石橋静河 × 稲垣吾郎 × 内田有紀!代理出産を巡る女と男の欲望のドラマ

ドラマ10「燕は戻ってこない」

4月30日(火)スタート(全10回)
毎週火曜[総合]午後10:00~10:45/[BSP4K]午後6:15~7:00
〈再放送〉毎週金曜[総合]午前0:35~1:20 ※木曜深夜

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放送から1週間は見逃し配信をします(NHKプラス)

お金も夢もない29歳のリキ。元トップバレエダンサーで、自らの遺伝子を継ぐ子を望む基。不妊治療をあきらめた、基の妻・悠子。それぞれの欲望が「代理出産」を通じて交差する…。

ドラマ10「燕は戻ってこない」は、作家・桐野夏生さんが「命は誰のものか」をテーマに描いた同名小説が原作。連続テレビ小説「らんまん」の脚本家・長田育恵さんによる脚本で、生殖医療の光と影を描きます。

生活苦から代理出産を引き受ける主人公・大石理紀(リキ)を演じるのは、石橋静河さん。代理出産で子どもを得ようと奔走する草桶基を稲垣吾郎さん、その妻・悠子を内田有紀さんが演じます。

原作やドラマの魅力を、石橋さん、稲垣さん、内田さんに語ってもらいました。


【ドラマのあらすじ】

派遣社員として暮らすリキ(石橋静河)は悩んでいる。職場の同僚、テル(伊藤万理華)から「卵子提供」をして金を稼ごうと誘われたのだ。

アメリカの生殖医療エージェント「プランテ」日本支社で面談を受けるリキ。そこで持ち掛けられたのは「卵子提供」ではなく「代理出産」だった。

一方、元バレエダンサーの草桶 基(稲垣吾郎)と妻の悠子(内田有紀)は、高額の謝礼と引き換えに二人の子どもを産んでくれる「代理母」を探していた。


インタビュー

大石理紀(リキ)役 石橋静河さん × 草桶 基役 稲垣吾郎さん × 草桶悠子役 内田有紀さん

──桐野夏生さんの原作小説を読まれた感想はいかがでしたか?

石橋:原作本はとても分厚く、ここにどんなものが詰まっているのかと考えると怖くて、なかなか本を開くことができなかったんです。でも、いざ読み始めたらおもしろくて1日で読み終えました。代理出産のことだけでなく、貧困や女性蔑(べっ)視、多くの女性が感じてきたであろう苦しみが、叫びのように感じられて衝撃が走りました。演じるには勇気が要りましたが、ドラマを通してそうした叫びを世の中に伝えなければと思い、出演を決めました。

稲垣:生殖医療のことや、地方社会のちょっとした息苦しさ、若者の貧困など、今、深刻になっている社会課題がテーマとして描かれていて、この作品をドラマ化するということは一つの挑戦だと感じました。無意識に相手を傷つけていたり、女性の気持ちをわかっているつもりでいてもわかっていないのかもしれないと気づかされたりした部分もあって、目からうろこでしたね。

内田:もともと桐野さんの小説が好きで、この作品もすぐに読み終えたのですが、一つの言葉では言い表せないくらいとても繊細なテーマが描かれているので、真摯に向き合って演じなければと覚悟しました。原作の魅力に加え、ドラマオリジナルのエピソードも見どころの一つです。原作を読まれて物語の流れを知っていらっしゃる方も、ご注目いただければと思います。

──ご自身の役について、どんな人物像だと捉えて演じられましたか。

石橋:リキは、派遣社員として働いているごくふつうの29歳の女性です。何か特別な人や特別な事柄を描いているのではなく、自分たちの身近にいるような人が関わっている話としてこの作品をお届けしたいので、“ふつうの人”という意識を大切に演じました。

稲垣:僕が演じる基は、元世界的バレエダンサーで、自分の遺伝子を受け継ぐ子どもをなんとしてでも残そうと強いこだわりを持っています。その姿は、時に滑稽(こっけい)にも見えるのですが、決して悪人ではないので、人間味あふれるチャーミングな人物として見えればいいなと思っています。

内田:悠子は、愛する人の子どもを産みたいと願いながらもかなわず、苦しみ、葛藤します。基さんは無邪気ですてきな夫ですが、いろいろな意味で突き抜けているところがあるので、夫婦で意見がすれ違うことも……。序盤から厳しい状況に置かれていますが、非常にフラットでナチュラルな女性だと考えて演じています。

──「代理出産」について、リキ、基、悠子それぞれが異なる思いを抱えています。皆さんはどんなことを考えられましたか?

石橋:「代理出産」や「代理母」という言葉は知っていましたが、詳しいことについては知りませんでした。リキも何の知識もないまま代理出産に関わり、人に振り回されたりさまざまな状況に立たされたりする中で少しずつ学んでいきます。最初から知識を詰め込み過ぎて頭でっかちになるのはよくないと思ったので、脚本と原作に書かれているたくさんの情報を元に、私自身も役を演じながら学んでいるところです。

稲垣:自分のDNAを残したいという欲望は、人間の本能でもあります。僕自身は、自分の何かを残すということにあまりこだわらず生きてきたので、もしかしたら、この役を演じることで、自分の考えに変化が生まれることもあるのかな?と考えながら撮影に臨みました。変わらないかもしれないけど。今後、このテーマが社会でどうなっていくのか、皆さんと一緒に考えるきっかけになるドラマだとも思っています。

内田:撮影に参加させていただくにあたって勉強しまして、さまざまな生き方や選択肢があることを知りました。人によっていろいろな考え方やご意見があるかと思いますが、気持ちが伴っていなかったり誰かの心が置いていかれてしまったりすることがあってはいけないと感じています。

──第1話で印象的だったシーンを含め、今後の見どころを教えてください。

石橋:リキとテル(伊藤万理華)が、コンビニでお昼ご飯を食べながら卵子提供について話すシーンがあるんです。「献血も卵子提供も同じだよ」というような会話を、ごくふつうの女性が日常的な場所で話している描写が、この先、物語が展開していく中でキーになるような気がして、とても考えさせられました。複雑な問題をテーマに描いた作品ですが、すばらしい原作・脚本、スタッフ、キャストの皆さんと、これ以上ない座組で挑めることを幸せに思っております。2話以降もおもしろい作品に仕上がっておりますので、お楽しみいただけたらと思います。

稲垣:1話は、ドラマをご覧いただく皆さんを物語の世界にいざなう上で、基と悠子が違和感なく「夫婦」として見えることが大事だと思ったので、内田さんとも話し合いながら演じました。バレエのシーンが出てくるのですが、現場でバレエの先生にご指導いただきながら、バレエ経験者の石橋さんや内田さんにもアドバイスを受けながら頑張りました。それと、ラストシーンで、リキの目がまるで欲望のスイッチが入ったかのようにガラッと変わる瞬間があるので、石橋さんの表情の変化にもご注目ください。

内田:稲垣さんがお話しされたように、第1話では、夫婦の関係性をていねいに描いているので、それぞれが目指す場所が少しずつずれていく瞬間が、ひしひしと伝わるんじゃないかなと思います。また、今後、リキちゃんと基さん2人のシーンも描かれていくので、2人の関係性がどうなっていくのかも楽しみなところです。この作品では、女性の生きづらさが描かれていますが、女性に限ったことではなく、男性もいろいろなことを感じていると思うので、幅広くさまざまな方にご覧いただけるとうれしいです。


ドラマ10「燕は戻ってこない」

【放送予定】
4月30日(火)スタート(全10回)
毎週火曜[総合]午後10:00~10:45/[BSP4K]午後6:15~7:00
〈再放送〉毎週金曜[総合]午前0:35~1:20 ※木曜深夜

【原作】桐野夏生

【脚本】長田育恵

【音楽】Evan Call

【出演】石橋静河、稲垣吾郎/森崎ウィン、伊藤万理華、朴 璐美/
富田靖子、戸次重幸、中村優子/内田有紀、黒木 瞳 ほか

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放送から1週間は見逃し配信をします(NHKプラス)

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