これまでの街歩き

こびとが住む街
ウロツワフ/ ポーランド

2017年12月12日(火) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2017年9月〜10月

世界地図

地図

場所

 ウロツワフは、ポーランドの南西にある第4の都市で、シロンスク地方の中心都市です。チェコからバルト海へ流れるオドラ川沿いに広がる街は、10世紀、東西ヨーロッパを結ぶ拠点として築かれました。古くはポーランド王国の領土でしたが、16世紀にハプスブルク家、18世紀にはプロイセン王国と次々と支配者が変わります。
 第1次世界大戦後、ポーランドは独立しますが、このとき、ウロツワフはまだドイツの一部でした。ウロツワフがポーランドに戻ったのは、第2次世界大戦後。ポーランドの東側の地域がソビエト連邦の領土になったのと同時に、ドイツ領だったポーランドの西側の地域がポーランドに戻されたのです。しかし、冷戦まではソビエトの影響を強く受けました。
 料理などはロシア、街並みの多くはドイツの時代の名残をとどめるなど、東西の文化が入り混じる街です。

Information

こびとが住む街

 ウロツワフは、東西ヨーロッパを結ぶ拠点として築かれた街ゆえに、かつて、さまざまな国に支配されました。第2次世界大戦後、ようやくポーランドに戻りますが、その後は長らく、ソビエト連邦の影響を受け続けます。
 1980年代に入り、東欧諸国に先駆け、ポーランドで民主化を求める運動が活発になると、ウロツワフで、こびとの格好をして社会主義体制を批判する「オレンジ・オルタナティブ運動」が広がりました。ポーランドは1989年に民主化を達成。民主化運動の象徴として、ウロツワフでは15年前から、こびとの銅像が設置され始めます。その第1号で、"こびとたち”のリーダー的存在が「こびとのお父さん」。街の人々の平和への願いが込められた"こびと"たちは、今なお増え続け、300を超えます!

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 今回の案内人は、自称"名脇役”のロベルト・カチョロフスキさん。名脇役と言っても、まわってくる仕事は実はエキストラばかり…。
 名脇役の素質に必要なものに絡めながら、昔からウロツワフの人々に愛されてきた郷土料理を紹介してくれます。

ジュレック

ポーランドの国民食とも言えるスープ。味の決め手は、ライ麦を発酵させて作る「ザクファス」。これを、じっくり煮込んだブイヨンに加えることで、酸味のある独特の風味が生まれるんだとか。セロリやにんじんなどの野菜と、ソーセージ、ゆで卵などが入っています。中身をくり抜いたパンの器に入れて、頂くこともあります。

ピエロギ

ポーランドを代表する食べ物のひとつ、ピエロギ。肉や野菜など、さまざまな具材を厚めの皮で包んでゆで上げる、水ギョウザに似た食べ物。ウロツワフでいちばん人気の種類は、カッテージチーズとジャガイモを包んだ「ロシア風ピエロギ」。中にジャムを入れて、デザートとしても食べられます。

ポンチキ

ポーランド全土でこよなく愛されている揚げドーナツ。
外側は砂糖でコーティング、中には味のポイントとなる酸味のきいたバラ・ジャムが入っています。最近は、カスタード・クリームやチョコ・クリームを入れたものもあり、街なかで食べ歩きをしている人をたくさん見かけます。ポーランドに行った際はぜひともご賞味あれ!

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

大人気!ポーランド陶器の街で優雅なティータイムを
語り:つぶやきシロー

 ウロツワフ駅から電車でおよそ1時間半。ポーランド陶器で有名なボレスワヴィエツを訪ねます。「ボレスワヴィエツの陶器で飲むと優雅な気持ちになる」と電車で会ったおじさんから聞き、工房を訪ねて、陶器の魅力を教えてもらいます。
 工房のオーナーによると、ボレスワヴィエツの陶器の特徴は、白く良質な粘土を使うため、高温で焼くことができて固いこと。なんとオーブンや電子レンジでも使用できるそうです。利便性があって、世界中で人気となっているそうです。
 人気のもうひとつの理由は、そのデザイン。職人さんたちがひとつひとつ、スタンプや筆を用いて手作業で絵付けをしていました。旅の終わりに工房の方々とゆっくり優雅なティータイムを味わってみたかったのですが、仕事が忙しくて、つきあえないとのこと。代わりに、すてきな陶器のティーポットとカップを貸してくれました。よ~し、優雅なティータイム、ひとりで楽しもう~!涙をこらえて…、上を向いて…。

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