光源氏が愛した8人の女君(おんなぎみ)を矢作兼と女性ゲストが深掘り

趣味どきっ!「源氏物語の女君たち」(全8回)

2月7日(水)から毎週水曜[Eテレ]午後9:30~9:55
再放送翌週水曜[Eテレ]午後0:15〜0:40

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放送から1週間は見逃し配信をします(NHKプラス)

シリーズごとにさまざまな趣味を紹介する番組「趣味どきっ!」。
2月7日(水)から始まる8回シリーズ「源氏物語の女君おんなぎみたち」では、古典ロマンスの最高傑作『源氏物語』の魅力を、物語のキーパーソンとなる8人の女君の生き方を切り口に紹介します。

講師は、平安文学を研究する清泉女子大学文学部教授の藤井由紀子さん。わかりやすく楽しい藤井教授の講義をもとにした特別授業を行い、おぎやはぎの矢作兼さんと女性ゲストたちが大学生といっしょに『源氏物語』の楽しみ方を学んでいきます。

藤井教授の解説を交え、番組の見どころを紹介。矢作さんからのメッセージもお届けします。

『源氏物語』とは?

平安時代中期、紫式部によって創作された長編物語。帝と身分の高くない更衣こういとの間に生まれた光源氏を主人公に、宮廷での恋愛模様や権力闘争などを絡め、その栄枯盛衰を描く。全54じょうで構成され、1部では光源氏の誕生から栄華を極めるまで、2部では光源氏の晩年の人生を、3部では光源氏の子や孫の代の物語が展開する。

『源氏物語』の楽しみ方①
個性豊かなキャラクターが勢ぞろい!“推し”を見つけて楽しもう

藤井教授 解説

古典の物語作品はキャラクターのみ分けがあまり明確でないものが多いのですが、『源氏物語』は、登場人物1人1人の個性を緻密に描き分けているので、キャラクターが重複しないんです。光源氏を取り巻く女君たちは、立場も性格もさまざま。きっと、誰かしら共感できるキャラクターが出てくると思うので、「私はこの女君が好き」という感じで“推し”を見つけて読み解いていくのも楽しいですよ。

複雑に絡み合う人間模様を藤井教授がわかりやすく解説。

今回のシリーズでは、光源氏を主人公に描いた正編(1部と2部)に登場する8人の女君のキャラクターを深掘りしていきますが、話の流れに沿って紹介していくので、1回から順に見てもらうと正編のストーリーの大体の流れが分かります。『源氏物語』は54帖もある長編ですし、登場人物も多くて人間関係が複雑なんですよね。でも、今回深掘りするのは、いずれも物語の要所で肝となる女君ばかりなので、とりあえずこの8人のキャラクターの背景を知っておけば大丈夫! 8回通してご覧いただくと『源氏物語』の神髄みたいなところをわかっていただけると思います。

◆光源氏が愛した8人の女君はこんな女性
①藤壺の宮

光源氏の父・桐壺帝きりつぼていのもとに入内じゅだいし、のちに中宮ちゅうぐうとなる。光源氏に恋慕われ密通し、懐妊してしまう。

②紫の上

10歳で光源氏に見初められ二条院に引き取られる。やがて光源氏にとってかけがえのない存在に。

③葵の上

光源氏の最初の正妻。愛のない結婚生活の末、10年目にして懐妊するが、産後に命を落とす。

六条御息所ろくじょうのみやすどころ

桐壺帝の弟のきさき。光源氏と密通し、嫉妬に狂い、生き霊となって葵の上を襲う。

朧月夜おぼろづきよの君

光源氏の兄・朱雀帝すざくてい女御にょうごとして入内予定だったのに、光源氏と一夜を過ごしてしまう。

⑥朝顔の君

桐壺帝の弟の娘。光源氏を慕いながらも求愛を拒み、男性に頼らず生きる道を選ぶ。

⑦明石の君

播磨の前国司・明石入道の娘。明石に来た光源氏と結ばれ懐妊。娘はやがて中宮となる。

⑧女三の宮

朱雀院の娘。14〜15歳で光源氏の2番目の正妻となる。

『源氏物語』の楽しみ方②
千年前の女性たちの生き方に自分を重ねてみよう

藤井教授 解説

古典を読む意義は、習俗や文化など現代との違いを知ると同時に、人間の心理など普遍的に変わらない部分に思いを巡らせることだとも思うんです。『源氏物語』には、現代の私たちの生き方に照らし合わせることのできる普遍的な営みがちりばめられています。だから、作中で起こる事件にドキドキするし、「私だったらどうするだろう?」と自分を重ねながら物語の世界に浸ることができる。それが『源氏物語』を読む醍醐味だいごみの一つです。

収録が行われたのは清泉女子大学。現役の大学生も参加し、女君たちの生き方について考えます。

千年前も、『源氏物語』を夢中になって読んでいたいちばんの読者は、おそらく若い女性だったと思うんです。
ふだん大学で講義をする際は、学生たちがより共感しながら学べるようにできるだけ現代の感覚を大事にしながら解説しています。最初から原文を読もうとしても難しいし、「古典だから」と大上段に構えて説明しても響かないですからね。

講談師・神田 蘭さんによる講談で、物語の背景を紹介するコーナーも。

今回の特別授業でも、講談を取り入れたり、ゲストの皆さんからのツッコミも交えながら、親しみやすい形で視聴者の皆さんに『源氏物語』の世界に触れていただけるよう工夫しました。ふだんは20歳前後の学生たちを教えていますが、司会の矢作さんをはじめ、各回のゲストの皆さんが人生経験豊富な方ばかりだったので、皆さんの感想やご意見を伺いとても勉強になりました。

藤井教授から一言

『源氏物語』が千年もの間読み継がれているのは、シンプルにおもしろいから。古典は難しいイメージがあるかもしれませんが、食わず嫌いで終わるのはもったいない作品なので、まずは入門編としてこの番組をご覧いただき、「意外とおいしい!」と感じていただけるとうれしいです。ちなみに、大河ドラマ「光る君へ」をきっかけに紫式部や平安時代について興味を持たれた方もいらっしゃると思いますが、『源氏物語』の内容が分かると、ドラマがよりおもしろくなりますよ。ドラマの中で「あっ、このエピソードは『源氏物語』のあの場面につながるのかな」というシーンが描かれていたので、ぜひ、想像の世界を広げながらお楽しみいただければと思います。

司会ゲスト
矢作 兼さんからメッセージ

『源氏物語』についてほとんど知らなかったんですけど、現代で描かれている恋愛物語の要素がぜんぶ入ってるんじゃないの!?というくらい、いろいろなパターンがあっておもしろかったですね。千年前と現代はまったく違う時代なのに、恋愛はどの時代も同じなんだなと感じました。

またキャラクター設定がしっかりしていて、紫式部はすごい。「こういう人が出てくるなら、こんなキャラが邪魔しに入ってもおもしろいですね」なんて言いながら助手として参加してみたいですね(笑)。藤井先生から「こういう場面もあるんですよ」と教えていただいて、もっと深くストーリーを追ってみたくなりましたし。

男性の出演者は僕1人なので、一応、光源氏の代弁者としてやらせてもらっているんですけど、光源氏の代わりに何か発言するというのはなかなか荷が重いですね(笑)。

放送ラインナップを一挙紹介

第1回「藤壺の宮」(2月7日放送)ゲスト・峯岸みなみ、松田ゆう姫

第2回「紫の上(前編)」(2月14日放送)ゲスト・峯岸みなみ、松田ゆう姫

第3回「葵の上」(2月21日放送)ゲスト・ベッキー、はるな愛

第4回「六条御息所」(2月28日放送)ゲスト・ベッキー、はるな愛

第5回「朧月夜の君・朝顔の君」(3月6日放送)ゲスト・藤本美貴、近藤春菜

第6回「明石の君」(3月13日放送)ゲスト・藤本美貴、近藤春菜

第7回「女三の宮」(3月20日放送)ゲスト・真琴つばさ、峯岸みなみ

第8回「紫の上(後編)」(3月27日放送)ゲスト・真琴つばさ、峯岸みなみ

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