2016年5月29日(日)
午後9時00分~9時49分
総合
メルトダウンした3つの原子炉を同時に「廃炉」にする、世界でも前例のない取り組みを取材する長期シリーズ。今回は、廃炉工程の前に立ちはだかる最大の難関“核燃料デブリ”の取り出しに向け、大きな岐路に立つ現場を見つめる。
事故で溶け落ちた核燃料は「デブリ」と呼ばれている。極めて強い放射線に耐え、放射性物質の飛散も防ぎながら、どうすればデブリを安全に取り出せるのか。リスクに対峙し、模索を続ける現場は、新たな困難に直面している。放射性物質を封じ込める“最後の砦”の格納容器は、事故で様々な場所が損傷。補修に向けた技術開発が進められているが、道のりは想像以上に険しいことがわかってきたのだ。さらに、原発内部にロボットを投入してデブリを直接とらえようという調査も大幅に遅れている。現在のスケジュールでは、デブリをどう取り出すか、大方針を決めるまであと1年。決断の時が迫っている。人類は核を制御できるのか、大命題と向き合う東京電力・福島第一原発の現場をルポする。