これまでの街歩き

斜めが似合う街
ピサ/ イタリア

2017年8月1日(火) 初回放送

語り:竹内結子

撮影時期:2017年4月

街の「ピサの斜塔」

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 旧市街地の北にあるドゥオーモ広場は、その景観の美しさから「奇跡の広場」と呼ばれます。青々とした芝生に、斜塔をはじめとした、大聖堂(ドゥオーモ)、洗礼堂など、白い大理石の建物が見事に調和しています。
 斜塔は大聖堂の鐘楼として1173年に建築が始まりました。建設中の地盤沈下が原因で傾き、現在、傾きは約4.8度。
 「奇跡の広場」で出会った「ピサ大学」の学生さんには、斜塔にまつわる「おまじない」を教えてもらいました。それは「大学を卒業するまで斜塔には上らない」ということ。“すべって不運になるから”だそうです。ピサの学生たちは、斜塔に上ることを卒業後の楽しみにしています。卒業後に斜塔からの景色を見て、新たな一歩を踏み出すのです。

街の「東の斜塔」

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 傾いているのは“ピサの斜塔”だけではありません。「サン・ミケーレ・デッリ・スカルツィ教会」の鐘楼です。通称、“東の斜塔”。訪れてみると、そこには教会ごと傾いている建物がありました。ピサはアルノ川の河口につくられた街。土壌の水分が多く、地盤が弱いのが原因で建物が傾いているのだそう。
 塔の下で出会ったのは、大勢の元気なおじいさんたち。この街に生まれ、この塔の下で育った幼なじみ。毎日集まっているそうです。しかも!おじいさんたち、思いつきで壁に「堤防の少年たち」と刻んだプレートを取り付けちゃっていました。おじいさんたちのグループ名で、存在証明だそうです。
 ピサにある、さまざま塔の下では、それぞれの時間が流れています。

街の「製本屋さん」

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 細い路地を歩いて見つけたのは、古い本の修理をしてくれるお店。大学が近いため、研究論文なども製本するそうです。経営してるのは、生まれも育ちもピサというご夫婦。一冊一冊、手作業で修理しています。学生たちは、自分たちの子どものような存在だそう。心を込めて修理した本で、学生たちを支えています。
 「ピサの斜塔」が建つ「奇跡の広場」はご夫婦の思い出の場所。独身時代、よく、2人で散歩したそうです。
 奥様を口説くのに時間がかかったというご主人。今では、尻にしかれ、時にはけんかもするけれど、奥様と出会えたことを「これ以上ない幸運だ」と言います。どんな傷ついた本も、“きっと直してくれる”ご夫婦です。

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