これまでの街歩き

キエフ/ ウクライナ

2011年10月20日(木) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2011年6月

街の「人気のおやつ」

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 街の中心地にあり、キエフ市民の憩いの場となっている独立広場。そこに面した大通りに、小さな売店がありました。
 一人で店に立つ女性店員の方にちょっとお話を聞いてみると、そこにはウクライナならではの人気商品がありました。それは“ひまわりの種”。ウクライナでは子どもからお年寄りまで、誰もが日頃から食べているそうです。店員さんは、わざわざ袋を開けてその種を見せてくれました。煎(い)った黒豆のようでした。
 ウクライナはスケールの大きなひまわり畑があることで有名。店員さんの実家の庭でもひまわりを育てているのだそうです。何気ない朝の会話から、ウクライナの人たちが愛する「意外なおやつ」を発見することになりました。

街の「よみがえった伝統刺しゅう」

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 キエフの街なかでもひときわにぎわう地区に、趣のある石畳が続く坂道があります。“キエフのモンマルトル”とも呼ばれるこの坂道には、さまざまな露店が軒を連ねています。
 その中に、刺しゅうを施した作品や衣装を売っているおばあさんがいました。おばあさんによると、それは西ウクライナの伝統の刺しゅうで、1991年、ウクライナが旧ソビエトから独立したことによって再び脚光を浴びるようになって、キエフの街でも目にする機会が増えているといいます。今の暮らしがあるのもこの刺しゅうのおかげと話すおばあさん。国が独立したことによって、ウクライナの伝統文化と、人々の誇りがよみがえってきているようでした。

街の「民族楽器を奏でる歌手」

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 修道院の前の広場で、楽器を演奏しながら歌っている初老の男性に出会いました。彼が弾いている楽器はギターとはちょっと違う弦楽器。それはウクライナの民族楽器、「バンドゥーラ」でした。弦の数はなんと64本。ハープのような美しい音色を持つこのバンドゥーラ、今では弾ける人も少なくなってきているという貴重な楽器です。子どものころから音楽に囲まれ、この街で演奏してきたという彼にとって、キエフは「母親のような存在」なんだとか。その歌声と演奏からは、半世紀にわたって地元のプロ演奏者として活動してきた彼の人生、そしてウクライナの歴史が見えてくるようでした。

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