世界ふれあい街歩き

場所

　紀元前8世紀に建国された“永遠の都”ローマ。イタリアの中部に位置する首都ローマは約270万人を擁する大都市です。気候は温暖で四季がはっきりしていますが、夏は乾燥しており冬は雨が多い土地です。街中にはイタリアで3番目に長いテベレ川が流れます。街の一角にはローマ法王の居住する独立国バチカン市国があり、カトリックの総本山サンピエトロ寺院には巡礼者や観光客など多くの人々が訪れるなど、世界有数の観光地の姿があります。一方で、石畳の路地や下町、庶民の地区ではその落ち着いたたたずまいが世界の人びとを魅了しています。

トラステベレの歴史

　ローマ旧市街から見てテベレ川の向こう岸にできた「トラステベレ地区」。この地区が成り立った経緯は当時、ローマ帝国の港が紀元前2世紀にこの場所にできたためです。
　港に必要となるのは労働者、事務所、住居です。トラステベレはこの港の労働者たちで築かれた街なんです。当時は「アンフォラ」と呼ばれるつぼにワインやオリーブオイルを入れて港に運びいれていました。しかし、このつぼはよく割れたので破片の処理が大変だったとか。トラステベレの労働者たちが、その破片を処理して積み上げた結果、なんと周囲1ｋｍ、高さ50ｍの破片の丘になりました。几帳面（きちょうめん）なトラステベレの人々は、破片の丘を補強した上で重要な文化遺産として保存しています。

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介！

　ローマの人気料理を紹介してくれるのは、 食べ歩き大好き現役女子高生2人　ジュリア・アスタリタちゃんとジョルジャ・メコニちゃん。

ピザ・アル・ターリオ

丸いピザではなく、大きな四角い鉄板で生地を伸ばすのがローマ風。これは70年ほど前にローマのパン屋さんで始まった焼き方なんです。ピザ・アル・ターリオの最大の特徴は、お好みに応じて、グラム単位で量り売りしてくれる事。ローマでは手軽にピザを食べ歩きできるんですね。

グラニータ・ディ・カフェ

濃いめに入れたエスプレッソに砂糖を加えて、18時間凍らせたシャーベットの上に生クリームを乗せたスイーツ。エスプレッソの苦みに生クリームの優しい甘味が加わった絶品スイーツ。

スップリ

ローマ生まれのライスコロッケ、「スップリ」とは、イタリア語なまりで「驚く」という意味。何が驚きかというと、中身はトロリとしたあつあつのモッツァレラチーズ。トマトで味付けしたライスとの相性は抜群。

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます！

オルビエート

語り：えなりかずき

　ローマから車で北へ1時間半、さらにケーブルカーに乗車。大パノラマの先に見えるのが、崖の上にそびえ立つウンブリア州オルビエート。ローマの先住民、古代エトルリア人が約3000年前に築いた街で、敵から攻められないように、崖の上をあえて選んだのだそう。周囲2ｋｍに満たない旧市街には不釣り合いなほど、壮麗な宮殿や教会がひしめき合ってます。中世の時代、街の雰囲気を気に入った歴代ローマ法王が隠れ里としていたのだとか。
　街のシンボルであり、ロマネスク・ゴシック建築の宝石と称される大聖堂ドゥオーモは13世紀末に建設が始まり、建築家30人以上、彫刻家 120人以上、画家60人以上、モザイク師90人以上という多くの人々が300年の年月をかけて、完成された大聖堂です。
　街で一番高い場所にある「モーロの塔」からは、中世の街並みと緑豊かな田園風景が一望でき、すばらしい眺めです。