これまでの街歩き

シベリアの短い夏
イルクーツク/ ロシア

2017年10月31日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2017年8月

世界地図

地図

場所

 イルクーツクはロシア・シベリア地方に位置する、イルクーツク州の州都。人口は約60万。シベリア東部の政治・文化・工業の中心都市で、ロシア極東地域と中央アジア地域を結ぶ交通の要衝です。ヨーロッパの影響を受けた美しい街並みから「シベリアのパリ」ともいわれています。1652年、コサックが毛皮の交易のためアンガラ川のほとりを開拓したのが街の始まりで、国境交易の拠点として発展してきました。
 日本とのかかわりも深く、江戸時代に漂流した日本人の大黒屋光太夫らが1789年にイルクーツクを訪れています。第二次世界大戦時には日本人抑留者の収容所が作られ、数多くの抑留者が強制労働に従事させられました。現在も、抑留者たちにより作られた建物が街に残っています。

Information

イルクーツクの発展とシベリア鉄道

 17世紀半ば、コサックたちが先住民たちと毛皮の交易をするために、アンガラ川のほとりに小さな砦(とりで)を築いたのがイルクーツクの始まりでした。その後、シベリア鉄道が開通。シベリア鉄道はモスクワからウラジオストクまでを結ぶ全長約1万kmの路線です。シベリアで採れた農作物はヨーロッパ各地へと運ばれ、街は飛躍的な発展を遂げました。
 社会主義のソビエト時代に入ると、鉄道は国家の重要産業と位置づけられ、政府は鉄道のさらなる発展を目指して人材育成のための専門学校をイルクーツクに作ります。そこで、運転から車掌業務までをすべて子供たちが行う子供鉄道が誕生しました。ここで英才教育を受けた子供たちが、卒業後、シベリア鉄道の発展に貢献していくことになりました。
 今もイルクーツクに残る子供鉄道。鉄道に興味がある子供たちに専門教育を受けさせるかたわら、街の大切な観光名所にもなっています。駅の業務から運転まで、昔行われていた通り、すべて子供たちが行うのが伝統です。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

今回紹介してくれるのは、女性にモテないことが悩みだというイワンさん。今年は絶対にかわいい彼女をつくるんだと意気込み十分!      デートの練習相手を務めるマトリョーシカと一緒に、恋人と初デートで訪れたいという、とっておきのお店を紹介してくれました。

サグダイ

バイカル湖でとれたオームリを生のまま食べる、地元限定の料理。オームリはバイカル湖にしかいない白身魚。新鮮なオームリをさばいたら、好みで塩こしょうとオイルを加え、レモン汁を絞って出来上がり!さっぱりとした味わいが夏にぴったりの一品です。
※オームリは、政府により漁獲を制限されることがあるためご注意ください。

フシュール

ロシアの先住民族、ブリヤート人の伝統料理。見た目は中国の肉まんにそっくりです。香草やニンニク、タマネギで味付けした牛肉を、薄い小麦の生地で包んで蒸したら出来上がり。中は熱々の肉汁がたっぷり。今やイルクーツク市民にもおなじみの料理で、小腹がすいたときの軽食として食べられています。

オクローシカ

ロシアではおなじみの夏の飲み物、クワスを使ったさっぱりとしたスープ。クワスとは、しらかばの樹液に発酵したパンを加えて1週間置いたもの。細かく刻んだソーセージと野菜に、たっぷりのサワークリームを添えて、その上から冷たいクワスをかけてかき混ぜたら出来上がり。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

世界遺産の巨大湖 バイカル湖
語り:アンガールズ 田中卓志

 今回目指すのは、イルクーツクから車で約1時間の距離にある一大リゾート地、バイカル湖。バイカル湖は琵琶湖の46倍もの大きさで世界最古、世界で最も深く、有数の透明度を誇ります。ガイドのマリーナさんと一緒に、この世界遺産の美しい湖を巡っていくことに。
 バイカル湖の見どころは、特殊な環境が生み出した独自の生態系。世界で唯一淡水に住むバイカルアザラシは特に有名です。ぜひ、バイカル湖の固有種たちに会いたい!と連れていってもらった先に待っていたのはオームリの開きにゴロミャンカのくん製・・・。でも、その後とっても可愛いバイカルアザラシの芸をちゃんと見せてもらえました。
 そして、いよいよマリーナさんイチオシの大絶景が見られるという展望台へ。「バイカルは私たちの宝よ。特別なエネルギーに満ちているの」と、マリーナさん。バイカル湖の美しい水平線を眺めながら、気になっていた恋人の有無を確認すると、返事はなんと内緒・・・!?雄大なバイカル湖の絶景、涙を飲んで堪能しました。

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