高校時代にタイムスリップ!巨匠コッポラの恋愛ファンタジー

ペギー・スーの結婚【坂本朋彦のシネフィル・コラム】

3月14日(木)[BS]午後1:00〜2:44

中年の主婦ペギー・スーは、高校時代に出会った夫・チャーリーの浮気が原因で別居生活を送っています。ある日、ペギー・スーは高校の同窓会で卒倒してしまい、気がつくと25年前にタイムスリップ。心は大人のまま、高校生に戻ってしまいます。青春をやり直そうとするペギー・スーは…。今回ご紹介するのは恋愛ファンタジーの名作です。

ペギー・スーを演じるのはキャスリーン・ターナー。映画デビュー作「白いドレスの女」(1981)や「女と男の名誉」(1985)など、官能的な大人の女性を演じて注目され、ドラマや舞台でも活躍しています。本作では、高校生に戻ってしまったことに戸惑いながらも、次第に青春を楽しもうとするヒロインの心の機微を見事に表現し、アカデミー賞にノミネートされるなど、演技が高く評価されました。
チャーリーを演じるニコラス・ケイジは撮影当時21歳。まっすぐな若者を抜群の存在感で演じています。さらにジム・キャリーやヘレン・ハントといった、その後、大活躍する若手から、モーリン・オサリバンやジョン・キャラダインといった大ベテランまで、多彩な名優が登場するのも魅力的です。

監督は巨匠フランシス・フォード・コッポラ。大学在学中から映画に携わり「ゴッドファーザー」(1972)でアメリカを代表する映画監督となります。「地獄の黙示録」(1979)をはじめ数々の名作を発表、84歳の現在は、長年の構想を実現させた最新作「メガロポリス」を製作中です。

本作は超大作ではありませんが、冒頭、同窓会に出席するペギー・スーが、ホテルの部屋でドレスに着替える場面では、鏡を使って現実離れした映像を作りだすなど、随所でコッポラ監督ならではの演出をみせてくれます。ピンクが基調の色彩で1960年の世界を表現したのは「ブレードランナー」(1982)などの名撮影監督、ジョーダン・クローネンウェス。鮮やかなパステルカラーは物語にぴったりです。

コッポラ監督作品といえば音楽も大事な要素。冒頭に流れる歌はバディ・ホリー。黒縁メガネがトレードマークのホリーは「THAT’LL BE THE DAY」「NOT FADE AWAY」などの名曲を作詞・作曲・演奏し、ビートルズやローリング・ストーンズ、多くのミュージシャンに影響を与えた天才ロックンローラーです。
1959年、22歳の若さで、飛行機事故で亡くなったホリーが最後に録音したのが「PEGGY SUE GOT MARRIED」。本作のタイトルはこの歌からとられています。

しみじみとした味わいの大人のドラマ。どうぞお楽しみください!

プレミアムシネマ「ペギー・スーの結婚」

3月14日(木)[BS]午後1:00〜2:44


坂本朋彦

【コラム執筆者】坂本朋彦(さかもと・ともひこ)

1990年アナウンサーとしてNHK入局。キャスターやニュースなどさまざまな番組を担当。2014年6月からプレミアムシネマの担当プロデューサーに。

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