2006年3月12日(日)
午後9時00分~9時52分
総合
エスカレーターからの転落死。風呂の残り湯で遊んでいて溺死・・・。日本では、こうした「不慮の事故」による死亡率が先進国平均の1.7倍。14歳以下の死亡原因の第一位を、50年近く占めている。事故で子どもを亡くすと、親もショックで立ち直れなくなるなど、被害が深刻なのにも関わらず、似たような事故が繰り返される傾向もある。
「事故の多くが、きちんと見ていなかった親が悪いと片づけられているが、それでいいのか。隠された原因があるから繰り返されるのではないか」。そう考える横浜市の山中龍宏医師らは、去年、「子どもの事故サーベイランスプロジェクト」を立ち上げた。全国の医療機関に集まるケガや事故の情報を収集・分析し、データベース化しようとしている。メンバーには医師だけでなく大学教授、建築家、技術者なども集まった。
プロジェクトでは、すべり台で起きた事故を解明するため、実物大の模型を実験室に再現するなど、一見ささいな事故でも徹底した原因究明を行った。その結果、偶然に見える事故の多くに、潜在的な危険が隠れていることが明らかになってきた。
「防げたはずの子どもの事故」をなくそうとするプロジェクトの活動を、4か月にわたり追う。