小芝風花×安田 顕がバディー!交通課を舞台にした東野圭吾原作のヒューマンミステリー

ドラマ10「天使の耳~交通警察の夜」

4月2日(火)放送スタート!(全4回)
毎週火曜[総合]午後10:00~10:45/[BSP4K]午後6:15~7:00

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放送から1週間は見逃し配信をします(NHKプラス)

4月の「ドラマ10」は、交通課を舞台にした東野圭吾原作のヒューマンミステリーをお届けします!

誰にとっても身近であり、決して起きてほしくないもの、それが交通事故。無自覚な行動が、不幸な事故を引き起こします。しかし交通事故は、その“瞬間”を目にしていなければ真実はわかりにくいもの。ドラマの捜査員たちは、自分たちの無力さや法律の壁に憤り、被害者や遺族の悲しみに苦悩しながら奔走し、たったひとつの些細な可能性から真実を突き止めます。しかし、たどり着いた真実の先には、さらなるどんでん返しが待ち受け…。 交通課捜査係のバディー捜査官が、交通事故という非日常が浮き彫りにする人間の業をあぶり出します。

あらすじ

陣内 まどか(小芝風花)は、総務課から交通課に配属されたばかりの新人交通警察官。巡査部長の金沢行彦(安田 顕)を教育係にバディーを組んでの最初の交通事故は、深夜の交差点での衝突事故。外車の運転手は青信号を主張。一方の軽自動車の運転手は病院で死亡。両車両ともドライブレコーダーを装備しておらず、どちらが信号無視をしたか不明になるところ、死亡した運転手の妹が青信号だったと主張する。妹は目が不自由だった。事故当時、後部座席に同乗しており、カーラジオから流れていた松任谷由実の「リフレインが叫んでいる」の歌詞のタイミングで証明するというが…。
それから──。前を走っていた車からポイ捨てされた空き缶で失明をした婚約者のために、その車を探す行動が思わぬ事件の解決へとつながるエピソードや、あおり運転に遭い事故を起こしてしまった若葉マークの女性が抱えていた真相、心無い路上駐車が巻き起こす不幸など、日常に起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を、バディー捜査官の奮闘を通して描く。
そして──。事件を追うなかで、陣内は金沢の抱える悲劇に突き当たるが…。

昨年3月にBS4Kで放送し話題となっていたドラマが総合でも放送。番組を制作した黒沢 淳プロデューサー、小松昌代プロデューサー、演出の河原 瑶監督に収録の裏話やドラマの見どころを聞きました!

切なくも希望の光が
見えるような人間ドラマ

──「交通課捜査係」という題材をテーマに描きたかったことをお聞かせください。

刑事課や生活安全課、鑑識課などはスポットが当てられたドラマがたくさんあるのに、私たちに一番身近な交通課のプロフェッショナルな仕事も脚光を浴びてほしいと思っていましたし、ナビやスマホの“ながら”運転、高齢者ドライバーの事故、あおり運転など、今の時代ならではの問題への意識の変化の一端になればと。そして一件でも二件でも交通事故が無くなればいいなと願い、企画いたしました。

また、事故の裏に隠れた人間の無責任や悪意、そして善意もあぶり出し、切なくも希望の光が見えるような人間ドラマを創りたいと思いました。

──物語は、交通課捜査係の新人・陣内 瞬と巡査部長の金沢行彦のバディー捜査官がさまざまな事故と向き合っていきます。お2人の魅力を教えてください。

“Z世代”の陣内役・小芝さんと、実は大きな十字架を背負いながらもコミカルであり続ける金沢役・安田さんのかけあいは、荒井修子さんのポップな脚本のおかげでとっても楽しく、毎回見入ってしまいます。しかし、最終回に露呈する衝撃の真実に、「まじか!」と驚いてくださるはずです。

小芝さんのはつらつとした明るさ、清々しさは何ものにも代えがたいですし、ひょうひょうとした魅力の安田さんも、そこに隠した内面の複雑さを併せ持つ役柄を期待できる俳優さんです。

左から陣内 瞬役・小芝風花さん、金沢行彦役・安田 顕さん

演出のこだわりを
監督が明かす!

──作中のこだわりの演出を教えてください!

河原 瑶監督より

<1話について>

左から御厨奈穂役・飯沼 愛さん、安田 顕さん、小芝風花さん

1話で扱う深夜の交差点での衝突事故は、「信号が何色だったのか」が焦点になります。当事者たちの証言が食い違っているため、陣内と金沢は、事故発生時の信号の色が何だったのか調べていくのですが、はっきりとこれだ!と言える客観的証拠はなく、色々な事象をつなぎ合わせて信号の色を探っていくのですが、これがとても複雑で…。

視聴者の方へ分かりやすく伝えるため、テロップを入れてみたり、CGを使ってみたり、ありとあらゆる手を使っています。デジタルホワイトボードを駆使して実際に説明する陣内役の小芝さんは大変だったと思いますが、おかげで分かりやすくかつおもしろくお届けできているかと思いますので、注目していただきたいです。

<2話について>

2話は、1話で扱った深夜の交差点の衝突事故の解決編と新たな事故、あおり運転の導入編になっています。まず解決編ですが、簡単には終わりません…。今作でこだわったのは、“1事件1ドンデン”。東野圭吾さんの原作の持ち味を最大限活かした作りにするため、タネアカシのシーンでは、モーションコントロールカメラを使い、視覚的にも驚いてもらえるよう工夫しています。

そして、新たな事件が起こるのですが、陣内と金沢は、交通課の捜査官らしく、現場に残った“塗膜片”からあおり運転の犯人を探っていきます。これは一見地味で地道な作業ですが、交通事故の捜査としてとても大事なプロセスです。交通警察ならではの描写なので、注目していただければと思います。

<3話について>

3話は、あおり運転の解決編と、トラック横転事故の導入編になっています。解決編では、陣内がある事に気づいたことから事件が大幅に進展します。この“ある事”をさりげなく組み込むのに苦労しました…。そして、この事件も大きな“ドンデン”があります。2話のタネアカシ同様、こちらも視覚的におもしろくなるよう、音楽も含め演出していますので、注目していただけたらと思います。

トラック横転事故に関しては、クレーンを使って、実際にトラックを横転させて撮影しました。トラックの腹の部分(下の部分)を見ることはあまりないと思いますので、それだけで迫力ある画になっています。そしてこの事故は、ずっと助手的扱いだった陣内が初めて担当することになります。被害者にいい意味でも悪い意味でも寄り添ってしまう陣内に注目してみていただけたらうれしいです。

──収録中、難しかったこと、苦労したことはありましたか? 撮影裏話もありましたらお聞かせください。

交通事故を取り扱うドラマはやはりナイトシーンが多く、しかも撮影しやすい広い場所が必要なので、冬の御殿場ロケを敢行! キャストスタッフ一同、豚汁をすすりながら、作品への情熱で乗り切りました。これほど、カースタントやボディースタントが大事な作品もなかなかないので、それらに慣れたスタッフが集結し、テンション高く仕切ってくれました。

檀 れいさんや小芝風花さんのアクションシーンでは、ボディースタントも活躍してくれましたが、本人たちも運動神経がよく、とてもスムーズに撮影が進みました。ほかにもバッティングセンターの撮影もあったのですが、元ソフトボール部の檀 れいさんが見事なバッティングでホームラン級の当たりを飛ばしていました。

左から、交通課課長・斎藤多華子役の檀 れいさん、小芝風花さん

東野圭吾さんの原作を
ドラマ化するにあたって

──東野圭吾さんの原作をドラマ化するにあたってこだわったところなどありましたらお聞かせください。

やはり、ミステリー界のカリスマである方ですので、トリックや、信号機にちなんだ“ドンデン”、偶然と必然、そして各短編を紡ぐ構成案などは、何度も何度も、編集担当の方とやり取りさせていただきました。その過程で、もっと強化すべき点をご指摘いただいたり、オリジナル部分を先生からお褒めいただいたりするなど、とても楽しく勉強になるやりとりを経験できました。脚本の荒井修子さんは、ミステリーが大好きな方ですので、先生からのご指摘に対して嬉々としながら、台本を完成させていきました。

──最後に、ドラマを楽しみにされている方々へメッセージをお願いします!

東野圭吾先生ならではのドンデン返しは圧巻で、ミステリーファンもそうでない人も、沼落ち必至! 原作は、ドライブレコーダーなどなかった時代の、初期の東野作品であり、かつ主人公もすべて異なる短編集。ドラマをご覧いただいた後に原作をお読みいただくと、「これをこうして、あれはこうしたのか」と、目からうろこになるはずです。

身近な交通事故が思わぬ事件へと発展していくまさかの展開とともに、小芝さん演じる陣内の成長と、金沢との関係の変化などの人間ドラマもお楽しみください。


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