2008年6月17日(火)
欧州の大手スーパーや小売店などで安く売られるタオルやシーツが、実はインド北西部のコットンベルト(綿花栽培地帯)で働く労働者や地域住民の健康を犠牲にして生産されているという企業のグローバル化に警鐘を鳴らす番組。綿花の生産性を上げ価格競争力を高めるため、年に20~30回もの農薬の大量散布が行われ、ガンの発生率が著しい高まりを見せているインドの状況を取材した。
北欧の化学薬品会社がインドで販売している農薬の大半は、EUではすでに禁止されたもの。会社側は、ゴム手袋や長靴、マスクの着用など使用上の注意を明記してあるというが、ほとんどの農民は文字が読めず、素手で農薬を散布。健康被害は拡大している。
また、ある繊維工場では、14歳にも満たない少年たちを発見。作業場では、素手のまま塩素入りの染色液や漂白液を扱い、手も洗わず床で食事をする。
欧州の小売り企業の多くは、工場の選択をエージェントに任せきりで、現場の労働環境まで知りえないのが通常だ。グローバル企業は、発注先の工場に対しても労働安全環境基準を守るよう厳しく求めるべきだと専門家は指摘する。
2007年イタリア賞受賞作品
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