉すべてのセリフに手話をつけて放送
前編 2月4日(日)[Eテレ]午後3:45〜4:58
後編 2月11日(日・祝)[Eテレ]午後3:45〜4:58

【原作】丸山正樹

【脚本】高橋美幸

【音楽】原 摩利彦

【手話・ろう者監修】木村晴美

【コーダ考証・手話指導】米内山陽子

【手話指導】江副悟史

【ろう者俳優コーディネート】廣川麻子

【出演】
草彅 剛、橋本 愛、松本若菜/前田亜季、和田正人、中島 歩、宮田早苗/根岸季衣、浅野和之、遠藤憲一 ほか

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