母国を愛する若者がなぜ、国家機密を暴いたのか?

スノーデン【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

2月12日(月・休)[BS]午後1:00〜3:15

今回ご紹介するのは、実話を基にした衝撃の社会派ドラマです。

2013年6月、香港のホテルで、イギリスの新聞コラムニストとドキュメンタリー作家がある青年と対面します。青年はNSA(米国家安全保障局)の職員、エドワード・スノーデン。スノーデンはアメリカ政府が対テロ諜報活動の名目で世界中のメールやチャット、SNSを監視し、膨大な情報を収集していると語り始めます。母国を愛する平凡な若者だったスノーデンが、なぜ重大な告発をしたのか…。

世界を震撼しんかんさせたエドワード・スノーデンの内部告発。映画化したのはアメリカきっての社会派、オリバー・ストーン監督です。1946年生まれのストーン監督は、ベトナム戦争での激烈な実体験を基にした「プラトーン」(1986)でアカデミー作品賞・監督賞を受賞しました。トム・クルーズがベトナム帰還兵を熱演した「7月4日に生まれて」(1989)で2度目のアカデミー監督賞を受賞。さらに、ケネディ大統領暗殺事件を題材にした「JFK」(1991)など、エンターテインメントでありながら、アメリカという国家と民主主義に対して鋭く問題を提起する作品を発表してきました。スノーデン本人と直接会ったうえで、映画化を決定したというストーン監督は、綿密な取材を基に緊張感あふれる作品に仕上げています。

スノーデンを演じるジョセフ・ゴードン・レビットは1981年生まれ。青春映画「(500)日のサマー」(2009)で注目され、クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」(2010)や、ロバート・ゼメキス監督の「ザ・ウォーク」(2015)などで高い演技力をみせています。スノーデンと同世代のレビットは、現実と理想のギャップに苦悩し、自らの良心と信念によって告発を決意するスノーデンを鮮烈に演じています。

エピローグを飾るのはイギリスのミュージシャン、ピーター・ガブリエルの音楽。ガブリエルは“ジェネシス”のリードボーカルとして活動後、1977年にソロ・アルバムを発表。以降、最新のエレクトロニクスやアフリカなどの民族音楽を取り入れた独自の音楽世界を構築し、先ごろ21年ぶりのリリースとなったオリジナル・アルバム「i/o」が話題となりました。人権問題をはじめとした社会活動に積極的に関わり、スノーデンの事件にも深い関心を持っていたというガブリエル。本作に書き下ろした「The Veil」はグラミー賞にもノミネートされ、作品に深い余韻を残します。

ストーン監督入魂のドラマ。最後までじっくりご覧ください。

プレミアムシネマ「スノーデン」

2月12日(月・休)[BS]午後1:00〜3:15


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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