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放送内容

経済

マネー・ワールド
~資本主義の未来~
第3集  借金に潰される!?

初回放送

総合 2018年10月14日(日)
午後9時00分~9時49分 総合

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爆笑問題と共にお届けする経済エンターテインメント。第3集はかつてないほど膨らんだ世界の「借金」に切り込む。各国で発行され、金融機関を通じて個人・企業・国家に貸し出された通貨は空前の規模に達し、IMF(国際通貨基金)によれば世界の借金の総額は164兆ドルに上る。日本円にすると約1京8500兆円だ。資本主義の歴史上、大きな危機が迫っているとIMFは警告を発した。
アメリカでは、学生ローンの総額は1兆5000億ドル(約170兆円)に達し、奨学金の返済が滞っている人は、史上最多の690万人に上る。多重債務者が380万人、成人の人口の1割ほどに及ぶ韓国では、政府が一定の条件のもとで個人の借金を肩代わり(減額・帳消し)するという驚くべき政策に踏み切った。背景には、借金の苦しむ人びとを「市場に戻す」、つまり生産し消費する存在に戻す目的がある。
そもそも資本主義において借金は、事業を開始したり拡大したりするために欠かせない、いわば「成長のエネルギー」とされてきた。ところが現在は、経済成長よりも借金が膨らむスピードが早過ぎて、むしろ経済活動の「足かせ」となっている状況だと指摘されている。個人だけでなく、企業も政府も巨大な借金に苦しんでいる。プエルトリコでは、政府が借金によって財政破綻に追い込まれ、医療や教育などの行政サービスが停止状態に陥った。さらに、借り手を求める金融機関のマネーがアジア各地に流れ込み、高い金利に苦しむ人びとが現れる事態も生まれている。
「借金漬け」となった私たちはどうすれば救われるのか? 世界で始まった新たな取り組みから考える。

放送を終えて

借金というものの奥深さに悩み続けた制作期間だった。そもそも借金とは、金銭の貸し借りという点では経済学的な側面を持つ一方、人と人との「約束」であり、「物欲」を喚起する動機となり、そもそも「負い目」という語源を持つとされる。極めて人間的な感情に絡む側面を持っている。ある金融関係者は「借金はより豊かな経済力を手にするためのツールで、経済発展にはかかせないもの」だと語った。別の研究者は「借金とは強者が弱者を支配するための道具」だと語った。また、ミャンマーの村の住民は「返せなければ来世で返済しないといけない、火のように恐ろしいものだ」と語った。このようにつかみどころのない借金だが、世界各地の現場を回り感じたのは、かつてない規模にまで膨らんだ今の借金のあり方は持続可能ではなく、何らかの倫理が問われているという手応えだ。しかし、来たる新たな借金や資本主義のカタチはどういうものなのかは想像が難しい。20年、30年後、人間社会と借金はどんな関係になっているのか、私たちの番組はその文脈で見たときにどのような意味合いをもつのか、見守っていきたいと考えている。

ディレクター 吉田宗功

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