18年ぶりに復活!新プロジェクトXの見どころを先取り

新プロジェクトX〜挑戦者たち〜

4/6(土)スタート
毎週土曜日[総合]午後7:30~8:15
*初回は7:30〜8:53の83分拡大版
【MC】有馬嘉男、森花子 【語り】田口トモロヲ 【主題歌】中島みゆき「新・地上の星」

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放送から1週間は見逃し配信をします(NHKプラス)

2000年からおよそ5年半に渡って放送された「プロジェクトX」は、黒四ダムや青函トンネルなどの巨大建設工事、VHSや国産乗用車などの製品開発、あさま山荘事件の舞台裏など、日本の産業史・現代史に残るプロジェクトに関わった人々のドラマを紹介し、大きな反響を呼びました。
そんな伝説のドキュメンタリー番組が「新プロジェクトX〜挑戦者たち〜」として18年ぶりに復活します。

旧シリーズでは「戦後復興」と「高度成長」をメインテーマに、日本が戦後の焼け野原から先進国の仲間入りを果たすまでの物語を紹介しましたが、今回主に光を当てるのは、バブル崩壊以降の「失われた時代」。平成から令和の時代に、さまざまな分野で挑戦し続けてきた人々をクローズアップし、スタジオでは、有馬嘉男記者と森 花子アナウンサーが、プロジェクトの舞台裏について話を聞きます。

4月6日(土)の放送開始を前に、制作統括の久保健一チーフ・プロデューサー(以下、久保P)に、番組に込めた思いや、初回の見どころなどを聞きました。

  

「どんな時代にも挑戦者は必ずいるということを証明したい」

――前シリーズから18年が経つ今、「新プロジェクトX」を放送する意義、制作意図を教えてください。

久保P:元々、旧シリーズの制作チームにもいたので、やりがいのある番組でしたし、個人的にもいつかまた放送できたらと思っていました。ただ、今どんなテーマで?と考えるとなかなか難しいとも感じていて。そんな中、バブル崩壊後から今日まで続く日本の低迷期を指す「失われた時代」という言葉がふと頭をよぎりました。

僕は今51歳なので、大人になってから過ごした時間の大半が「失われた時代」なんですよね。それでは、僕たちの世代は子どもや孫に負の遺産しか残してこなかったのか?というと、決してそんなことはないと思うんです。戦後の復興期や経済成長が右肩上がりだった時代に比べると、時代を象徴するような巨大プロジェクトは減りましたが、でも、より良い社会を作ろうと、多彩なアイデアや夢を抱き、ひたむきに働いている人は今もたくさんいます。そうした人々を「失われた時代」という言葉で簡単に括るのではなく、その挑戦や活躍に光を当てたいと思いました。どんな時代にも頑張っている人がいることを証明したい、そして2024年の今こそ光を当てるべきテーマがあるはずだと考えたのが、今回新シリーズ制作に踏み切った理由です。

――各回の取材テーマを決める際に、番組として特に大事にしているのはどんな部分でしょうか。

久保P:まずは「よく知られているのに見過ごされているもの」の裏側を探っていきたいと考えています。例えば、初回にご紹介する東京スカイツリー。昭和33年に東京タワーが建てられてから半世紀以上が経ち、建築技術も相当進歩しているので、昔ほど大変ではないのではないかと勝手に思い込んでいました。しかし、それは僕たちの完全な見過ごし。取材を進めてみると、どんなに技術が進んでも、大事なのは、やはり人の力であるということを再認識させられましたし、旧シリーズに負けない熱い人間ドラマがありました。

第2回の「カメラ付き携帯電話」も、今や多くの人が日常的に使っていますが、日本で最初に開発されたこと自体、知らない方も多いと思いますし、どんな人がどんな思いで開発に取り組んだのかを深く掘り下げてみると、驚くような発見がありました。

4月6日(土)放送
第1回「東京スカイツリー 天空の大工事 ~世界一の電波塔に挑む~」の見どころは?

記念すべき初回は、2012年に開業した東京のランドマーク・東京スカイツリーの建設の舞台裏に迫ります。東京タワーの約4分の1という狭い敷地に超高層タワーを建てる難工事に挑んだのは、凄腕の設計士や全国各地から選りすぐられた精鋭の職人など、のべ58万人。雷や突風、東日本大震災……。度重なる難題を乗り越え「世界一のタワーをこの手で作る」と集った技術者たちの意地の物語を紹介します。

ここに注目!

久保P:工事に参加されたのべ58万人の中から、デザインした方、建て方を考えた方、鉄骨を作った方、鉄骨を組み立てた方など、より現場に近く実際に汗を流された方にお話を伺いました。持ち場によって、さまざまなご苦労や葛藤、人間ドラマがあるのですが、僕が特に心に残ったのが、鳶(とび)職人の方の言葉です。

あんなに高い所で作業するのは、いくら高所に慣れている方でもさすがに怖いんじゃないかなと思ったのですが、高さ以上に恐ろしいのは、道具を落とすことなのだそうです。ボルトを1本落としても、地上にいる人に当たれば大事故になるので、身につけている物を絶対に落とせない。一方で、競合他社に負けられないというプレッシャーもあり、作業のスピードも重視しなければならない。その緊張感たるや、想像しただけでも凄まじいものがありますよね。

選りすぐりのスペシャリストばかりが集まっている現場なのですが、やはり上には上がいて、技術の差を肌で感じさせられたとおっしゃっていた方もいらっしゃいました。自分の技術をさらに磨くためにほかの職人さんに教えを乞い、そこで新たな絆が生まれたというエピソードも印象的でした。そうした職人さんたちの姿は、業種や時代関係なくかっこいいなと実感したので、ぜひ、ご注目いただきたいです。

この先のラインナップ

第2回 4月13日(土)
「弱小タッグが世界を変えた ~カメラ付き携帯 反骨の逆転劇~」

第3回 4月20日(土)
「約束の春 ~三陸鉄道 復旧への3年~」

放送直前スペシャルで「新プロジェクトX」がより楽しく!

「新プロジェクトX〜挑戦者たち〜放送直前スペシャル」を4月6日(土)午前8:15から再放送(初回放送は3月28日)。旧シリーズの大ファンだという宇宙飛行士の野口聡一さん、タレントのカズレーザーさん、お笑いタレントのヒコロヒーさんと共に、旧シリーズの名場面を振り返ります。中島みゆきさんの歌う「新・地上の星」もお楽しみに!

久保Pからメッセージ

旧シリーズを制作していたころは、昭和の戦後復興や高度経済成長を支えた方々がご健在で、そうした人々の思いは取材していて心を揺さぶられました。今の時代も、素晴らしい志を持って頑張っている人がたくさんいるので、ぜひ、旧シリーズのファンの方も引き続きお楽しみいただければと思います。

また、新シリーズから初めてご覧になる方の中には、今まさに進行中のプロジェクトに携わっている方もいらっしゃるかと思います。どんな仕事も、うまくいかないことや壁にぶつかることがありますが、番組で取材したプロジェクトは、全て挫折から出発しています。失敗や挫折の先にも、こんな笑顔を見られることがあるんだ、こんなふうに乗り越えてきたんだというメッセージが、今踏ん張っている方や夢を追って挑戦している方に届けばいいなと願っています。


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