これまでの街歩き

メリダ/ メキシコ

2009年3月5日(木) 初回放送

語り:浅野和之

撮影時期:2009年2月

街の「市場」

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街の中心にほど近い「ルーカス・デ・ガルベス市場」へやってきました。大きな屋根を目指して敷地内へ入ると、あちこちからラテンの陽気な音楽が聞こえてきて、とってもにぎやか。
色とりどりの花が並ぶお花屋さんを眺めながら歩いていると、キーボードを弾き鳴らすおじさんに遭遇!
流れていた音楽は、生演奏だったのです。野菜売り場でサックスが響いたり、肉売り場では打楽器と笛が演奏されたり、フード・コートではキーボードを伴奏にナンセンスソングが熱唱されたりと、市場はコンサート会場のようでした。音楽に合わせてお店の人もノリノリで踊っていますが、これでもまだ午前中。このテンションでずっと過ごしたら、楽しい一日になることうけあいです。

街の「トルティーヤ屋」

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「希望」という名の住宅街。お昼時に、ひときわにぎわうお店を発見しました。行列を作って人々が買い求めていたものはトルティーヤ。トウモロコシの粉を焼いて作る、メキシコ人の主食です。
住宅街にはトルティーヤ屋さんが何軒もあり、お昼時ともなると、焼きたてのトルティーヤを食卓にと近所の人たちが買いにやってくるのです。
ハンカチを広げて、トルティーヤを包んでいたおばあさん。エコバックかな?と話しかけてみると「紙は気まぐれだから(くっついてしまうから)」布に限るとのこと。生活の知恵だったんですね。
焼きたてのトルティーヤを買って、これから一家団欒(いっかだんらん)のお昼ご飯なの、と、とってもうれしそうでした。

街の「標識」

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街の西側にある住宅街へやってきました。曲がり角に面した壁に、イラストの入ったプレートを発見。「小さな丘」と書いてあります。平らなこの街のどこに「丘」が・・?近所の方に聞いてみました。
「昔ここにピラミッドがたくさんあった、という意味だよ」丘はピラミッドのことだったんですね。壁にイラスト入りのプレートを埋め込むという習慣は、スペイン植民地時代からのもので、その地域の歴史を描いたものが多いのだとか。現在メリダには約200個のプレートがあるそうです。
次の角にもあるかな・・と注目して歩いていると、「高潔さ」という文字が入ったプレートがありました。通りすがりの方にその意味をたずねると・・・
「“高潔さ”というのは、例えば誰かが落としたお財布を見つけたら、それを持ち主にちゃんと戻してあげること。昔、この場所にそんな高潔な人たちのお店があったから、このプレートがつけられたんだよ」街角に歴史あり。イラスト入りのプレートは、タイムカプセルみたいな存在なんですね。

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