【滝藤賢一インタビュー】珍しい植物の聖地・南アフリカへ!「人生の課題も見つけました」

滝藤賢一が行く!南アフリカ珍奇植物紀行

1月2日(火)[BSP4K]午後7:30~8:59
(初回放送:[BS]2023年12/16)

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まるで石のような姿をしていたり、水を感知するとなぜか回転しながら地面に潜る種子があったり…。人智を超えるキテレツで個性的な形を見せつける「珍奇植物」の世界が今、熱い!

世にも不思議な珍奇植物を求めて、筋金入りの植物愛好家で俳優の滝藤賢一さんが南アフリカを旅します。植物の摩訶まか不思議な形や生態は、過酷な環境に耐えるためだった? 珍奇植物の聖地ともいえるこの場所で、圧倒的迫力で自生する固有種との出会いを求めて、いざ大冒険へ!

今回は、「こんな番組ほかにないと思う」と興奮気味に語る、旅人・滝藤賢一さんにインタビュー! 旅の思い出とともに、自身の学びにつながったことなども語っていただきました。

──番組のオファーを受けたときのご感想をお聞かせください。

最初はドッキリかなと思いました。「僕が植物の聖地を巡るなんて企画が本当に通ったのか!?」と思ったといいますか(笑)。南アフリカにはいつかは行きたいと思っていましたが、行きたいとはいえ距離も結構ありますし、行ったとしても目当ての植物が見られるとは限りません。だから最初は現実味を感じられませんでした。

実際、僕自身、ここまで植物が好きだといろいろ語ったり自分の集めている植物を紹介したりしてきましたが、それらの植物が自生している姿や土地は見たことがなく、井の中のかわずのように感じていました。見た目がかっこいいから、珍しいからと植物を集めていましたが、意味があってそのカタチになっているのだということを実際に見て、触って、知ることができたのはよかったです。

滝藤さんと、通称“ハーフマン”と呼ばれる植物。ハーフマンの意味とは?

──現地ではさまざまな植物と出会ったそうですが、特に印象に残った植物を教えてください。

まず、現地で自生している植物は、日本で見る「形がきれいに整っているもの」とは全く違い、ワイルドでしたね。そして生態系がものすごくおもしろかったです。印象的だったのは、メセン類のランプランタス・アモエヌス。南アフリカは、夏の時期はほとんど雨が降らないので、この植物はその間、枯れたように見せかけて種子を守っているんです。でも雨が降り出すと、種子をポロポロと落とすんですね。実験的に水を浴びせて種子が落ちる様子を見させていただきましたが、水を感知してじわじわと種子の部分が開いていくんです。本当に驚きました。

ほかにも、水をかけると種子を回転させて地面に潜るペラルゴニウムを見せていただいたり、定期的に落雷などで燃えて次々と世代交代していく、油分を含んだ「フィンボス」という木のお話も聞けたりして、すごくおもしろかったです。人間の考えでは追いつかない自然の摂理というか生き残りをかけたサバイブというか、刺激的な姿が見られて貴重な体験ばかりでした。

わずかな雨が降る冬に花々が咲き競う
石に擬態!? 絶滅危惧種、プレイオスピロス・ボルシー

──植物ガイドたちとの交流もおもしろかったと伺いました。

植物ガイドの方々は、皆さん個性的で強烈でした(笑)! 植物愛が止まらない方ばかりで、ずーっとしゃべりっぱなし。専門用語も多かったでしょうから、通訳さんが大変だったと思います。

中でも、植物ガイドをしてくださった親子が衝撃的で、いわゆる「雑草」と分類されている種類を研究していました。親と同じものに子どもが興味を持っている姿も、僕としてはものすごく衝撃的でしたね。うちの子どもたちは、誰も植物に興味ないですから(笑)。小さいころから家の裏には山があって、一緒に行って生態系とか植物が持つ意味とかを教えていたら、そりゃ子どもはおもしろがってくれますよ。子どもの育て方もすごく勉強になりましたね。

滝藤さんとポリゴナ

──“植物を巡る学び”は、ほかにもありましたか?

ある植物ガイドの方に案内された場所は、植物の盗掘現場でした。僕みたいにほしい人がいるから現地で盗む人がいるという現実も、今回の旅で知ることができたのはよかったです。生態系を崩してしまうと僕らも園芸を楽しめなくなってしまいます。いまだに起こっているこの悪循環。それを伝えられる立場、または植物を守るプロジェクトに関われるようになることが僕の残りの人生の課題でもあるのかなと、勝手にですが思いましたね。

──たくさんの経験や学びを得られたようですが、帰国後、自宅の植物を見る目は変わりましたか?

変わりましたね! 圧倒的に! 現地と同じような環境を作るため、大小合わせて600鉢ほどを直射日光が当たる場所に移動したのですが、いや~全部の移動は大変でした(笑)。植え替えもしたんです。ただ真ん中に置いていたものをずらしたり、石を置いてみたり。なるべく現地と同じようにと、夢中でやっていますよ。

「極楽鳥花」と呼ばれるストレリチア・ユンケアを見つけた滝藤さん

──改めて、今回の旅を振り返りながら視聴者の皆さまへのメッセージをお願いします!

マニアな方々には園芸と自生植物のバランスを考えてほしいなと思います。単純に、南アフリカは野生動物やダイヤモンドだけでなく、植物もすごいんだぞということが、ご覧になる方々にも伝わるといいですよね。今回の旅は、移動のためにかなりの時間、車に乗りましたが、どこを走ってもすばらしい景色ばかりでした。そんな景色と植物のおもしろさをお楽しみいただきたいです!

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