島根で輝く人が主役！桜庭ななみと佐野史郎が島根発地域ドラマの魅力を紹介

門脇ひかり役 桜庭ななみさん より

私が演じるひかりは、自分の人生がうまくいかないのは島根にいるせいだと思い込んでいる女性。私自身も心のどこかで、うまくいかないことを何かのせいにしたくなってしまうことがあるので、演じながら彼女の思いに感情移入する部分がありました。だからこそ、この作品を通して、私もこれからもっとがんばろうと思いましたし、自分の中で新たな目標が見つかったような気がしました。

島根県での撮影は初めてだったので、出雲ことばのせりふで演じるのが難しかったのですが、佐野さんからも現場でアドバイスをいただき大変ありがたかったです。また、ひかりが市民劇団の舞台で演劇に挑戦する場面では、実際に地元で演劇に取り組んでいらっしゃる皆さんとご一緒できて、とても心強かったです。ちなみに、監督から「ありがとう」を意味する「だんだん」という島根のことばをアドリブで入れてほしいとリクエストされたのですが、まだうまく言葉に慣れていなかったので、かなり小さい声で言いました（笑）。どこの場面で私が「だんだん」と言っているか、ぜひ、見つけてください。 島根の皆さんにご協力いただき完成した作品を、いよいよ全国の皆さんにお届けできる日がくるんだなとワクワクしています。

俳優の道を歩み始めてからことしで50年になりますが、完成した作品を見て、若き日の自分を重ね胸が熱くなりました。映画の撮影やドキュメンタリー番組などでは、何度か島根で撮影したことがあるのですが、いつか島根を舞台にしたテレビドラマに出演してみたいと思っていたので、その夢が一つかなったという思いもあります。僕が出演したシーンは、松江大橋北詰にあるバーで撮影したのですが、ほかにも、松江市内の街並み、中海なかうみに浮かぶ大根島、雲南市の奥出雲の風景など、島根の魅力、そして主演の桜庭ななみさんの魅力あふれる美しいドラマになったと思います。

島根のご出身ではない桜庭さんが、出雲ことばのせりふを実に自然な息づかいで話されていたのには驚きました。僕もこれまで、さまざまな地方のことばで演技をしてきましたが、自分が慣れ親しんだ地域以外のことばを覚えるのにはいつも苦労していました。イントネーションよりも、話す間や息を吐いたり吸ったりする感覚に慣れるのが難しいんです。でも、桜庭さんは最初に台本を読み合わせたときからうまいなと感じて。例えば「なんかね？」というせりふは、まるで長年地元に住んでいる人が言っているように聞こえましたね。僕はネイティブなのに出雲ことばのせりふがなかったのが少し残念ですが（笑）、桜庭さんのお芝居にご注目ください。

桜庭さん
私は、ドラマの中でひかりが生まれ育った場所として出てくる大根島が好きです。地域の方が本当に温かくて。撮影の合間に、地元の皆さんが振る舞ってくださった、しじみ汁のおいしさが忘れられません。ちなみに、ドラマの中でひかりがしじみになってしまうシーンがあるのですが、個人的にはそのシーンがとてもおもしろくてツボにはまってしまったので、ぜひ楽しみにしていてください。

佐野さん
僕はやっぱり、宍道湖の美しい夕景をご覧いただきたいなと思いますね。子どものころから慣れ親しんだ風景ですし。最近、ほかの作品でも島根で映画やドラマのロケが行われることが多くなったような気がしますし、このドラマでも魅力的な場所がたくさん映し出されますので、ぜひ島根にお越しの際にはロケ地巡りを楽しんでいただければと思います。